仕組みは既存の技術の組み合わせ

新しく出てきたPodcastであったが、そこで使われていた仕組みは、既存の技術の組み合わせにすぎなかった。

インターネットラジオなどは、通常のサーバーよりもコストが高いストリーミングサーバーを用意する必要があったのだが、Podcastの場合は音楽ファイルのMP3を通常のサーバーに置くだけ。むしろ簡単な仕組みであった。

MP3ファイルをサーバーに置き、更新情報はRSS2.0というもので知らせる。それをアグリゲーターと呼ばれるソフトで自動更新チェックとダウンロードを行うのだが、ブログのRSSを購読するRSSリーダーを拡張したようなもの。MP3もRSSもすでに使われていた技術だ。

いままであった技術を組み合わせて、iPodでインターネットラジオを聴くことができるようにしてしまったところに感動がある。iPodへの転送は、純正のiTunesを利用する。

配信者側がMP3ファイルを添付したRSS2.0を用意する。これをPodcast用のRSSとすると、リスナーである受信者は、Podcastのアグリゲーターがあれば受信できるということだ。

後に、iTunes自体がこのアグリゲーターの機能を持つため、受信者側はiTunesを利用するだけで良くなり、アグリゲーターが不要になるのだったが、最初はそのような仕組みだった。

では、Podcast用のRSSはどのように作るかというと、Podcastに対応したブログサービスなどで、記事の中にMP3ファイルへのリンクを張れば良いだけだった。音声をアップしなくても、音声ファイルへのリンクがあれば良いので、サーバーの容量に不安な場合は、別のサーバーに音声をアップして、リンクだけ張るということでもよかった。

つまり配信者は、Podcastに対応したブログさえ使えば、MP3ファイルを作流だけで、簡単にPodcastを始めることができるという敷居の低さが魅力であった。このMP3ファイルを作ることの方がハードルがあるのかもしれない。

今では、iTunesがアグリゲーターの機能を持ったので、もっとシンプルになっているが、基本的には大きく変わってはいない。よく使われていた技術の組み合わせが、Podcastの仕組みを作っている。


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