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クローゼット大見直し、きっかけはショートブーツ

「ひとつの鞄がクローゼットを変える」で3記事書いてから約2年が過ぎました。

グッチのジャッキー1961 スモールを心の演歌バッグにした2年前。そこからクローゼットの見え方ががらっと変わりました。とは言え、三十数万円もするこのバッグを買うにはなかなか勇気が必要で、一旦「いつか絶対買うんだ」と心に秘め、ジャッキーが頭の片隅でちらつきながらクローゼットを見直すことにしました。(しかもこの2年で値上げしましたよね…。)

その結果、この2年間で衣服に費やした総額はおよそ60万円。

これだけあったら憧れグッチ買えたよ!?!?

と、ごもっともな声が……。うっ……。わかっているんです……。

でも実は、ある一足のショートブーツを買ったことでこんなことになってしまったんです。ちなみに、買った以上に服も靴も鞄も手放したので、クローゼットもシューボックスもほぼ総入れ替えとなりました。

余談ですが、私は昔から、買い物に行く前に既に自分のほしいもののイメージがはっきり決まっているんです。自分の中でとっても細かく思い描いてあって、どんなシーンで着たいかもイメージしてあって、手持ちの服との合わせも完全に想像した上で、それに一番近いものを探しに行きます。
時には数年単位でそのイメージを更新し続けながら試着とシミュレーションを繰り返すので、お店で出会った時は「ここにいたんだね……!涙」と感動の(再)出逢いを果たすことになります。

ただ、このショートブーツは難しかったです。
サイドゴアブーツを思い描きながら、百貨店、セレクトショップ、路面店、昔から行くお店、初めて入るお店、と試着してまわったのですが、素敵なデザインと思っても実際に履いてみるとときめかなかったり、そもそも私の足に合わなかったり、長さが絶妙にイメージと違ったり。

本気の試着旅を続けること数ヶ月。ある日、大阪の百貨店で凄腕の店員さんに出会いました。

事前にフロアをぐるっとまわり、私がいくつか目星をつけた靴を試着に持ってきてくださったその方は、自分の靴を脱いだ私の足を一目見て、「お客様の足は、やわらかい革の靴の方が合いそうです。」「トゥの形ですが、あまりにも尖ったものやスクエアや丸みが強いものよりは、ほどよくすぼまり、ほどよくラウンドのものがよさそうです。」と。
さらに、「サイドゴアやトラックソールはカジュアルさが出やすいのですが、お客様の柔らかい雰囲気を拝見しますと、サイドゴアのような切り替えや極端な厚底よりも、キレイめに履けるようなデザインがよろしいかと思います。」

え、お師匠様……!?!

店員さんの見立て通り、私が選んだブーツは、これまで同様どれもあまりときめきませんでした。そして、私が試着している間にいつの間にかその店員さんがウィングチップでメダリオン装飾があるものを持ってきてくださいました。

正直、第一印象は敬遠してしまいました。だって、ビジネス靴っぽいんですもの……(偏見)。これが「柔らかい雰囲気なの!?」と思いつつ、足を通して鏡を見た瞬間、「えっ、かわいいな……」と声が漏れ出ました。
これまでの試着はどうしても、のぺっと感が拭えなかったのですが、この靴は、つま先にほどよいアクセントがあることで靴が服に負けず、そしてビジネスっぽさは上に合わせる服の柔らかさのおかげできちんと感に変換されていました。

残念ながら、その靴自体は横からむぎゅむぎゅ圧迫されているようにキツく、さらに革が柔らかすぎて足の形がはっきり見えてしまったのでやめたのですが、店員さんにお伝えしました。

「もっとこんな感じの履きたいです!」

「かしこまりました」とニヤッと笑い、店員さんが次に持ってきてくださったのは、BARCLAYのブーツ。

「あ、私、このブランド知ってる…。」

実はその少し前に、アウトレットモールのBARCLAYでスエード生地・ヒール高めのキレイめショートブーツを購入していたところだったのです。私にしてはヒールが高過ぎて普段使いができていなかったのですが、幅広・大きめ足もキツさを感じないブランドだという認識でした。

店員さんが持ってきてくださったそのBARCLAYに足を通すと、「あ。これは連れて帰らねば。」と一瞬で理解しました。

まるでずっと履いてたかのように、私の足は中で快適さを謳歌し、その日着ていた服にも馴染みました。その日履いてきた靴も気に入ってないわけではなかったのに、急に「なんか違う」と感じてしまうほどの威力を、そのBARCLAYは持っていました。

一足30,000円を超える靴はそれまで買ったことがなかったので、ドキドキしながらカードを差し出し、ほくほくしながらおニューのBARCLAYを抱えて帰路に着いたのでした。

衝撃的な出逢いから約2年。秋冬の日常使い靴がこれしかないから、自ずと服が決まっていき、結果的にクローゼットの大掛かりな見直しになりました。

ソールのお直しにも出し、履くごとにブラッシングをし、大事に履き続けています。この秋もクローゼットのどの服にも合います、最高!らぶ!

六桁台の靴はまだ試着したことないので未知の世界だし、是非試着の旅で勇気出して履いてみたいなと思いつつ、この2年間大好きだったように今年もこのBARCLAYのブーツが私の制服(仮)を支えてくれると思うと、とっても安心です。

今年もよろしくね、相棒!

(ちなみに画像を入れようとBARCLAYのサイト見てみたら、この記事執筆時点では取り扱いしていないみたいです。出逢いは一期一会!)

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