33年前のポルシェ944と1年を共にして… part.2
因みに私の"初"ポルシェは…
21歳の頃に私が初めて購入したポルシェが、987ケイマンSでした。今も昔も相も変わらず"貧乏サラリーマン"ですが、そんな私が慣れない左ハンドルで追い越し車線にいるタンクローリーにビビりながら阪神高速を走った納車の帰り道を今でも鮮明に覚えてます。
3.4l・288馬力が生み出すアグレッシブな走り、flat6(水平対抗6気筒エンジン)が奏でる"the・ポルシェ"サウンド、峠道でのワインディング・サーキット走行&ジムカーナ・高速道路でのツーリングなど、運転の楽しさ・喜びの全てをこの一台が教えてくれました。
〜最愛のケイマンとの別れ〜
でも丁度3年目を迎えたあたり、私は"人生のどん底"というものを迎えたんです。その"どん底"については、また別の機会にお話するとして…
そんな状況下で「とにかく何かを変えないといけない、一旦リセットしないと…」となり、とりあえず大切にしている全ての物を一旦全て手放す事に…
そこでケイマンと、当時大切にしていた腕時計(タグホイヤーカレラ)の二つを手放しました。
ふと見た映画がきっかけで…
大切な物を全て手放すと気持ちがスッキリするのかな…と思って実行してみたものの、待っていたのは案外空虚でモノクロな毎日でした。そんなある日に家でぼーっとNetflixで映画を物色していたら、ある作品に目が止まったのです。
1996年公開の映画『極道の妻たち・危険な賭け』という作品です。岩下志麻主演で中尾彬も出演していたかなぁ…そんな普段は観る事の無いゴリゴリの極道モノの"元祖Vシネマ"にヒロインとして登場していたのが、若かりし頃の工藤静香でした。内容はよくある"ベタ"な極道モノでしたが、あるワンシーンに登場する"あるモノ"が私の目に飛び込んだのです。
「ポルシェ928やん!これ!」
そう、極妻の娘役である工藤静香は真っ赤な"ポルシェ928"オーナーだったのです。その瞬間から、不思議なフォルムのポルシェ928の魅力に取り憑かれました。色々調べてみると、トム・クルーズの初主演作である1983年公開の『卒業白書』でも主人公の愛車として登場するそうですね。
そんなこんながきっかけで、ポルシェ928を調べる度に「928、欲しい…」という率直な気持ちが湧いてきたのです。そしてカーセンサーやミンカラ・オーナーの方のブログを調べていくと…
「928 高い…壊れる…故障…燃える…」
などなどネガティブなワードばかりが検索フォームに並び「これは"薄給サラリーマン"である私は絶対に維持できない、夢のまた夢や…」と悟りました。
そして928への恋心の灯火が灰となってスゥ…と消え、狙いは"バブル期のリトラ車"となったのです。
そうこう探していると、三菱スタリオン・マツダサバンナRX-7などの国産バブルカーが目に止まりました。そしてこれらの車をWikipediaを調べていると、共通して書かれていた事があります。
"競合車種はポルシェ924"
リトラクタブルヘッドライトにデカいリアガラスハッチ、トランスアクスル機構、80年代の国産スポーツカー特有のデザインの礎は"ポルシェ924"だという事を知ったのです。その瞬間から私は「これや、さぁ924を探すで!」と言わんばかりに、色々と維持費やパーツの有無を調べました。そしてまた、新たな事実を目の当たりにしたのです。
ポルシェ924、カーセンサーに出てない…
…はい、文字通りです。そうなんです。私が探していた1年半前は、全国で一台もカーセンサーに並んですらいなかったのです。その瞬間に内心「もう探すの疲れたし、なんか飽きちゃったぁ…」突然に心が折れました。典型的なB型が発動してしまったのです。
そんなこんなすっかり熱が冷めてしまった次の日、偶々ヤフオクで家にあったケイマンのパーツを出品していたある日のこと…924が出品されていたのです…!
でもなんか、顔の形が違うな…?
"ポルシェ944 S2 極上車"
「ポルシェ944…?924とは何が違うん…?いや、でもこれ、今まで求めていたやつかも…」そんな想いを抱きつつ「とにかく生で見てみたい」と記載されていた電話番号に問い合わせると、どうやら兵庫県姫路市に鎮座している事が判明しました。
そしてその週末、姫路に車を走らせる事に…
現車確認・納車・944ライフの始まりは、次回part.3に続きます。
ここまで読んで頂き、ありがとうございます。
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