獣になれない私たち 感想

4話まで溜まっていたのを一気見。草食系男子と女子が、なかなか積極的に行けない、いわば「逃げ恥」みたいなドラマだと思ってたが、だいぶ違った。
仕事でうまくいかなかったり、恋愛でうまくいかなかったりする。彼女には彼女の問題があり、彼には彼の問題がある。
生きていれば、誰しも、何かしらの問題を抱えている。そして、お酒を頼りにしたり、恋人に癒されたりする。
誰かの問題は、また、誰かの問題へと伝染する。元カノが家から出ていかなくて、それで喧嘩になって、周りから口を挟まれたり、送ってもらったり、携帯をなくしたり。
すべては一つの原因から生まれた問題なのだが、その元凶さえなければ、はたして無問題なのかといえば甚だ疑問である。大きい問題が片付けば、それに隠れて気付きにくかった小さな問題が見えてくるのだ。

世間から見れば「いい人」と、ぱっと見「性格悪いやつ」がいる。
問題を抱えているのは「いい人」だ。いい人は、自分の業務内容じゃない仕事を振られても引き受けちゃうし、彼氏の家に元カノが住み着いていても、理由があれば許しちゃうのだ。
彼女は、それを改善しようとするが、「いい人」なので、周りに迷惑をかけないように改善しようとする。会社を急にバックれたりしない。彼氏の家から元カノを無理やり追い出したりはしない。

なぜ、彼女は優しいのだろう。いい人なのだろう。彼女の父親は、暴力を母と娘に振るい、母はマルチ商法で娘を困らせた。反面教師として、こんな人間になどなるかと思ったに違いない。悪を恐れるあまり、極端な善を演じようとする。少しでも、悪によれば、両親のようになってしまうようで。

ちゃんと言えるようになろう。言わないと、わかってくれない。あんまりいい人になりすぎるなよ。疲れるから。

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