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僕の隣で、おっさんが繰り返し外国人にパワープレイしていた日


僕の隣で、おっさんが繰り返し外国人にパワープレイしていた日

僕には、後輩の
セイジツ君という友達がいる。

ほんとうに、
後輩というより
友達といった方がいい男だ。

今の職場で、
彼と出会ってから
というものの
ずっと、
仲良くしてもらっている。

夜な夜な、
彼を飲みに
連れまわしては
遊んでいた
時期もあった。

仕事の面でも、
彼に対しては
人一倍、
きつく当たっていたと思う。

そんな彼と、
久しぶりに休みが
かぶった日のことだ。

僕らは、
昼から最寄りの
都会に集まって

ボーリングで勝負をした後、
マッサージに行き、その後
飲みに行こうという

スケジュールになった。

そして、どちらか
ボーリングで
負けたほうが、

飲みに行く
費用を奢ることになった。
勝負は、接戦になることもなく
僕が負けた。

いつもそうだ。

彼はなんでも
器用にこなす。
あまり僕は、
そういった
勝負において彼に
勝ったことがない。

そして、
社会人らしく
その後揃って
マッサージに行ってみた。

綺麗な内装に、
丁寧な言葉づかいで
案内された。

もちろん、
僕らはおっさんとは
違うので
健全なマッサージだ。

続いて、
カルテのようなものに
個人情報を記入し

それぞれ、
半個室のような
場所に通された。

隣の個室の会話は、
まる聞こえな
感じの作りだった。
僕たちは、
少し若い
お姉さんのような人に
担当してもらった。

これから、
このお姉さんに
マッサージを
してもらうと考えると
なんだか不思議な
気分であった。

なんせ、
若いのでそんなに
凝った意識がない。

どのあたりが、
凝っているかなどの
質問を受けた後
施術が始まった。

何とも言えない
すごく
気持ちのいい時間だ。

静かな音楽も
流れているし…
癒される…。

そんな中、
唐突に
店内の扉が
開く音がして

次のタイミングには
アラビア語?
もしくは、英語?
なんだか
わからない言語が
店内にあわただしく
響いていた。

その時点で、僕は
静かな音楽が
流れる中
訳の分からない言語が
飛び交って
異世界のようで
面白かったのだけど

スタッフさんの中には、
もちろん、
その謎の言語に
対応できる人が
いなかったようで、
所々で
えらいこっちゃみたいな
慌ただしさと
なんて言ってるかわからない
雰囲気が出ていた。

セイジツ君曰く、彼も
僕と同じで、
異変に
気付いていたようだった。

スタッフさんたちは、
なんとか悪戦苦闘しながら
そのカルテっぽいものを
訳の分からない言語で
外国人たちに記入してもらい。
一息ついているようだった。

一方で
僕らのマッサージは、
中盤くらいに
来ていたのかな?

店内の騒々しさと
アラビア語で
マッサージに
集中することは、
あまりできなかったけど…

しばらくして、
その複数人の
外国人たちは
僕とセイジツ君のいる
半個室の間と、
両サイドに案内されていた。

多分3人だ。
ここからは、
僕とセイジツ君は
僕らの間に案内された
アラビア人?と、
担当することになった
おっさんとのやり取りしか

その後の飲み会でも
話題にならなかったことを
覚えている。

その、おっさんも
アラビア人に日本語で
身体のどのあたりが
疲れているかを聞いていた。

おっさん
「今日は、
 どのあたりが
 お疲れですか?」

いやいやいや、
この場に及んで
いきなり日本語が
わかるわけない…

しかしながら、
担当のおっさんは
アラビア人に
無理強いして

パワープレイで
少なくとも3回は、
間を置きつつ

おっさん
「今日は、
 どのあたりが
 お疲れですか?」

って聞いていたと思う。
多分アラビア人は、
気さくだったように思えたけど
「????」であったと思う。

そして
ようやく、3回目と少しの時間で
対話ができないことを理解した
そのおっさんは
しばらく考えているような
間が空いた後に
ゆっくり、片言でこう言った。

おっさん
「オツカレ、ドコデスカ?」

スピードの問題ではない。
日本語である。
多分無理である。
僕とセイジツ君は、
同じタイミングで
静かなBGMの中、
うつ伏せしながら
ふき出した笑

お互い、実は
そのおっさんと
アラビア人の
やり取りを
一部始終聞いていたことに

後々、呑みながら
盛り上がった。

それでも
おっさんの、
パワープレイは続いていた。

おっさん
「オ…ツ…カ…レ、
 ド…コ…デスカ?」

もはや、
担当のお姉さんまで
咳き込んでいた。

そんな休日があったことを
さっき思い出した。

また次回。


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(๑╹ω╹๑ )