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支配は人の普遍的な欲求

アドラー心理学で推奨しているのは、
人と人とが対等な「横の関係」である。

「横の関係」とは、言い換えれば
「人が人を支配しない関係」といえるが
アドラー自身
「人間は他者を操作し支配しないではおられない」
ことを認めていたらしい。

なんと興味深い。
つまり
「相手を自分の思い通りに動かしたい」
と思うのは、優しさとか思慮が足らないとかいうより
そもそも人の普遍的な欲求ということか。

そして
「自分の考えを手放し、相手に関心を持つ」
方に意識をシフトすることが唯一の解決方法で、
本来誰でもできると考えていたのだろう。

自分が不幸に思える時は、決まって自分のことしか考えていない時だ。
相手の立場になって意図を想像してみる余裕は持てない。

それ故、自己嫌悪に陥ったり相手を責めたり、
身動きがとれなくなったり問題行動を起こしたりしてしまうが、
周りの人との関係性が変われば相手への関わり方も変わる。

アドラーの思想を読んでいると、
神経症でも犯罪者でも「人は皆同じ」だと言っているように思える。

誰かの何かが、特別悪いとか、問題だとか、
恵まれてないとかいうことは、 ない。

幸せになりたいのは、
みんな、同じ。

もっと良くありたい、
自分の居場所が欲しい、
と思っているのも同じ。

間違うことがあるとすれば、
ただ、手段を誤ってしまっただけ。

不幸に感じるとすれば、
ただ、見方が偏っているだけ。

それは誰でもなり得ることで、
逆にまた誰でも修正できることで、
だからこそ人は「対等」なのだともいえる。

人が感情に振り回されている時は、
自分が相手を「上下」の関係で見ている時だ。

本来「支配」を望むはずの私達が、
「対等」という横の関係で
周りの人を見れるようになった時、
どちらが優れてるとか勝っているとか正しいとか
自分の首を絞める感情からようやく自由になれるのだろう。

「横の関係」は
意識しない限り「理想」の世界といえるが
同時に
意識の持ち方で誰でも変えることのできる
「実現可能」な世界でもある。

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