見出し画像

期待を裏切る笑いの波!ツギクル芸人グランプリ

7月8日に放送された、ツギクル芸人グランプリを観ました。おもしろかったです。
ここのところ私のTwitterがピッツァマンで溢れていたので、
てっきり優勝はピッツァマンだと思っていました。
Twitterって怖いですね。ちゃんと観てよかったです。

なんとな〜くお名前は聞いたことあるけどネタは初見、
という芸人さんが多かったので、
新たにおもしろい芸人さんと出会えたことが嬉しいです。

短いネタ時間でしたが、
ビジュアルやネタの入りから想像していたのと違う方向にネタが進んで、
その裏切りがおもしろい、みたいな芸人さん(ネタ)が多かったように思います。
私が初めて観た方が多かったのもあると思いますが、
見え方、見せ方、展開をよくよく研究されているんだろうなぁと思いました。
それでいて、何も考えずに笑えるおもしろさもあって。

最近賞レースを見るにつけ
「競技漫才」「競技コント」っていうジャンルがあるように感じてしまって、
これはお笑いファンも増えて、分析したり解説したりするファンも増えたせいなのかもしれないけれど、
頭を空っぽにして笑えるのって
お笑い好きにもそうじゃない人にも
大事なポイントだなぁと思います。

「ツギクル」ポジションにいるからできるネタもあるかもしれないと思いつつ、
この先どんなに「キタ」としても
考えずに笑えるネタをやり続けてほしいな、と思ったし、
この方々たちがTVを席巻する未来が本当に楽しみです。

ここからは、それぞれの芸人さんの感想を書きます。
かく言う私も、お笑いに関してあれこれ分析してしまうのですが、
お笑い評論家になりたくないので、基本的に好きなところを書きます。

Aブロック

インテイク

私は鳥派です。その選択肢も欲しいです。犬と猫ってカテゴリ的に近いよね。
普段気になっていることをあんな感じで言ってくれたらおもしろくなるし、
ヒートアップして言いすぎちゃうところとかめっちゃ笑っちゃった。
初見だったので、絶対まえかずさんがバカやってくれると思ってたのが裏切りポイント。
初テレビとは思えない「漫才師感」があって、もっとインテイクの漫才を浴びたいと思いました。

さんだる

「どんどん♪」のわんこそばおばちゃんがおもしろいこと言ってくれると思ってた。ここが裏切りポイント。
わんこそばにあんなに行動を促す力があるなんて、、
展開がおもしろいんだけど、それだけじゃなくて演技力もあって、
途中、お蕎麦喉詰めちゃわないかなって心配になるくらい没入感がありました。
他のネタも観たいです。

ツンツクツン万博

1本目、あの短さで繰り返すお迎えと生き返り、
なのにだんだん早くなっていく、
それでいてみんながちゃんとついて行けるスピード感が
絶妙におもしろいなぁと思いました。
2本目、ピッツァマン!
あまりにもワクワクするイントロと、
ピン芸人でいそうな感じがコントに落とし込まれていて笑いが倍増。
「タケダ」の前後が少しだけ見えたのもおもしろかったです。
ピッツァマンのダンスを1人で歌いながら全力でやってみましたが、
もう少しで私も会社を辞めるところでした。
脳が喜んでいるので、落ち込みそうな時、やってみることをオススメします。

さすらいラビー

中田さんが元気バカキャラありきで進むのかなと思っていたら
ストーリーがしっかりしていて可愛さも狂気もある。ここが裏切りポイント。
終始おもしろかったです。
「ライムって知ってる?」とか言葉選びが絶妙で、
嫌がる宇野さんも、全体に暴走していく感じも心地良かったので、
また観たいです。

三日月マンハッタン

斬新なおもしろさの中に、あるあるへの共感とベテラン感がにじみ、
これはずっと見てられると思いました。
スピード感が心地よく、ちょっと短すぎると感じたくらい。
「小ボケを積み上げてる」感のない繋がり方も心地よく、
徐々にくる疲弊した感じもまたおもしろかったです。
THE SECONDにも出つつツギクルにも出るなんて、もうキテるんじゃないか、、
漫才が観たい、と思った時に検索しちゃうと思います。

Bブロック

群青団地

マイムのうまさに感激しましたが、
あのうまさがあるからこそ、滑稽さが生きるんだろうなぁと思いました。
ラスト、恋心が通じ合った雰囲気とゲームの人とのギャップ、
そして「オンラインの難しさ」の交差するところで
切なさとおもしろさが襲ってきました。
外国語に翻訳したら外国人にもウケるかなと思いました。
今の高校生とかって放課後あんな遊び方するんでしょうか。
明日、学校でどんな顔をして会うんでしょうか。

TCクラクション

「そうなる前になんとかできなかった?」
と思うことがあった時、あのテンションで言ってしまいそうです。
「本当にそうするべきだった?」
強いメッセージ性を感じさせない軽さと、
でもちょっと考えたくなるテーマと、
どこかくだらなさがあっておもしろかったです。
波に気持ちよく乗っていく感じがしました。いろんなネタを観たい!

ファイヤーサンダー

2017年に見たダイイングメッセージのネタのKPKDBF(クプクデュブフ)が強烈に残っています。
今回もなんかもう、爆発的におもろいと思いました。
スポーツ選手のものまね芸人に注目してくれた着眼点にまず感謝というか。
確かにものまね芸人って
その人の人生に自分の人生を懸けることになってしまうんだなって
考えたこともなかったし、
途中の裏切りも効いていて、私まで応援してしまいました。
他のネタも観たいです。

ママタルト

ネタを見るのは初めてでした。
檜原さんが大喜利に強いイメージがあったのでネタも期待していました。
気をてらわない、可愛らしくて、誰にでも伝わるおもしろさが、
今、逆に珍しいんじゃないかと思ってしまいました。
ストーリーがありつつ、でも大喜利のようなボケが効いてたりして、
もっと観てたいなぁというネタでした。

ひつじねいり

このコンビもビジュアルからの裏切りが良かった。
1本目、関西人お馴染みのテレビ番組「ちゃちゃいれマンデー」を観てるぐらい、
関東人VS関西人の構図が色濃くておもろかったです。
関西人のアクの強さがきっと出ていたんでしょうが、
私にとっては関東人の鼻に付くところが出ていたと思います。
2本目、ゴシップだけでも持ち帰りたかったのに、
気持ち悪い話から全然進まなかった。
あの気持ち悪い話を、漫画のようなビジュアルで展開する2人に
異様に引きつけられました。
2本とも、ひとつに溶けないはずの個性が混じり合って、
そこに緩急がついて、聞き応えのある漫才になっていくところがおもしろい。

Cブロック

ゼンモンキー

ビジュアルが活きているネタでした。2本目も観たかったです。
個人的に1番気に入ったシーンは、テントに1人目が引きずられるシーン。
漫画のようにたわむテントと、
気持ち良いほど舞い上がって散らばった紙。
あれはめっちゃ練習したんでしょうか。。
誰しもいつか感じたことがあるような上司ウザい的な感情と、
それをバレないようにしている感じ。
なぜかムッチャ怖く感じる上司。
それが漫画みたいに小気味良いコントに消化されていて、おもしろかったです。

徳原旅行

ある意味、みんなにオススメしたい芸人さんになりました。
本人曰く「エグみ」を出しているし、私もざらつくような気持ちになりましたが、
それでいて誰も傷つけていないところがポイントです。
私はわりと性格が悪い人のお笑いに笑ってしまうところがありますが、
ブラックジョークって結構な確率で誰かが傷つくじゃないですか。
でも、誰かを攻撃することなしにあの嫌な時間を提供できることに感動しました。
みんな、SNSで悪口見たり書いたりしている暇あったら徳原旅行しようぜ。

まんじゅう大帝国

何年も前からキテるって!と思いましたが、
久しぶりに見ると、より貫禄が出ていておもしろかったです。
私は昔落語が好きだったんですが、
2人落語を見ている感じ(そんなの見たことない)。
動きがいいですよね〜。そして喋り方が年寄りくさい。
ポイ捨てした空き缶がすごい勢いで遠ざかっていくとか、
着眼点が小さい。小さくておもしろい。
まんじゅう大帝国には、ずっとどうでもいい話をしていてほしいです。

パンプキンポテトフライ

例のドラマでバカ売れしていた山ちゃんの同期ですよね?
喋り方のせいか、なんだか可愛らしく見えてきますね。
ラッコ沈めてみたり、バカ名探偵とか、なんかチョイスが可愛い。
ガラ入れが5個いるっていうのがめっちゃシュールで印象に残っています。
2本目のネタがエグいらしいので、見たかったです。

ナイチンゲールダンス

言葉選びの秀逸さで聴き心地が良く、動きもコミカルでおもしろかったです。
やすさんが冷静にツッコんでると思いきや、
中野さんにパスを出しちゃってるんですね。
それがわかりにくければわかりにくいほど、
びっくりするほどおもしろい。
ボケのスピード感が絶妙で、終始機嫌が良いわけでもなくたまに口が悪くなったり、おもしろかったです。
個人的にはハンバーグを2人でこねるシーンが印象に残っています。
優勝おめでとうございます!!

まとめにかえて

バチバチしすぎていない大会でしたが、
審査員の半分が、放送局のお笑い番組の演出家さんということで、
「ネタがおもしろい」だけじゃなく「平場でおもしろい」とか「一緒に仕事をしたい」みたいな見方もされてるのかなぁと思うと、違った緊張感もありました。
いろんなお笑いをする芸人さんが出てきて、
お笑いのファンのお笑い語りも厳しくなってきて、
これはコントか?とかこれは漫才か?とか
ボケ数がどうのとかみんな言いたい放題だけれど、
おもしろかったら良いんです。
忙しくてしょうもないこともたくさんある日々の中で、
とにかく笑えるお笑いを見たい。
ツギクル芸人の皆さんがこれからもお茶の間に楽しい時間を届けてくれることを期待しています。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?