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【感想】バテンカイトス2HDリマスターを楽しんだ話~ハイスピードバトルへの進化~

タイムラインで偶然見かけた「バテンカイトス」、無事に1をクリアしたのでそのまま2もプレイしたら様々なシステムが正当進化していて面白かったので記事にしてみました。
 ※ストーリーの重要なネタバレは含みません。
 ※1作目と同様の内容は省略したりします。
 ※1作目の記事はこちらです↓





○大きく進化した無駄のないハイスピードな「マグナスバトル」

本作を語るにあたって、一番最初に話すべきはこれだろう!と思いました。

1作目の記事でも触れましたが、バテンカイトスではあらゆる物をカードに封印し、好きなときに取り出せる技術があります。
何かしらを封印したカード「マグナス」を使用したマグナスバトルという独自の戦闘を行うのですが本作ではシステム1作目と大きく変化し、そして進化しているんです。

・改善された戦闘テンポ

前作のマグナスバトルは全体的にテンポが遅く、そして長くなりがちだったのですがこれが劇的に改善されています。

マグナスバトルをざっくり説明すると「そのターンに適したマグナスを選択し、攻撃や回復、防御をこなす」というもの。
1作目では攻撃のターン→防御のターン→攻撃のターン……と繰り返す形になっており、味方や敵のモーションに間に合うようにマグナスを選択することで、キャラクターが行動し攻撃回数や防御回数が増えるシステムになっていました。
そのためのモーションの速さ=入力待機時間 となることから、むやみにモーションを早くすると難易度が高くなってしまう……ということで全体的にモーションが遅めだったんです。敵によってはかなり待たされちゃってたんですよね……。

2のバトルシステム。新たに「行動準備」「待機状態」などが追加された

本作ではキャラクターが実際行動するターン以外に事前に行動を入力しておく準備ターンが追加されたため、キャラクターのモーションが終わるのを待たずに入力が行えるようなり、各モーションもかなりスピーディーになって無駄に待たされなくなりました。ストレスフリー。

味方が攻撃中に別のキャラクターのマグナスを選択している場面。前作では考えられなかったスピーディーさだ。

また、本作では全体攻撃が出来るようになったので上手く行けば一気に敵全員を倒すことも可能。決まると凄く気持ちいい!

・「無駄」をなくしたシステム

マグナスバトルは「デッキから引いたカードから行動を選択する」という特徴から運次第になりやすく、盛大な手札事故を起こしてろくに攻撃出来ずにターンを終了するというような場面も少なくありませんでした。
そのうえ不必要なマグナスを捨てる際には「防御ターンにいらないマグナスを使って捨てる」なども必要だったため、そうなると無駄にダメージを受けてしまう……なんて悩まされるということも。

本作では準備ターンで不要なマグナスを捨てられるようになったため、行動ターン開始までに手札のマグナスを整理することが可能になりました。ピンチの場面でマグナスを捨てまくって回復できるまで粘るなんて戦法も出来ます。

捨てるにも時間制限などあるものの、好きに手札調整が出来る

ちなみに本作では手札の並び替えも可能であり、待ち時間も有効活用可能……と本当に「無駄」がありません。凄い。まあシステムに慣れるまでは待ち時間なんてそうそう作れませんが……。

・すっきりまとまったシステム、減った自由度

前作ではマグナスに書かれた数字が同じものを出したり(ペアカード系)や順に並ぶように出したり(ストレート)することで威力が上がるシステムがありましたが、本作ではマグナスの出し方は小さい順からストレート(0、1、2……という順)のみとなっています。
また前作では特定のマグナスを決まった順番で出すことで新しいマグナスを作る「スペシャルコンボ」があったものの、本作では廃止されています。

マグナスの出し方を絞ることでよりスムーズになったり、時間がかかりがちな「スペシャルコンボ」を廃止したりすることで戦闘システムはかなりすっきりしました。これも戦闘のテンポが良くなった理由。

……テンポが良くなったのはいいのですが、個人的には「スペシャルコンボ」で戦闘中に米を炊く奇行も出来る自由度が好きだったのでちょっとさみしいところ。

しかし上記の調整はもちろん、新システム「リレーコンボ」により本作ならではの爽快感も追加されており、戦闘システムの出来は2作目の方が圧倒的に良いと思えます。本当に。

必殺技を使った後にさらに決まったマグナスを使うことで別のキャラクターに追撃させる「リレーコンボ」、決まると爽快


・【難点】速くなりすぎた代償

1作目から戦闘スピードの遅さが劇的に改善された本作ですが、あまりにも速くなりすぎたために速さに慣れないと楽しさを感じられないという問題を抱えています。1と2で戦闘テンポの違いが本当に極端。
バテンカイトスシリーズにバトルシステムを丁寧に説明するチュートリアル戦闘があれば良かったのですが……。


○快適になったデッキ作り

事前に作ったデッキを使ってバトルをするのがバテンカイトスの特徴ですが、本作では下記の変更があったためデッキ調整が快適になっています。 

・デッキをパーティーメンバーで共有するようになった

本作では1つのデッキでメンバー3人の行動を選択出来るようになりました。
前作ではメンバー6人に1つずつデッキを組む必要があったため、6つのデッキを調整しなければならないという手間があったのですが、それがなくなってより手軽になっていますね。

・デッキの保存やコピーができる

1作目ではデッキを組み直すのが結構大変だったのですが、本作では作ったデッキを保存・コピー可能になったのでより気軽にデッキを調整できます。ありがたい!
ついでにデッキに名前もつけられます。便利。

属性別に作ったり用途別に作ったり…好きなやり方でデッキを保存しておくことが可能


○溢れるファンサービス

本作は1作目の20年前が舞台になっています。
そのため前作登場キャラクターや町の過去の姿が見られるなど、前作を遊んでいると嬉しい要素が豊富。

また上記の他にも1作目を知っていると盛り上がれる演出もあります。ファンサービス精神よ。

ただ個人的には1作目を知っているからこそ悪い意味で気になってしまう設定や描写あったので、その辺りを許せるかは人によるかも。


○ボリュームアップした各種テキスト

「!」マークが出る箇所を調べると出てくるメッセージは相変わらず生活感に溢れており、非常に凝っています。
本作ではそれに対するキャラクターの反応が増えており、よりキャラクターへの親しみが持てるようになっています。

あるある……と共感できる内容を喋ってくれることもある。
物によってはこんな顔でプレイヤーに尋ねてくることも。持っていて気分のいい物ではないので仕方ないか。

また本作では届いた手紙を読むことが可能であり、手紙はサブクエストに関する内容のもの、微笑ましい内容のもの、メタな内容のものまで様々。

まさかの場所で人材募集を始めるモノリスソフト。なかなかにメタ。


○独自の設定を生かした「驚き」のあるシナリオ

本作のシナリオも1作目のように独自の設定を生かした「驚き」を与えてくれます。ネタバレになってしまうのでこういった書き方にしますが、前作とはまた違う「驚き」になっているので良い具合に驚けますよ。

ただ、本作で負けイベントが多すぎるのはさすがに気になりますかね……悪い意味で……。



○【難点】バグが目立つ

無事クリアまでしていますが、バグが目立つ感じがしますね……。
「!」が出たままになったり、歩く動作はしているものの移動が出来なくなったり、特定のクエストが出来なくなったり……などなど。
どうやらリマスター前にはかなり深刻なバグがあったようですが、それらしきものには一応遭遇しませんでした。偶然回避しただけかもしれませんが……。


○雑多な感想集

せっかくなので1作目の記事と同じくまとめてみました。

・時間経過で変化するマグナスの「変化」

物を封印した状態のカード「マグナス」には本作でも「時間経過」の概念があります(食べ物が腐る など)。
ただし本作ではデッキに組み込むマグナスにはその概念がありません。
そのため「デッキに加えていた回復マグナスが連戦中に腐って使えなくなった」というような事態が起こらなくなっています。安心感。

なお「クエストマグナス」には相変わらず「時間経過」の概念があり、本作では持っているだけでキャラが強化されたり弱体化されたりする要素が加わったので管理には注意が必要。

一つ一つ効果が異なっているため、バトルに勝てない時は「クエストマグナス」にこだわるのも一つの手。


・マグナスをブレンド!「マグナミクス」

本作で追加された「マグナミクス」では、「クエストマグナス」同士を混ぜて新しい「クエストマグナス」を作ることができます。スペシャルコンボの代わり的な機能ですね。
スペシャルコンボよりもバリエーションやわけのわからなさは抑えめに感じますが、道中でレシピを獲得できるなど勝手の良さは上がっています。用意しておけば戦闘をこなすだけで勝手に混ざってくれるのも調整しやすくて良いです。

・キャラクター達についてと、戦闘スタイルの違い

本作ではパーティーメンバーは3人のみですが、みんな良いキャラですし関わりも前作より深くなっているように思います。
またメンバーの戦闘スタイルも刀と魔法を使った王道的なかっこ良さのある主人公「サギ」、機械人形という設定を生かしたユニークな動きが特徴の相棒「ギロ」、スタイリッシュな体術で魅せるヒロイン「ミリィアルデ」とそれぞれ個性が出ているのも良いのです。本作ではモーションのスピードが上がった分、動きが滑らかになってより魅力的になってますしね。
独特なモーションの多いギロが個人的なお気に入り。


・出来ると嬉しい「EXコンボ」

本作では「スペシャルコンボ」の代わりに「EXコンボ」が追加されています。特定のマグナスを決まった順番で出すというのが重要なところは共通。「EXコンボ」の場合は格ゲーのコンボっぽいですね。

出したカードの順番全てがあっていないと成立しなかった「スペシャルコンボ」より、一部成立した部分だけのコンボも実行される「EXコンボ」の方が優しいかも。
(一例:1、3、4、5でマグナスを出して4、5のコンボが成立したので4、5のEXコンボが実行される)

EXコンボが成立するとサギやミリィアルデには色のある残像が。演出面も強化されるので見ていて楽しい


・BGMが良い

「桜庭統」氏手掛けるBGMが相変わらず良い。「Chaotic Dance2」も良い曲ですね……。

・豊富なやり込み要素

相変わらずやり込み要素が豊富です。本作ではコレクションするタイプのやりこみの他に「闘技場」も登場。

腕試しが出来る良い要素なだけに、バグでチャンピオンを目指せなくなることもあるのは残念なところ。私もバグで目指せませんでした……。



バテンカイトス1&2HDリマスター、このゲームでしか体験も多くてとても面白かったです!
3が出るといいな~。

ちなみに、バテンカイトス2にもゲームキューブ版の公式サイトが残ってたりします。リマスター版サイトでは見られない情報があったりするので見てみると楽しいですよ。キャラクターの年齢とか。


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