アニメの延期について色々まとめる

2023冬アニメの延期祭りをキッカケに「なんでこんなに延期するの?」ってなった人多いと思うので、分かることまとめました。
情報元はTwitterで絡んだことのあるアニメーターさん達なので、スタジオ毎の違いはあると思いますが参考程度にはなる筈です。
(アニメ業界の職に就いてるわけではないので、正確性は保証出来ません。)

冬アニメで延期が多発した原因

1.中国のコロナ

中国の0コロナ政策の緩和によってコロナ感染が激増し、海外に仕事を撒いて人海戦術で何とかしてたアニメ会社がドミノ倒しのように連鎖して延期せざるを得ない状況になりました。

2.中国の春節

これは今年に限ったことではなく、中国人にとって春節はとても大事な期間なのでその期間中に働いてくれる人も少なく「冬クール(1-3月)は受けたくない」と言う監督もいるレベルで海外頼りの会社にとっては厳しいみたいです。

「完パケしてから放送すればいいのに」について。

完パケ(最終話まで納品すること)してから放送すれば延期しないのにという意見をよく見るのでそうできない原因を。
1.
予算の関係上ほぼ不可能。
2.
最後まで本気で仕上げて完パケしても、放送で爆死してしまえば円盤・グッズ収益などが減るから。

最近のアニメ1クール(12-13話)にかかる製作費は約5億円と言われています。しかし、よく「○○(有名作品)の仕事来たけど激安だった」的な話題が出るような状況が蔓延してるように、現場に回ってくるお金は少なく常にカツカツな会社が多いのが現状です。

2のパターンになると一発で倒産の危機まで行きかねない程にギリギリの自転車操業してる会社が多いのがアニメ業界の現状で、”薄利多売”で何とかするしかないから「クオリティ低くても毎クール作るしかない」という事態に陥っている会社もあるレベルです。

延期の是非について

延期は当然しないに越したことはありません。
しかし、「やっつけ仕事で間に合わせたもの」を放送されるよりは「延期してでも完璧に仕上げてから放送してほしい」というのがファンの心理だと思います。
当然ですが、延期して放送枠が開いてしまえば違約金が発生しますし、企画のメインで参加した誰かしらの首が飛ぶこともあります。
それにも関わらず、ファンが納得するクオリティを提供するために延期を決断してくれたならそれは英断だと思います。

個人的に言いたいことは「延期してくれただけマシ」です。
原作から追いかけていた作品が「ギリギリアニメとして成立してる」レベルのクオリティで放送されてネット民のネタにされた時からこう考えるようになりました。

今のアニメは国境を越えて制作されてるものなので、言語や文化の違いで誤解があれば全く違う物が海外の下請けから納品されてくることもあります。なので「延期したからクレーム入れよう」じゃなくて「制作してくれているスタッフへの思いやりを持ってあげて欲しい」と思います。

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