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木星射手座イヤーから水瓶座へ放つ矢(4)

ジュエラーのhumさんへは、VOGUE2月号特集「想像力が未来を変える」中の「みんなの"捨てない"宣言」という記事の取材でうかがいました。取材をしているうちに、あ~これは星の動きと連動しているわぁと感じ入り、いろいろ書きたくなってしまったのですが……。
VOGUE誌面の企画は切り口も文章量も決まっているため、「後日、占い師の個人的なブログでこのお話紹介させてくださいね!」とだけお願いしたのでした。

その後、ほかのことに追われているうちに半年経ってしまいましたが、折しも木星も逆行中。逆行しているだけに、木星的なことをちょっと振り返っておさらいしてみるにはちょうどよいタイミングです(笑)。humさんが取り組んでおられる天空の星模様を具体・現実化し、さらに先取りしているようなお話、楽しんでいただけたら嬉しいです。


リモデル、リメイクだけでないジュエリー・貴金属業界の資源の再利用

今日はジュエリーのイメージということで、自分のピアスを撮ってみました。母が若い頃から持っていたリングの石をピアスにリモデルしてくれたものです(humさんではなく、昔、町のジュエリーショップみたいなところでシンプルに直してもらいました)。
母のリングには同じサイズ(かなり小さい)のダイアモンドが4個1列にはまっていたのですが、そのうちの1個がなくなって長いことしまわれていたのをあるとき母が思いたってそんな形にして贈ってくれたのでした。

 (ピアスを置いた水晶に付いているのは埃ではなくてたぶんスコレサイトという鉱物で、グリーンぽい内包物は角閃石かな)

ジュエリーってそんなふうにリモデルされたりリメイクされたりして受け継がれていくことも多いかと思うのですが。そして、humさんはデザイナーと職人の立ち上げたブランドなのでアトリエが中心となっており、オリジナルデザインだけでなくフルオーダーやリモデルもお仕事の一環なのですが。
humさんの取材で聞いたジュエリー・貴金属業界における資源のリサイクルの話はもっとスケールの大きなものでした。


リファインによってリ・サイクルではなく「アップ↗サイクル」

都市鉱山ということばは、humの取材をさせていただくにあたって初めて知りました。ゴールドやプラチナ、あるいはレアメタルなどが、廃棄された携帯電話やPCなどから取り出され、再度精錬(リファイン)され再利用されている。都市鉱山という名前の鉱山があるわけではなくて、都市生活のなかで金属がリサイクル、リファイン&リユースされている、ということです。

精錬、リファインって門外漢のわたしたちには少し難しく感じられますが、簡単に言えば金属を一度溶かして素材として使える状態に戻すこと。そのとき不純物が除かれるため、元々のピュアな=純度の高い状態になります。つまりただリサイクルするよりもさらにいい状態にして再利用しているんですね。それはre-cycleではなくup-cycle。
日本で流通しているゴールドやプラチナのほとんどがそのようにリサイクル/リファインされたものなのだそうです。それって、すばらしいことじゃないですか!!


このピアスにも、きっとリファインされたピュアなプラチナが使われているんだろうけれど

humを取材させていただいたのは、VOGUE2月号の特集記事「捨てない宣言」のためでした。おおむね、ものを作り、売っていく上で必ず生じるロス=廃棄されるものをいかに減らすかという難題に取り組む素敵な起業やブランド6社を取材してご紹介しました。
金属がすべてリサイクル、リファイン&リユースされているならば、別にいちジュエリーブランドであるhumだけを紹介する理由はないですよね。
貴重な金属類が廃棄されない流れと仕組みができていること自体素晴らしいわけで、金属はちゃんと循環され活用されています、以上、みたいな話。
それなら「捨てない宣言」の記事にはならないはずなのだけれども。

(そういえば取材前の打ち合わせのとき担当編集者に、humさんだけはほかの取材先とちょっとテーマが違って難しいのでよろしくお願いしますね」と謎めいたことを言われたのを「あ!こういうことだったのか!」とあとから思い出したのでしたw)

humさんでお話を伺っているうちに、貴金属やジュエリーというリュクスな世界の抱える問題が一つ見えてきたのです。
それは、貴金属やジュエリーについて「これはリサイクル、リファイン&リユースされている金属も入っています」ということが表に出にくいことでした。極端に言えば、それは伏せておきたいーーだからあまり知られていないのかも?

新しく延べ板なりジュエリーなりにする前にリファインして純度はより高くなっているのに、「再利用」自体の「イメージがよくない」。
「これだけフェアとかエシカルといったことの価値が認められてきているこの時代に、敢えて言わないのっておかしいですよね?」と言うのはhumの代表、貞清智宏さん。
「この時代にそれは全然ネガティブじゃない、むしろポジティブなことでしょう? その価値を評価してほしいから僕たちはそれを言っていこうと思っているんです」


射手座に木星の2019年

お話を聞きながら、(隠されている)「本当のこと」が「理念として正しく美しい」から「スピークアウト」する、というのはなんだか現在天空で射手座を運行中の木星っぽいなとわたしは思ったのでした(取材は2018年の11月で、まさに木星が射手座入りしてまもなくでした)。
射手座は火のエレメント。精神性を重視します。炎がぼおっと高く燃えさかるように、高いところ(理想)を目指します。そこに今、「いろんなものを拡大していく」木星が滞在中。「理想としてはこれだよね」という声が大きくなる時期と考えてもいいかも(木星は2019年12月3日まで射手座にとどまります)。

humの提唱する「リファインメタルプロジェクト」について詳しく知りたい方はこちらのページをご覧ください→ http://www.hum-est.com/rmp/

「リファインメタルプロジェクト」の目標をわたしなりにまとめると、

 (1)わたしたちが利用している貴金属が都市鉱山から「採掘」され循環していることを広く知ってもらうこと
 (2)リファインされた金属だけを使ったジュエリーを世に出していくこと
 (3)上記にリファインメタル「のみ」を使用したプロダクトであることを示す刻印をつけて、その価値を知る人に選んでもらえるようにすること

という感じではないかと思います。

まず、本物のファーよりフェイクファーのほうがエシカルだしそれを選ぶのってカッコいいよね、というのと同じように、「このジュエリーは素敵だけど、しかも素材にはリファインされた金属だけを使ってるんだって! いいね!」といった価値観が広く共有される必要がありますよね。
それには、こうしてVOGUEなどの雑誌などに載せて情報を伝えていきましょうというのが、やっぱり「拡大する星、木星の性質なんだなぁと思ったり。射手座はマスコミの象徴でもあります。
星を読んでいるとよく感じることですが、このような現象こそ機運と呼ぶべきものですよね。(そこにちまっと1枚かむことができて非常に興味深いなと思っています)


2019年12月以降の流れ

前回の記事では現在から2年間ほどの大まかな星の動きを解説しました。
リファインメタルプロジェクトについて考えていると、そこから今後の星の動きが表れているようにも思えてきたのです。

先ほど書いた目標のうち、(2)に関してはまだ道のりが遠そうなのだとか。ネックになっているのは、金属の地金を作るラインを「リファインメタル」専用として使うには、リファインメタルそのものの需要がもっと増えないと難しい、というものすごく現実的な物量の問題らしく。
これは、木星が山羊座(射手座よりもずっと「物質」「現実」「現場」を重視する)に移る2019年12月以降に現実の問題として業界全体で取り組む案件となるかもしれませんね。設備とかシステムってとても山羊座らしいテーマですから。

一方で、これを提唱するhumさんでは、このプロジェクトのロゴマークなどを独自にデザインしています。
それらを無償でシェアしているので、この主張に賛同するブランドや企業であればどうぞ自由にお使いください、というクリエイティブコモンズというか、エシカルコモンズみたいなことになっているのですね。

こちらの話は、木星が山羊座の次に入る水瓶座の、独占するのではなくみんなで共有しましょうという側面をよく表しているような気がしています。
だから、取材でお話を伺いながら、これって木星射手座イヤーから水瓶座へ、ということだなと直観したんですよね。


今後7年間、牡牛座に滞在する天王星とのからみも

木星のことばかり書いてきましたが、ご存じのように占星術ではほかの星の動きも見ます。
リファインメタルプロジェクトの説明を聞いたとき(2018年12月)、わたしは天王星が牡牛座に来るからな、とも思ったのでした。

2018年にも短い間牡牛座を訪れた、変化と革命を象徴する天王星が、2019年3月から正式に?牡牛座に入っています。
牡牛座には目に見える、手でさわれるもの、五感から入ってきた感覚などを重視する側面があるのです。その牡牛座と対応関係にあるもののひとつがジュエリーなんですよね。宝飾品。
だから、メタル業界からではなく、ジュエリー業界のhumさんから、貴金属業界全体、そして社会全体に向けてこのプロジェクトが発信・提唱されたのかなぁと思ったのです。
天王星がこの先7年間、牡牛座に滞在することからすると、この「変革と革命」には時間がかかるのかもしれません。じっくり変わっていく。
7年後というと2026年。すべての資源が無限ではないと言われているなか、7年後に、ジュエリーや貴金属の世界はどんなふうに変わっているのでしょうね。

ちなみに、天王星という作りかえる天体がジュエリーと関連の深い牡牛座にいて、パワフルな土星と冥王星という天体が滞在する山羊座は、伝統や正統派を象徴するので、親やもっと前の代から引き継いだジュエリーのリモデルや、ヴィンテージジュエリーのリメイクなんかにも追い風の吹く配置ではあります。


おまけ。いまどきの射手座木星の傾向

humさんに限らず、この企画で取材した方々は「捨てない宣言」をしつつもそれを声高に言うのではなく、それより作り手売り手として質のよい商品を作って着実にお届けすることに心を砕いています、とおっしゃる方が多かったのです。

射手座木星でいろいろ言いたい理想があって、雑誌の取材ではそれをいくらでも話すけれど、ユーザーの方には商品そのものを手にとっていただいて、気に入ったら使ってほしい。何かのついでに、あ!バックグラウンドにはこういう理念や思想があるんだなとわかっていただけたらと思っているんですよ~という方々ばかりだったので、お話を伺っていても気持ちよかったです。

事前には、大上段に「ロスを減らします!」と言われそうで、ちょっとおっかなびっくり取材に出向いたんですけどね(笑)。
humさんでも、「まず僕らの作っているプロダクトを手にとって、かわいい、きれいと思っていただくことが第一だと思っています」と言われました。
リンク先を見ていただければわかっていただけると思いますが、甘すぎない、シャープでシックなものが多いんですよね(藤井まほ好みです♡)。
hum

木星射手座イヤーっぽく、語ってしまいました。射手座に木星があって強まっているときには話が長くなる傾向があるようなのですが(汗)、おつきあいいただきありがとうございました。
最後に、humさんは福岡に新しく彫金教室もオープンなさったそうですよ。射手座木星は学びもサポートしてくれます。ピピッと来た方は覗いてみてくださいね(リンク先はvogue webの記事です)。
https://www.vogue.co.jp/fashion/jewelry/2019-05-10/hum

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