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ついついほぼ全部読んでしまった電子書籍漫画の話

Twitterを使っていると出てくる漫画アプリの広告。
大体の場合は無視しているのですが、たまに興味を惹かれるものもあって。
ついつい1話だけ・・・と読み始めたら、気がついたら全部読んでしまった、というのが、ここ最近ちょいちょいあります。いいカモだとは自分でも思います。

とはいえ個人的には読むまでのハードルを高くしているつもりで、

  • 「何だろうこれ」くらいなら無視

  • 気になって見に行っても、アプリのインストールを促されたら踵を返す

  • 途中から有料になるなら(よっぽど気にならない限り)読まない

という基準を設けています。
そうでないと読む漫画がべらぼうな数になってしまうので。

しかしながらそれでも、ここ2年くらいは多く読んでたなあと思ったので、記録も兼ねて紹介してみます。特に意味はないけど読んだ媒体別に。
実はこの記事、書いてから1年くらい経ったのを掘り起こして続きを書いてるんで、若干情報が古いとこもありますがご容赦ください。
あとうっかりネタバレしてるかもしれないので、適宜自衛してください。


マガポケ

ザ・ファブル(第1部読了)

この罫線────────
俺も気になったんや─────────

「1年間の期間限定で一般人のふりをして生活する殺し屋の話」っていう日常系ギャグ漫画を期待してたんですが、そういう存在を周りが放っておかなくて、結局のところ血なまぐさい事になってしまうという話でした。
後に「ナニワトモアレ」の作者だと聞いて、ああ、だからクルマ描写が妙に凝ってたり、舞台が関西だったりすんのか、と納得した次第。

裏稼業が舞台、殺し屋が主人公ということもあって、登場人物が意外とあっさり殺されてしまって「えっ?」となるし、その死に様も決してドラマチックでもない一方で、それによる人の感情の動きとかは割としっかり書かれていて、その対比が普段ヤクザものとかを読まない私には新鮮でした。

「プロとして──────」は積極的に使っていきたい言葉。

なお、第2部は有料だったので読んでないです。

君が僕らを悪魔と呼んだ頃(読了)

元来マガポケは「ザ・ファブル」以外読む気がなく、読み終わったら消そうと思っていたのです。
この漫画はTwitterの広告に出てたワンシーンだけ見ようと思って、開いたらマガポケで、漫画はそのワンシーンとはだいぶ離れた世界観から始まって、何だこれ?こんなん最後まで読むわけないじゃん、となり。
そう思ってたら最後まで読んでしまってましたし、何なら最後の数話は有料だったのに課金までしてしまいました。お前高いハードルどこいった。

内容としては・・・
中学生当時、凄惨なイジメの主犯格で「悪魔」と呼ばれていた主人公が、ひょんなことから記憶をなくしてしまう。しかし悪魔の所業は被害者たちに長らく消えない傷を残し、何もかも忘れてしまった主人公は、身に覚えのない罪を咎められ続ける。そして新たに関わった人々すらを狂わせ、事態は思わぬ方向に傾いていく。
というもの。

誰しもが心に悪魔を飼っていて、滅多なことで表に出ることはないものの、様々なことで少しずつ精神を蝕んでいく。主人公との出会いはあくまでも切っ掛けに過ぎないものの、それは高く積み上がったジェンガに新しく載せるブロックのように、最後の一押しになってしまった。
個人的な所感ですが、そういう悲しい話が多い印象でした。

ようかい居酒屋のんべれケ。(読了)

艦これの二次創作でよく拝見していたnoncoさんの連載。確か期間限定のほぼ全話無料だったはず。最終話だけ有料だったかな。
「ちょっとエッチ」が気になって読み始めたのですが、さすがはnoncoさんという話のテンポの良さで、サクサクと読み進められました。そしてほぼ毎回エッチな意味で酷い目にあってしまう主人公・ひのちゃん。

常連の妖怪や神様もみんな女の子という展開は東方Projectなんかで当たり前の風景なんでしょうが、世代的にはプリンセス・ミネルバみたいだなあと。

ニコニコ静画

淫獄団地(連載中)

この世界で人妻は一体なんなんだ。

かねてより一部の界隈で話題を呼んでいた「搾精病棟」を手掛けた同人サークル「搾精研究所」が原作を務める人妻エロティックサスペンス……とは名ばかりの、変態だらけの異能バトル漫画。
「汚い風都探偵」とはよく言ったものだし、それっぽい引用がやたらと目を引くけど、変態異能バトルとして考えると「汚い武装錬金」の方が個人的にはしっくりくる。

「搾精病棟」を知ってる人にはもはや茶飯事かもしれませんが、色々とぶっ飛んだ世界観と登場人物、しれっと突っ込んでくる時事ネタと、あれだけ痴態を見せつけてくる人妻にどういうわけかあまり反応しない我が愚息。
登場する人妻ほぼ全員の性格や言動が破綻しすぎていて、大体どのキャラを見ても「こんな人でも、家に帰れば愛する夫がいるんだよな…」という、悪役のアットホームな一面みたいなのを感じずにいられません。

新婚でこれ見てる私もどうなんだか。

笑うカドにはお稲荷さん(読了)

ウマ娘の二次創作でよく拝見していた人生負組さんがオリジナルで連載を始めたというので見に行ったら、ノリはまあ大体同じでしたっていう。最初の方は大和と武蔵が氏の描くゴルシとライスにしか見えんかった。

ここまで紹介してきた漫画が「元殺し屋」「元凄惨なイジメの主犯格」「倫理観と恥辱感をシンクに捨ててきた人妻」となかなかの顔ぶれでしたが、ここにきて「クズ神様」のエントリーです。
毎回とにかく清々しいほどにクズの限りを尽くしていき、時には感動を呼ぶような展開になるものの、最後はやっぱりクズ。
古き良きギャグ漫画の正しいセオリーじゃないですかね。

ジャンプ+

ラーメン赤猫(途中で止まってる)

その昔「猫ラーメン」という漫画があり、かねてより敬愛する田中勝己氏がアニメ化に際して主題歌を作った、ということがありました。それとは一切関係ないようです。

猫がラーメンを作って客に提供している、あまつさえ猫がラーメン屋を経営しているという状況を、単にギャグとして扱うだけでなく、あくまでそういうファンタジーとしながらも、それなりの現実との折り合いというか軋轢というか、そういうのも表現している作風でした。
ついついこのラーメン屋を応援したくなってしまう、謎の魅力があります。

これを書いていた頃にインディーズ?から正式連載になったのですが、つい先日アニメ化が決定したとか。おめでとうございます。
そして私の記事の塩漬け具合よ。

放課後ひみつクラブ(連載中)

陰謀論もこうなってしまえばかわいいもんよ。

学園の秘密を探る美少女・蟻ヶ崎千歳と出会った少年・猫田悠一は、なし崩し的に一緒に「放課後ひみつクラブ」を結成させられ、毎回彼女が言い出す突拍子もない噂の真相を突き止め「ヒミツ・ミッケ」するために振り回される・・・という、ドタバタコメディ。

ハルヒに振り回されるキョンのように悪態をつくでも呆れるでもなく、淡々と鋭いツッコミを適所に入れていく猫田くんの逸材っぷりと、その思い込みと傲慢さを美貌だけで個性にしてしまう蟻ヶ崎さんの豪胆っぷり。
実際のところ蟻ヶ崎さんが言い出すトンデモ陰謀論は実際に起きてたりするんですが、それに加担している人たちもどこか抜けてて憎めなく、蟻ヶ崎さんは「ヒミツ・ミッケ」できればそれで満足だから、とんでもない秘密を見つけたところで告発したり壊滅させたりすることもない。

このさじ加減が、「陰謀論」という、コロナ禍から始まった令和の時代にあまり向き合いたくない題材を、ギャグマンガとしてうまく取り入れるのに効いています。

忍者と極道(連載中)

最初は暴走族神(ゾクガミ)が気になって、ちょうど無料期間のときに一気に読んだんですが、とにかくアクが強く、そして読みごたえがある作品で、だいぶハマってます。

キャラクターの癖が強いのは言わずもがな、それをさらに際立たせるのが、独特の言い回しとルビ使い。「驚愕(パネ)ェ」「本気(ガチ)」「有難(アザ)っス」「非実在(アリエネ)ェ」等々…てっきり暴走族神(ゾクガミ)の出てくる話だけかと思っていたら、全編にわたり大体のキャラがこういう言い回し。

各話のサブタイトルも、90年代にビジュアル系を嗜んでいた世代からすると「おいおい」とにやけてしまうものが多々。しかしそのサブタイトル、ただ付けただけでなくちゃんと本編に関わってくることもあるから油断なりません。「ビリビリクラッシュメン」が登場人物の必殺技名だって想像できるかって話だよ。「血風怒涛強雷漢」なんて当て字で。

忍者サイドも極道サイドも、今の立ち位置に至るまでの過酷な人生があり、それゆえに成し遂げなければならないことを成し遂げようとして衝突する。そんな中で特徴的なのがネームドキャラの殉職。
忍者側が志半ば、無念、といった感じで倒れていくのに対し、極道側は殆どが今際の際にその人生に悔いを残さず、笑顔で死にゆくのです。
展開上、極道側が様々な手段で日本を制圧しようとするのを、忍者が止めるという図式になるので、死傷者を多数出して大暴れした挙句、悔いを残さず往生していくという、何とも極道サイドの身勝手さを物語っています。

サンデーうぇぶり

薬屋のひとりごと(連載中)

つい最近アニメ化もして、それまで知らなかったんですが、本作以外に原作となる小説と、ビッグガンガンでのコミカライズもあり、どれもニュアンスが色々と違うとか。私はこのサンデーGX版しか読んでおりません。

古代中国…によく似た架空の帝国において、皇帝の世継ぎを産む妃たちの集う「後宮」を舞台にした薬学推理サスペンス。あるいは絶世の美形・壬氏が唯一自身になびかない女官・猫猫を「おもしれー女」とつきまとい始めるラブロマンス。ぱっと見、そんな感じに捉えられそうですが、読めば読むほど色んな顔が見えてきます。

猫猫の、薬や毒以外にほとんど興味を持たないサバサバした性格と、だからこその立ち回りは痛快。それでいて立場をわきまえて一歩引き、推測は推測のままに深入りしないなど、好感が持てるキャラクターです。

惜しむらくは登場人物が非常に多く、皆中国風の名前なので、読んでて段々人の特定が難しくなってくること。それは描き分けができてないわけでなく、後々考えてみると「意図的に」似た顔の人物がいたり、変装をしていたりするんですが。
アニメだと髪の色とかでだいぶ分かりやすくなりますけどね。

なお、登場する薬学や科学が、当時中国に伝来していたか・そもそも当時存在した技術なのかというのがたまに疑わしくなりますが、「架空の時代の架空の帝国」なのでその辺は問題ないのでしょう。そう、カカオが出てこようがアレルギーに言及しようが拳銃が出てこようが、架空なんで問題なし。

サイコミ

アイドルマスターシンデレラガールズ After20(読了)

今回紹介している漫画のほとんどが「全然知らんけど何となく読み始めた」であるのに対して、この漫画だけは「待っていたぜ!この瞬間をよぉ!」とツルハシを引き摺りながらバイクで爆走してくるような勢いで期待しており、その期待に十分すぎるくらい毎週楽しませていただいていました。
何を隠そう私は安部菜々・三船美優P。デレステで宵乙女イベントが出てきた時には「推ししかいねえ!!」と正月早々のたうち回ったクチです。
…あれもう7年前なのか。

「アイマス」本編の基本骨子は「アイドルを目指す少女達とそれを支え導くプロデューサー(=プレイヤー)の物語」であり、それはゲームに限らず、各メディアミックスにおいても重要な要素になっています……が、この作品においてはあまり重視されておらず。
アイドルが電話する先であったり、会話の中で言及されたりで、プロデューサーの存在ミ確認できるものの、姿は一切現れず、活躍もありません。

本作のメインはあくまでもアイドル達の活躍と、その後の食事とお酒。

旬の食べ物やそれに合う実在のお酒を紹介する、グルメスピンオフと言って差し支えない本作ですが、その性質上、メインキャラとなるのは20歳以上の大人のアイドル達。それゆえに、トラブルが起きても自分達で知恵を出し合い、時に周りのスタッフや一回り年下のアイドル達にも協力を得て、解決に向かっていきます。
アイドル達が自立した大人だからこそ、プロデューサーが前に出てこなくとも成立するのでしょう。いや安部菜々さんは17歳ですけどね。

2023年12月を以って、惜しまれつつの完結。
いやほんとムチャクチャ惜しいし、U149に続いてアニメ化してほしい。30分フル尺が難しいのは知ってるから、シン劇のように5分番組でもいい。
何なら「孤独のグルメ」や「ワカコ酒」のように実写ドラマでも問題ないのではないか…とも思ってたんですが、その矢先に例の事件が起きてしまったので、あんまり声を大にできません。
局が絡むとアレだから、アマプラオリジナルとかでどうか。


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