「UXリサーチャ」に求められるスキル・要望を海外のjob descriptionから考える

現在の日本では「UXリサーチ」はUXデザイナーやプロデューサが持つ職能の1つという状況だが、海外においてはUXリサーチを専業に行う「UXリサーチャ」という職種も別途存在する。

ちょうど5月2日に、ある海外企業のUXリサーチャの募集要項が掲載されていたので、ここから、今後の日本で「UXリサーチャ」として活躍していく際に求められるスキルを考察する。なお並び順とグルーピングは筆者が追加している。また日本語訳は大いに意訳となるため、いちおう英語原文をそのまま付ける。

スキル1. カスタマージャーニーの把握&整理

1-1. 新たなカスタマージャーニーの提案
Ideate new user journeys for systems

1-2. カスタマージャーニーへのビジネス要件の落とし込み
Translate business requirement specifications into valuable user journeys

1-3. ユーザストーリーの文章化
Document and update detailed user stories

スキル2. ユーザテストを軸にしたUXリサーチの企画&実施

リサーチの企画運営
Design and conduct research, using tools such as competitive analyses and empathy exercises

ユーザテストの実施(ABテストも含む)
Conduct userability testing (including A/B testing)

ユーザテストによるカスタマージャーニーやプロトタイプの評価
Set up user testing labs to validate user journeys and prototypes

ユーザテストの手順や評価基準の作成
Draft userability testing lab scripts and metrics

ラボ内でのユーザテストの実施
Facilitate userability testing within labs with relevant participants

ユーザテストの発見点の文書化&チームメンバーへの報告
Document findings from labs and presenting findings to relevant team members

スキル3. プロトタイプの検証

ワイヤーフレームの確認&評価
Read and evaluate detailed wireframes

プロトタイピングツールの利用
Use prototyping tools such as Invision, Framer, Sketch, Axure, Mockplus, Fireworks and UXPin as and when needed to present prototypes, concepts and journeys as well as to validate user journeys

スキル4. リサーチを踏まえた改善提案資料の作成

UX視点での改善提案(対象:現状システム、プロトタイプ、カスタマージャーニーなど)
Document user experience recommendations on current systems, prototypes or journeys

ストーリーボード、プロトタイプ、ユーザ行動、仕様書、サイトマップの作成
Create storyboards, prototypes, user flows, written specifications and sitemaps

スキル5. デザインチームや開発チームへのUX啓蒙&知見提供

デザインチームや開発チームへのUXの啓蒙
Participate in providing user experience leadership to the design and development team

UX改善に向けたワークショップの企画運営
Design, coordinate and facilitate internal team workshops to support UX development (as required), with tools such as design discovery and user experience research exercises preferred

最新のUXトレンド・テクニック・技術の把握
Maintain an up-to-date knowledge of the latest UX trends, techniques, and technologies

最新のUXトレンド・テクニック・技術のチームへの報告
Present new trends to the team when required

UXリサーチャに求められる5つのスキル

上述のようにjob descriptionをカテゴライズ&整理したところ、大きく5つのスキルが求められると言えそうであり、個人的な感覚とも大きなズレはなかった。

スキル1. カスタマージャーニーの把握&整理
スキル2. ユーザテストを軸にしたUXリサーチの企画&実施
スキル3. プロトタイプの検証
スキル4. リサーチを踏まえた改善提案資料の作成
スキル5. デザインチームや開発チームへのUX啓蒙&知見提供

特にスキル5については、チーム内の協調や合意形成が重要な日本においてさらに重要性がますものと思われる。

また今回のjob descriptionは、ミドル~シニアレベルの募集要項であったため、これからUXリサーチャとしてのキャリアを伸ばしていきたい方々にとっては、まずはどれか1つに注力して実力を高め、それから別スキルも徐々に習得していくとよいだろう。

「ビジネスで活躍するUXリサーチャに求められるスキル」について、また新たな気付きがあったら共有したい。

▼UXリサーチの今後を考える参考に!世界のUXリサーチのキープレイヤー13選
https://note.mu/popinsight_ikeda/n/n7cd09a679658

▼Twitterで、最新のUX/UI情報や独自リサーチを発信中!ぜひフォローしてね!
https://twitter.com/pop_ikeda


この記事が気に入ったら、サポートをしてみませんか?気軽にクリエイターを支援できます。

53

池田朋弘

株式会社ポップインサイト代表取締役CEOおよび東証一部上場企業メンバーズ執行役員。4社の立ち上げ&EXIT経験あり。 UXリサーチ、UI設計、デジタルマーケ、グロースハック等について、独自リサーチ結果や最新Tipsを紹介していきます。早稲田大学→ビービット→現職。

UX領域で活躍するためのキャリアを考える

UXデザインやリサーチャなど、「UX○○」という役職が増えていますが、 ・将来活躍するために、どんなスキルを身につけるべきあ ・その結果、どんな役割を担うことになるのか については、まだまだ模索中です。 海外のjob descriptionの分析などを通じ、UX領域でのキ...
2つ のマガジンに含まれています
コメントを投稿するには、 ログイン または 会員登録 をする必要があります。