ぽてと

ことばを創るために、ことばを綴る場所 私がわたしについてもっと知るための場所 忘れない…

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ことばを創るために、ことばを綴る場所 私がわたしについてもっと知るための場所 忘れないように書き留めておくだけの場所 https://twitter.com/@potato_kataware

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花束なんて

人から花束をもらったことはありますか。 私は20年とちょっと生きてきてほとんどもらったことがなかったのですが、今年に入って2回もいただいてしまいました。 最初は春、私の誕生日に。次はつい先日のクリスマスに。 * * * どちらも決して派手な花ではなかったのですが、その少し遠慮した様子の花がやけに愛おしく、じんわり温かくなるような気がしました。いただいた花を気に入ったのは、人気のあるものや定番を好まないという少しひねくれたその人が好きだから、というのもあるのでしょうけど、

    • リアクションとか応答の「正解」

      あらかた書いた修士論文に致命的な欠陥があることに気がついてしまった。それからというもの全くやる気が出ない。関係のないこんな文章を書いている暇など一ミリもないのだけど、この図書館も開いていない時期に、もうあと1週間と少しで修正できるものではなく諦めている。無念だ。 諦めて一日中スマホを眺めている。Twitter、インスタ、LINE、Slack、時々パズルゲーム、をぐるぐる巡っている。 自分の生きている世界にSNSがあって良かった。特によく炎上するTwitter(今はXか)は

      • 署名

        本当は1年くらい寝かせる予定で先月書き上げたnoteだった。 だけど、読んでしまうと、なんだか生々しい痛さが残る今の方がいいのかもしれないと思ったからあんまり人目に触れないように出してみる。そのうち、母親にも見られるかもしれないと思うと少し怖いが。 * * * 思えば家族というものの形にひどく固執している。 多様な家族の在り方を尊重しましょうだとか、あるいは色々な構成の家族の形を実際に目にする現場に立ちながら、それでも、私は「父と母と子が同じ屋根の下で暮らし、いつまでも仲

        • 言葉が届かなくなる

          自分が社会学の視点を使うことを選択して、いまだに大事な場面では使いこなせないことが多いものの、なんとなくそういうものの見方が一部身についてきたきた気がする今日このごろ。 周りの友人とは話がだんだん合わなくなりつつもあります。 それは一つには、私の言い方が悪いんでしょう。どうしても、こういう話の時って、誰かが笑って流そうとした時とか、とっても個人モデル的な考え方(自己責任論ぽい考え方)のニュースや誰かのいじりに憤っている時なので、私の語気が荒くなる。いや単純に言葉が汚くなる。

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        花束なんて

          ビッグイシュー

          駅前などで赤いベストのようなものを着て帽子を被った人が,薄い雑誌を販売しているのを目撃したことはないだろうか。 これまで私は,びっくりするくらい彼らを風景としてのみ認識し,気に留めることもなかった。彼らが何をしているのかわからず,いや知ろうともせず,思い返せば記憶の片隅に映る彼らはむしろ,「なぜ下を向いてただ突っ立っているだけなのだろうか」という不気味な存在であった。 駅前に立っている人たちというのは,基本的に声が大きいことが多いのがこれまでの印象だった。私自身,赤い羽根募

          ビッグイシュー

          卒業論文「終わりに」

          初めて長い文章を書きました。卒業論文です。 卒論と言っても、学部や大学によってかける時間も労力も全然異なります。そういう意味で、私のとこは比較的長い時間をかけて卒論を作っていったように思います。 私は2年間、高校にフィールドワークに出かけ、そこで見たり聞いたりしたことを記録する「参与観察」とインタビューを使って、高校生の居場所について検討しました。簡単に言うと、居場所づくりの研究です。(詳しいことはここでは公開しません。興味のある人は知り合いに限り読んでもらっていますのでご連

          卒業論文「終わりに」

          ある電車内での風景

          強面の、サングラスに麦わら帽子の長い髭をたくわえた67歳のおっちゃんが、電車の4人席を占領するかのようにどっかりと座った。窓際に座り、リュックを隣の席に置き、向かいの席と橋かけるように杖を置く。始発駅だったので人もまばらだったが、しばらく進むとそれなりに混んできた。 そこに、若いにいちゃんが乗ってきた。あたりを見回して、おっちゃんの席のとこしか空いていないことを確認すると、そうっと斜め向かいに腰掛けた。 一駅ほど過ぎたところで、突然おっちゃんがにいちゃんに話しかけた。

          ある電車内での風景

          眠れない日々。私は誰の目を気にしてるのだろう。

          誰もあなたのことなんて見てないよ。 そう言われたのは、最近ぐるぐる悩んでいることをうっかり話してしまった時のこと。 全然欲しい言葉ではなかったけど、なんとなくすっきりした。 最近(この下書きを書いたのは5月末から6月頭あたり)、夜が眠れない。朝、外が明るくなってから寝る生活が続いている。翌朝用事がなくても、大抵3、4時間で目が覚める。時にはほぼ徹夜なんて日もあるのに、その日もいつまで経っても眠くならない。 最初はその生活がおかしいと気づいてなかった。「最近元気やわー!」く

          眠れない日々。私は誰の目を気にしてるのだろう。

          12歳のわたしへ

          未来に向けた手紙はよくあるけど、32歳のわたしにはそんなに期待をしていないので、12歳のわたしに手紙を書く。1枚目は12歳の一年を振り返って。2枚目は今の私から12歳のわたしへのメッセージ。 * * * 12歳のわたしへ 小学6年生。マンモス校と呼ばれる人数が多い小学校だったけど、私のランドセルほど美しい緑色のは見たことなかったね。10年経ったけど、未だにあんな色のランドセルは見たことないや。 ランドセルを買った頃、小学校に入る前は人の目を全く気にしなかったのに、12歳

          12歳のわたしへ

          「ごめんね」の後に「いやだ」って言った話

          確か小学校の3年生くらいだったと思う。 細かい理由は忘れた。だけど、クラスの男の子と喧嘩しただか悪口言われたかなんかそんな感じで、担任の先生が、彼に私に対して「ごめんね」を言わせた。 小学校で習いますよね?「ごめんね」って言ったら「いいよ」って言わないといけないんですって。優等生だった私に、先生は「いいよ」と言ってこの件を終わらせることを望んだ。 だけど、私は「いやだ」と言った。 確か、続けて 「本気で悪かったって思ってる?」 みたいなことを聞いた気がする。要は、彼が先

          「ごめんね」の後に「いやだ」って言った話

          綺麗な思い出のまま残しておきたかった

          今の恋人と付き合って、1年がたった。 素敵なことだ、幸せなことだ。 だけど同時に、これまでの恋人のことがびっくりするくらいすっからかんになっていた。そもそも存在を思い出すことがめっきり減っていたくらいだから、「過去」になってるんだと思う。 恋人の匂いはジップロックに入れて保存したいし、恋人が何気なくくれたお土産は手放したくないし、恋人の着た服は洗濯の前に一回私が着たいし、恋人の一本一本の毛まで愛したいと思ってしまう私だから、これまでの淡い恋愛の思い出として全ての記憶も思い

          綺麗な思い出のまま残しておきたかった

          表現するということ~バンクシー展より〜

          表現することというのは自分自身を削り出して産み出すことである。 表現することというのは自分の一部を切り取ることである。 二者択一だとしたら、あなたはどちらであると思うだろうか? * * * 先日、旧名古屋ボストン美術館で開催されている『バンクシー展 天才か反逆者か』を見に行ってきた。 入場してから出てきたのは2時間後で、そんなに広い美術館じゃなかったはずなのにすごく疲れてしまった。 バンクシーの作品は、作る側より見る側の方がエネルギーを使うんじゃないか。 そんなこと

          表現するということ~バンクシー展より〜

          ひとあし進んで、一息ついて。

          ひとあし進んでは、ひと息。 ひとあし進んでは、ひと息。 風が涼しかった時期は短く、瞬く間にほうきを持つ手が冷たくなる季節がやってきました。 今日も青年は青い服を全身に纏い、落ち葉を集めて練り歩きます。 朝、職場に着くと、リーダーを務める中年の女性の毎日変わらない丁寧な指示を、青年は律儀に聞きます。 渡されたほうきを手に、一列にきちんと並んで今日の道路へ向かいます。 青年は自分の仕事を気に入っていました。 それから、仕事は丁寧にやりました。 自分たちが、道ゆく人から特段注目

          ひとあし進んで、一息ついて。

          あんなに元気に準備したのに、玄関が開けられなかった日。

          出れなかった。どうしても、あと少しができなかった。 * * * 数週間前のその日、私はやたらと目覚めが良くて、6:30には体も軽くベッドから抜け出して本を読み、洗濯物を干して、普段は昨日の残り物を詰めるだけのお弁当なのに朝からフライパンなんか握っちゃったりして気合入れたお弁当を作った。今日はなんかいい日だな、って感じてた。化粧のりも良くて、鏡に映る私はなんかいつもより可愛い気がした。 その日は午前の授業は2コマともあったけど、両方ともオンラインと対面授業の併用だったので

          あんなに元気に準備したのに、玄関が開けられなかった日。

          曖昧な「好き」の方が安心する

          網戸のまま眠ると朝起きた時が少し、いやかなり肌寒い季節になり、私の大好きで大嫌いな秋がやってきました。秋の空気とか匂いは好きだけど、どうしようもなく人恋しくなってしまったり、失敗したり傷ついてしまったことを引きずってしまう季節だから。 * * * 今回は、少し恋人の話をします。 私は自分の好きなところが全然ないので、「ここが好き」と具体的に伝えてもらうことで自己肯定感を上げてもらって安心感を得ようとします。他力本願。 自分が生きていていい存在だと思えなくて、でも生きてし

          曖昧な「好き」の方が安心する

          いじめられている人を見て安心する醜い私

          最低なタイトルでごめんなさい。 でも率直な、私の気持ちです。 バイト先に、若い社員の女性が今年度になってからやってきました。お世辞にも仕事ができるという人ではないのは事実ですが、当初から周囲の、とりわけ店長からの当たりがキツかった。浴びせられる罵声は、怒られている当事者ではない私が萎縮してしまうくらいのものでした。 基本的に私のバイト先は、今時まだあるんかと思うくらい「先輩の背中を見て学べ、1回言ったら次からできて当たり前」という風潮が強いです。以前はそうでもなかったら

          いじめられている人を見て安心する醜い私