世界のUXリサーチ市場のキープレイヤー13社をまとめて紹介!

Market Research Vision社が「グローバルのUXリサーチ市場レポート(2019年~2024年)」を公開したが、このレポート内でUXリサーチの代表企業(キープレイヤー)が紹介されていた。

UXリサーチツールやプロダクト提供企業が中心であり、リサーチ会社/コンサルティング会社がないものの、これらキープレイヤーがどのような企業かを知っておくことは、日本のUXリサーチ市場の今後を考える上でも有用と思うので、概要や特長などを整理してみる。

※下記記載の「売上」は「Owler」という口コミサイトの推定値であり、正しいものではない可能性がある。順番はレポート記載順を踏襲。また14社のうち1社(20|20)は該当企業を調べられず省略している。

1. Usertesitng(https://www.usertesting.com

・2007年創業。想定売上は50億円程度。

・「Human Insight Platform」をサービスにかかげ、インタビューなどの顧客理解メインの「Insight Core」と、プロダクトの検証メインの「Product Core」の2つが主。

・元々は「安くて早いリモートユーザテスト(最安時は29ドル/人)」だったが、ブランド・売り方を徐々に上げていき、現在の2サービスに収斂していった模様。

※日本でのリモートユーザテストは2012年に立ち上がり、僕が創業したポップインサイトと、平石さんの創業したInnobeta社のUIScopeの2サービスであったが、両サービスともこのUserTestingをベンチマークにおいていた。また当社サービスのユーザテストExpress(https://usertesting.jp/express/)のドメインがusertesting.jpなのも、このサービスに影響を大いに受けているからである。


2. Qualtrics(https://www.qualtrics.com/

・2002年創業。想定売上は420億円程度。※UX市場としては、売上の一部のみを算入してると思われる。

・「Exprience Management Platform」というコンセプトのもとに、顧客・ブランド・プロダクト・従業員の4領域での体験をアンケートベースで回収し、様々なデータとの相関関係を分析したり、自由回答をAIベースで集計したりできる。

・「アンケート回収数」をベースとした基盤サービスの上に、様々なオプションを乗せるもの。実際に見積りを見たこともあるが、導入コストは軽く数百万以上はかかる。

・UX領域のユニコーン企業の一角として有名だったが、2019年1月にSAPが80億ドルで買収し、話題になった。日本での展開も強化している模様。


3. Hotjar(https://www.hotjar.com/

・2014年創業。売上規模は不明。

・様々な解析&サイトリサーチ機能が「オールインワン」が売りのSaasサービス。ヒートマップ、マウスレコーディング、ファネル分析、フォーム分析訪問者向けアンケートなどが1ツールで行える(以下はログイン後画面)。無料プランもあり、訪問ボリュームにより月額1万程度~からのプランがある。

・個人的な印象として、最近のCRO(Conversion Rate Optimization)ブログなどではClicktaleより頻繁に見る印象がある。類似ツールは色々あるが、オールインワンの強みで、他ツールからの乗り換えが多そうな感じはする。


4. Lookback(https://lookback.io/

・2013年創業。売上は4億程度。

・リモートユーザテスト環境を提供するツールで、リアルタイムにモデレート(インタビュー)ができるタイプ、タスクを提示してアンモデレート(セルフ)で実施するタイプの両方をサポート。月額5000円程度のスタータープランから。

・当社ではまだ利用実績はないが、今度実際に利用してレポートしてみたい。



5. UserZoom(https://www.userzoom.com/

・2007年創業。売上は28億程度。

・リモートユーザテストのトータルプラットフォーム。「Scale」を売りにしており、多人数のデータを回収した上で結果分析もしっかり行える印象。カードソーティングやクリックテスト等の細かな機能もついている。日本だとミツエーリンクス社が提携&利用している模様。

・個人的な印象では、ツールというよりはソリューション寄りで、大手企業が予算をしっかりかけて使うものか。


6. Validately(https://validately.com/

・2013年創業。売上は不明。

・リモートユーザテストの環境提供に特化。「50%の工数でユーザテストを実施」というコンセプト。Lookbackに近いが、Lookbackが「実査」部分にフォーカスしコストを抑えているのに対し、「リクルーティング(日程調整含む)」「調査後のレポート作成」などの前工程・後工程までサポートしている。そのためLookbackよりはやや高く、月2.5万~から。

・ユーザテストを日常的に実施している会社であれば導入余地は十分ありそう。ポップでもLookbackと合わせ、一度試してみたい。



7. Userlytics(https://www.userlytics.com/

・2009年創業。売上は4.5億程度。

・モデレートなし(セルフタイプ)のリモートユーザテストを提供。1人49ドルから。リモートユーザテストに特化していた時代のUserTestingに非常に近い。

・テスト範囲は欧米圏が中心のようで、Userlytics社の日本でのテストニーズを当社が受ける場合もある。価格も手頃なので、いわゆる「早くて安い」ユーザテストを欧米でやるなら第一選択肢はここか。

・ポップインサイト創業の2013年から動向をウォッチしているが、大幅なサービスチェンジを遂げたUserTestingとは違い、そこまで大きな変化はない印象。


8. UsabilityHub(https://usabilityhub.com/

・2008年創業。売上は9億円程度。

・様々な形式のユーザテスト実施をサポートするツールを提供。「5秒だけサイトをみて、どんなサイトを思ったか」「どこを最初にクリックするか」「どのデザインがよいか」などのテストを簡単に作成&公開できる。

・もともと「5second test」がツールとして有名だったが、それら幾つかのサービスを統合し「UsabilityHub」ブランドとしてまとめた模様。


9. TryMyUI(https://www.trymyui.com/

・2010年創業。売上は2億円程度

・Userlyticsと同様にリモートユーザテストを提供。こちらも以前のUserTestingに近い。金額も1人35ドル程度から実施可能。

・こちらも2013年からウォッチしているが、やはり大きな変化はない印象。


10. Woopra(https://www.woopra.com/

・2007年創業。売上は8億円程度

・行動ログを多角的に分析するツール。GAよりも、ファネルや行動フローの分析、個別ユーザの分析に特化している。

・mixpanelやUsergramに近い印象。


11. Usabilia(https://usabilla.com/

・2009年創業。売上は4億程度。

・サイト内やアプリ内でユーザフィードバックを得るためのツール。料金プランは公開されておらず。

・アンケートツール提供のSurveyMonkeyが、2019年3月に80億円で買収。


12. TechSmith(https://www.techsmith.com/

・1987年創業。売上45億程度。

・SnagitやCamtasia等のスクリーン録画&動画編集ソフトを提供している。Camtasiaは海外のユーザテスト書籍などで動画編集ツールとして紹介されている。


13. UserInterviews(https://www.userinterviews.com/

・創業不明(おそらく2016年頃)。売上は不明。

・「リクルーティング」と「自社パネル管理」に特化した2つのサービスを提供。リクルーティングは1人30ドル~と格安提供。


UXリサーチ市場のプレイヤーの特長

13社の概観として、以下のような傾向があると感じた。
・行動ログだけでなく、インタビューやユーザテストなどの定性データ取得ツールが多い(このレポートのUXの定義によるものとも思うが)
・ユーザテスト代行(ソリューション)だけでなく、リクルーティング・実査・分析などのインハウス向けのワークフロー環境提供(ツール)が多い

日本では欧米に比べ、ジョブローテーションや職務定義の曖昧さにより、インハウス化がしにくいと言われており、後者の特徴は当てはまらないかもしれないが、前者については今後まだまだ開拓余地があると改めて感じた。頑張りたい。

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池田朋弘

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