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私の好きな人。

「僕の好きな人。」の女の子目線のお話になっています。
どちらから読んでも楽しめますので、ぜひ2つのお話をお楽しみください。


私の好きな人の話をしようと思う。

彼は同じサークルの1つ年下の後輩で、
私のことを先輩と思っていないような、生意気な態度が若干鼻につく。
まあ、そこが憎めないところなんだけどね。
実際よく話しかけてくれるし、後輩の中では1番仲がいいと思う。

彼はミステリアスな人だ、と思う。
生意気な態度ではあるけれど、なんか飄々としている。
実際のところ、彼が私のことをどう思っているかは分からない。
私は彼への気持ちを必死に隠しているつもりだけど。

彼はとってもかっこいい。
私より頭1個分以上も背が高くスラッとしたモデル体型で、
黒髪をセンター分けにしているのが私のタイプど真ん中すぎる。
道行く人が二度見してしまう系の人だと思うな、彼は。

といっても、かっこいいのは外見だけじゃない。
私と会話をするとき、必ず目線を合わせてくれるし、
私のするどうでもいい話にも乗っかってくれる。
私が彼に話しかけて、ん?って首を少し傾げながらこっちを見てくる、
その瞬間の反応がたまらなく好きなんだよね。

でも、かっこいいだけじゃないのが彼のいいところで。
普段は感情をあまり表に出さない彼だけど、
笑う時はとっても楽しそうに笑ってくれる。
その笑顔があまりにも無邪気で可愛くて。
こないだもコンビニで彼が買おうとしていたパンを買ってあげたら、
本当に嬉しそうに喜んでいた。
そんな反応されたらなんでもしてあげたくなっちゃうじゃん。
彼のたまに出る可愛さがずるい。

そんなかっこよくて可愛い彼だけど、
私のこと、本当はどう思っているのかな?
ただの先輩としか見られていなかったらどうしよう。
私は彼の「彼女」ではないから、そんなこと聞けるはずもない。

そんな私の悩みも知らず、彼は今日も私に声をかけてくる。
彼は相変わらず生意気な態度で、でも時折見せる笑顔がまぶしい。
行先が同じらしいから、なんとなく同じ方向に向かってみるけど、
隣を歩く彼の手を握る方法を、私はまだ知らない。

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