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スパゲティー!

9/9(土)
天気:涼しめ


昨日友人とごはん屋さんに行った。

友人がナポリタンを注文し、それはそれは旨そうに啜ってたのだが

スパゲティーが1本、箸をすり抜けて床に落下した瞬間を、僕だけは見逃さなかった。

「まるで令和の白鳥由栄、脱獄王の如し。」

そんなしょうもないことを考えつつ、すぐに拾おうとしたのだが

ここで注文した商品が届く。

それはそれは美味そうな焼きおにぎり。

「チー玉焼きおにぎり」

読んで字の如く、焼きおにぎりの中央に卵の黄身が載せられ、その上に炙ったチーズが被せてある逸品。

これはさあ、国によっては実刑ものだよねえ。

その罪深いルックスと味に、チーズ同様こちらまで蕩けてしまった。

チー玉焼きおにぎりも、幸せそうに僕の胃に収まっていく。

身体中が大満足。

もはやあれは、満腹ではなく満全身。

そんな悦びに満ちている最中、ふと思い出した。


「スパゲティー!」

急いで友人の足下に目をやる。


そこには、椅子の足に踏み躙られた、惨たらしいスパゲティーの姿が。

目も当てられぬほどの血痕(ケチャップ)。

「ああ....スパゲティー....」

チー玉焼きおにぎりの幸せそうな表情(焼き目)が目に浮かび、スパゲティーの無念がより一層際立つ。

食べてもらうことすら叶わず、地べたで潰れてゴミとなるのは、食べ物としてはどれだけ不名誉なことなんだろう。

僕は人間なので、そっちの世界の感覚や基準は持ち合わせていないが

スパゲティーの気持ちを考えると、とても残念に思った。

ごめんな、スパゲティー。

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