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「君たちはどう生きるか」を観てきた大学生の話

※このnoteはあくまでも私の感じたことをそのまま書いたものであり、解釈や感じ方は人それぞれです。皆さま自身の感じ方でこのnoteや映画に触れていただけたらと思います。


先日、ある映画が公開となった。
そのタイトルは「君たちはどう生きるか」。
スタジオジブリ・宮﨑駿監督の約10年ぶりとなる新作アニメーションということもあり、大きな話題となっていた。

そして、注目されていた理由がもう一つ。
映画公開前の情報の少なさだ。
出演者・主題歌はおろか、ストーリーもキャラクターも全く明かされることがない。世間に届いているのは、白と青の鳥の顔が画面いっぱいに描かれ、タイトルと公開日の書かれたポスター、のみ。2月に行われた初号試写も厳重な秘密保持が成され、パンフレットは後日発売という徹底ぶり。ネットニュースやSNSが情報源として重宝されることが当たり前となった現代で、あえて情報を出さないという宣伝・表現方法をとったことで、より注目を集めたのだろうと推測している。
こんなにミステリアスなまま公開になることがあるのか、と私も不思議に思っていた。

そして公開日。ネットニュースはキャストや主題歌などの情報であふれかえっていた。私もものすごく観に行きたいと思っていたのだが、ひとりで映画を観に行くのがなんとなく恥ずかしく、少し気後れしてしまっていた。しかし、どうしても観に行きたい気持ちと、友人の後押しもあり、事前にチケットの予約をとってそのまま観に行くことにした。

久しぶりに入った映画館は、冷房がきいていて外と比べるととても涼しかった。ジンジャーエールを片手に、ひとりで劇場に入ると、IMAXの大きなスクリーンがいつもよりもさらに大きく感じた。予約できた席は前のほうだけどスクリーンを観るのに首が痛くならないような、本当にちょうどいい席だった。

席についてからは本当にあっという間に時間が過ぎていった。
物語の中に本当に入り込んでしまったかのような圧倒的な没入感で、長いと思っていた124分は一瞬で過ぎ去っていってしまった。
この映画のどこからほめて良いのか分からない。
作画、音楽、ストーリー、キャスト。そのどれをとっても美しい。
アニメーションは昔から変わらないスタジオジブリらしさと、どことなく感じる新しさの融合。
音楽だけでなく、音声にも力が入っているようで、振り子時計のカチ、カチという小さな音もしっかりと表現されているだけでなく、IMAXクオリティの音の立体感が、あの没入感を生み出している、と感じた。
ストーリーは、ハラハラドキドキや心温まる瞬間など、観賞中に何度も心が動かされ、映画館を出た後の胸のドキドキが家に帰るまでずっと続いていた。
キャストの豪華さにも驚いたが、1回目の観賞前にその情報をネットで見てしまったのがすごく悔やまれる。最初の1回は本当に何も知らない、まっさらな状態で観賞したかった。

これから観に行かれる方のためにストーリーやキャストについては触れないでおいたが、改めて日本のアニメーションの美しさに心から感動した。
宮﨑駿のアニメーションの境地。まさに最高傑作ともいえるこの作品を、スクリーンで観賞することができて本当に良かったと思っている。

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