人生の時間を共有した人々の物語 『ドライブ・マイ・カー』

 同僚の薦め、映画賞の受賞。見ようと思ったきっかけはその程度だった。
出先で時間があり、チケットを取った。

たまの外出の際に、映画を見るのが好きだ。
非日常を感じられて、気持ちの切り替えにもなる。

この映画では、逆に「日常」の一部を見た感覚を覚えた。
登場人物たちの日々、過ごしてきた時間と出来事。その延長線上にある時間で起こった出来事を切り取ったかのような映画。
正直、邦画でこんな描き方ができるのかと感心してしまった。

恋愛や事件を主軸とした映画が大々的に取り上げられる中、この作品では「過去に起こったことへの、今の自分ができることについて」を描いている。
過去に起こった出来事は(SFものやヒーローでもなければ)変えることができない。
どれだけ後悔しても、どれだけあの日にかえりたいと願っても叶うことは無い。
だが出来事を「どう捉えるのか」は、今の自分に出来ることだ。

願わくば、さまざまな出来事の先に立つ人々の、その先には光がありますように。

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