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聞くっておもしろい 2023.12.26

朝5時半起床。仕事へ。年内最終出勤、細々とした雑務を片付けて退勤する。もう少し早く出られたら映画を見にいく時間があったが、電話対応に捕まってしまう。見たい映画ばかりが溜まっていくが、映画館にどうも足が向かない。

退勤して梅田へ。今日は19時から岸政彦さんと花田菜々子さんのトークイベントがある。しかし1時間ちょっと時間の余裕があるので、どこかでゆっくりしたい。ということで、東梅田の清風堂書店で本を見て、それから喫茶サンシャインでピザトーストを食べようと思う。このルートは岸政彦さんのお気に入りルートで、今日にはうってつけの時間の使い方だ。
サンシャインはずっと行きたかったが、いつも混んでいて(なんなら並んでいて)入ることができていなかった。しかし夕方に差し掛かったからか、運良く入ることができた。店内では従業員の方がせわしなく動き回っている。ピザトーストセットを頼んで、今日のトークイベントのメイン書籍である花田菜々子さんの『モヤ対談』を読む。

ピザトーストもアイスコーヒーも美味い。もう少しゆっくりしながら本を読みたかったが、待っている人がいるようなので少し早めに出る。
まだ時間があったので、意味もなく阪急うめだ本店の高級ブランドが並ぶフロアを歩いたりした。裕福そうな人たちの見本市みたいだった。余裕のありそうな人も、妙にピリピリした人も、皆何かしらのブランドロゴを背負っている。それからHEPの方に向かって歩き、歯神社で歯の健康を祈り、東通り商店街に抜けていく。まだ時間もあるので適当に路地に入ったり出たりする。ここは昔恋人と泊まったホテルやなあとか、この焼鳥屋でカンピロもらってえらい目にあったなまだやってんのかとか、酒を飲み慣れていない20代前半のときに吐くまで飲んだなとか、ネオンの光と食べ物と饐えた臭いとが混ざった空気を浴びながら歩いた。孤独で一人だ。

いい時間になったのでラテラルへ。

メガハイを飲みながら、『モヤ対談』を最後まで読み進める。良い本だった。対談集だから当然編集も入っているのだろうが、会話の生々しさというかいい意味でのヒリつきもそのまま文章になっていて、それでいてインタビュー相手へのリスペクトと愛とが溢れた本だった。この絶妙な踏み込み加減がすごい。

開演前、岸さんが隣に来てくださって少しお話しをする。サンシャインは最高という話と、某喫茶店は最悪という話をする。
ホリーニョさんも来られていて隣で一緒に飲みながら聞くことに。

以下、トーク内容から気になったフレーズ。

・近すぎず遠すぎない、中距離・中範囲の人間関係をいかに築くことができるか。
・しかし中距離の人間関係はテーマがないと話せない。花田さんの本をすすめるというテーマはすごくいい。
・寄せ鍋理論。
・生活史も、取材というテーマがあるから話すことができる。出版するということを通すことで初めて聞ける語りもある。岸さんが院生のときはこのベースがないので苦労した。
・マッチングアプリもテーマで人とつながるツールだが、もっと良い人がいるかもしれない症候群になって容易に切れてしまう関係でもある。
・マッチングアプリの対極が猫。子猫が捨てられていたら拾わざるを得ない。選んでいないし選べない。
・選ばれたい欲望と選ばれない快楽とがある。
・選ぶ、と一言では言えず、あらゆる出会いを検討したあとに合理的に選択していくことと、出会ったやつに委ねてその瞬間に他の可能性を捨てる出会いを選択することがあって一概には言えない。人間は合理的に選択をするが、同時に運命的な出会いにも飢えている。
・権力は自然化される。
・オッサンは孤独。笑顔で対処されるくらいならまだ嫌われた方がマシ。
・オッサンは酒以外に人と繋がる方法を持たないといけない。昼に男同士でお茶を飲むべきだ。
・花田さんが岸さんに勧める本は、ひらいめぐみさんの『転職ばっかりうまくなる』

花田さんが岸さんの話を次々と引き出して(それも「聞いてやろう」という感じでは決してなく、花田さんにだったら話してもいい、という安心と信頼のある引き出し方なのだ。これがプロ!)、岸さんも「今年一番喋ってるわ」「今日調子ええわ」とご機嫌に話されている。とにかく面白い。これまで聞くことがなかった岸さんの話も色々と飛び出す。
質問タイムでは岸さんが「まずはホリーニョ何か質問」とホリーニョさんを指名したあと、「その次はぽた!」と僕にマイクが渡り、そしてスズキナオさんへと渡っていった。ナオさんが話しだす瞬間の「いやぁ〜」という前置きを岸さんが絶賛していた。

終演後、花田さんにサインを頂く。嬉しい…!蟹ブックスも絶対行こう。

ありがたいことに、ラテラルを出て、岸さん、花田さん、花田さんのお知り合い、ホリーニョさん、ナオさん、僕とで飲みに行く。
花田さんとお知り合いの方は一軒目で解散。岸さん、ホリーニョさん、ナオさんと二軒目(ラテラル入れると三軒目?)にお好み焼き屋へ。ここが朝までやっていて、静かで広くて良い店だった。トークイベントに引き続いてオッサンはどう生きるべきかについて話し、みんなナオさんの熱烈なファンであることを共有し合う。1時半まで飲んで解散。楽しかったー!最高の忘年会になった。

岸さん、ナオさんが同じ方向に、僕とホリーニョさんが逆方向に帰る。2024年もまたこうやって飲みに行けたら良いなあ。

家に帰ったら2時過ぎ。さすがにすぐに眠る。目が覚めたら東京に向かわねばならない。アラームを5時にセットする。

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