ぽてそになる前の話


私はずっと引きこもりだった
救いようのない根暗だ

特段頭がいいわけでもなく、
なんの取り柄もない
運動は大の苦手

人と全く話さず、
話しかけられても「うん」と「はい」しか言わない

給食の時間にどうやって私を笑わすかで
同じ班の人たちが盛り上がっていた


幼稚園の頃から親の転勤が多くて、
どうせ仲良くなってもお別れだしなと思って
余計自分を出さずにいた
自分の世界観が狭すぎて、何も楽しくなくて
小学校の頃からずっと死にたい願望が強かった



小学校3年生で家にあるパソコンを触りだした
東京に住みながらも外に出ず
土日は7時間以上パソコンを触ってた
おもしろフラッシュ倉庫、ハンゲーム、もなちゃと、ギコBAR、リヴリーアイランド
私のオタク気質と喋りは全てここで形成される

声で会話するより文字で会話する方が
何倍も楽しかった


姉と兄がいて、
とにかく人と変わったことをするのが悪という風潮の中過ごしていた、絵や創作が上手い兄弟に比べて
それが劣ってた私は何かを創作するのが怖かった、
みんなと一緒のレベルじゃないと馬鹿にされると思ってた


中学の頃、初めてニコニコ動画に出会った
別に家庭内に問題があったわけでも
いじめられてたわけでもないのに
漠然と死にたくて辛くて
学校を休みがちになってた時
ピアノ弾き語り配信に出会った
ピアノのことは何も詳しくないけど
その人が弾くピアノの音色と
包容力のある落ち着いた喋り方に何度も救われた

踊ってみたを知ったのはその後
Perfumeが好きで、
Perfumen、セラミクロニ、マフラーさんの
動画をずっと見て
家でこっそり真似て踊ったりしてた
これ私も踊ってみたやってみたいな
でも実家だしそんな環境ないし
バレたら馬鹿にされるし
そんなにダンスうまくないし
どうせ自分には出来ない


高校卒業して実家を離れた
動画を撮ってみようとなったのは
やってみたいと考えて5年以上経っていた

短い動画だけど何回も撮り直して
投稿ボタン押すのにも何日もかけた

「きれいに踊れてる」「応援します」

上がった動画のコメントが暖かかった
みんなが受け入れてくれて、
初めて何かで認められた気がした
自分はここに居ていいんだと思った

(2012.6.23)


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