ひょーどぅー

映画、音楽、アメリカンフットボール、ラジオ、お笑い、落語、ゲームセンターCX、小説、家…

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映画、音楽、アメリカンフットボール、ラジオ、お笑い、落語、ゲームセンターCX、小説、家具、カフェ、野球、愛媛県が好きな、職業:大学職員 https://twitter.com/hyodo_potsu

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会社員の異常な愛情 または私は如何にして傍観するのを止めて映画を愛するようになったか

「好きな映画はベタだけど『ゴッドファーザー』かな」 この一言が私の人生を一変させた。 大学入りたてで知り合ったばかりの友達から言われた一言だった。 私はその言葉に焦った。 「観ていない」 当時の私は『ゴッドファーザー』を観たことが無かったのだ。 今でこそ大好きな映画で、間違いなく自身のオールタイムベスト10に入る。 しかし、である。 映画は昔から好きだったし、それなりに観ているというよく分からん自負もあった。 その思い込みが一瞬にして砕け散ったのである。 今目の前にいる

    • 映画感想『土を喰らう十二ヵ月』

      この映画で一番好きな場面は主演の沢田研二が義母を家の外から呼ぶところ。 通常の場面では、年相応の老いた男性の声そのものなのだが、 「ちえさん、ツトムです」 そう呼びかける時だけ、若々しい歌手の声になる。 その瞬間、沢田研二が現れるのである。 淡々と進む映画にあって、存在を感じさせる瞬間である。 劇中の料理担当は土井善晴。 どれも美味しそうだが、開巻一番で登場の小芋を焼いたのを食べたい。 料理に加えて、調理道具にも目が行く。 憧れの羽釜とおひつ、漬物石、すり鉢、水場。

      • ビーフシチューに入ったポテトフライ

        昼食に京都の洋食屋でビーフシチューハンバーグを食べた。 鉄板上のハンバーグにビーフシチューがかけられている、洋食屋の人気メニューが両取りできる贅沢料理だ。 器が鉄板だったのが決め手の一つ。 シーリングファンでわずかな冷気を巡らせた店内のため気付いたら首周りに汗が流れていたが、食べ初めから終わりまで温かいままの料理を食べられたからだと、笑みがこぼれた。 そしてこのビーフシチューにはポテトフライが添えられていた。 シチューの具材としてじゃがいもが入っているのではなく、添え物と

        • 大きな水玉の青いワンピース

          近所を散歩していると、今まさに家を出ようとしている女性と目が合った。 青地に大きな白の水玉が散りばめられたワンピースを着て、黒い自転車にまたがるところだった。 彼女は僕の方をちらりと一瞥して、僕が歩いているのと同じ方向に向かって自転車を漕ぎ出した。 彼女の後ろ姿が目に入る。 背中も白い水玉でいっぱいだった。 突き当たりを彼女は坂を登る方に曲がり、僕は坂を下る。 傾斜が急ではない坂。 それでも次の交差点までは距離があるから、登りきるのには骨が折れそうだ。 けれどきっと彼女

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        会社員の異常な愛情 または私は如何にして傍観するのを止めて映画を愛するようになったか

          マルちゃん焼そば 3人前

          大学入学以降ずっと一人暮らしを続けているが、以前は母と二人暮らしだった。 中学生の時に父を亡くし、程なく兄が大学進学をしてからの4年間のことである。 一人暮らし期間の方が長くなった今、二人で過ごした時間は僅かであったことに気付かされる。 思春期真っ只中の私と母の二人暮らしは衝突の連続だったと思う。 心ない言葉で幾度となく傷つけたのはいつも私で、一方的にぶつかっていったというのが正しいのだろうが。 それでも不思議なもので兄と三人暮らしの時の方が私と母の折り合いは悪かった。 ど

          マルちゃん焼そば 3人前

          柳亭市馬の「妾馬」を聴く(2021/5/17)

          仕事においてお上の一言で決まってしまうことは多々あります。 課員は反対していても課長の意見でシステムが導入されたり、社長の方針で在宅勤務をしないことが決まったりと、大抵は碌なことにならない印象。 もちろんリーダーシップを発揮して解決の判断を即座に下すなんてこともありますが。 そんな良い方向へ向かう一声は大歓迎です。 落語「妾馬」 長屋を通りがかったお大名様に見初められ側室に迎えられるお鶴。このお鶴がお世継ぎを産み一躍出世する。お鶴には傍若無人な兄の八五郎がいるのだが、お鶴た

          柳亭市馬の「妾馬」を聴く(2021/5/17)

          【日記】生きづらさとか脱獄とか(2021/5/16)

          今日はとても良い日。 小説を2冊読んで、今週の晩ご飯用のおかずを作って、散歩して、ウルトラセブンを観たから。 小説は『こちらあみ子』と『推し、燃ゆ』 前者は映画『花束みたいな恋をした』に触発されて、後者は話題につられて(どちらも今更感は否めないけど)。 『こちらあみ子』 中短編3作からなるこの本、全編通してヒリヒリする。 表題作「こちらあみ子」のあみ子は自分の愛に正直に生きているだけなのに周りから白い目で見られ”家族”や”社会”から孤立する。 「ピクニック」の七瀬さんは本

          【日記】生きづらさとか脱獄とか(2021/5/16)

          【日記】下手の横好き(2021/5/15)

          人と会った後、あの話はこう伝えた方が面白かったかなと反省会をします。 主にシャワーで頭を洗い流している時に。 この反省会をその後に活かせればいいんですが、何度も同じ話をする機会がそうある訳でもなく、それで食っている訳でもないから一過性で終わることがほとんどです(物事を共通化・一般化することも苦手なもんで)。 下手の横好きというのは「話す」ということにもあるようで、人と会って話すことが好きでも上手ではない。 もしかしたら追求するほどには話すことは好きではないのかもしれませんが。

          【日記】下手の横好き(2021/5/15)

          自分に酔うことが無い。なんて無いのかもしれない。

          自分に酔うことってそんなに無い。 仕事において先輩や上司に自分の計画を伝えるとき、私は基本的には自信を持てていないので必死に虚勢を張る。 少なくともプレゼン中に、自分に酔っている、と感じることはない。 今この文章を書いている時だってそうだ。 未熟さを自覚し、多くの人に読まれている訳では無いことは理解しているので、書くことは好きではあるが、書いていて気持ち良いということは無い。 しかし、だ。 ちょっと立ち止まって考えてみると、そういう自分に酔ってはいないだろうか。 めちゃ

          自分に酔うことが無い。なんて無いのかもしれない。

          かなり雑多な、好きの上澄を掬った、日記のようなもの

          映画昨年は身体的にも精神的にも疲れが溜まって、例年に比べて映画館に行く回数が減った。 今年はたくさん映画を観るぞと思っていた矢先の「緊急事態宣言」。 どうするか、どうすべきか、何てことも考えながら、それでも映画館には行きたいのです。 今年一発目に観た『佐々木、イン、マイマイン』がめちゃくちゃ面白かったので、ちゃんとまとめる。 NFLNHKBS頼りの視聴環境のため、本国での試合はとっくに終わっている(はず)だが、プレーオフのワイルドカードはまだ6試合中3試合の放送が終わったと

          かなり雑多な、好きの上澄を掬った、日記のようなもの

          古さは皆無!最高のエンタメ映画『太陽を盗んだ男』

          とてつもなく面白い映画に出会った。 2017年発売の「映画秘宝EX 究極決定版 映画秘宝オールタイム・ベスト10」の第6位に選ばれた時から観よう観ようと思っていた『太陽を盗んだ男』(1979年公開)である。 昨年からNETFLIXで配信が開始されたこともあり、ようやく観るに至った。 ツッコミどころはありつつも、それらを意に介さない出来栄えに度肝を抜かれた。 https://www.netflix.com/title/81318400?s=a&trkid=13747225&t

          古さは皆無!最高のエンタメ映画『太陽を盗んだ男』

          喪中につき

          私は今日から仕事はじめ。 片道約1時間のちっとも嬉しくない旅路。 職場では新年の挨拶を。 メールの文面にもつけたりして。 喪中につき”極力”あけましておめでとうは言わないように。 極力というのが自分らしい。 相手にむける言葉だもの、おめでとうでもいいじゃない。 おめでとう自粛ムード。 だからといって決して相手に遠慮して欲しいとかそういうことはちっとも思わなくて。 そっちの事情なんて知らないし。 ですよね。 あけましておめでとうを控えないとと思うたびに祖父のことを思い出し

          短き映画感想文その2『AWAKE』

          元奨励会の大学生プログラマが将棋AI「AWAKE」を作り、かつてのライバルで現プロ棋士と戦う映画、『AWAKE』。 あらすじだけ読めばよくあるライバルとの対戦ものである。 が、そうさせないのが主演の吉沢亮とライバル役の若葉竜也の演技力だ。 プログラマと棋士の孤独ゆえの強さ、そして、対局におけるそれぞれの大きな決断に根拠を感じさせる。 終局の2人の表情を見るだけでもこの映画の価値は間違いなくある。 しかし、キネマ旬報1月上・下旬合併号において佐野亨も指摘しているように、「定

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          NFLポストシーズン ー不屈の男、フィリップ・リバースに期待ー

          NFLのポストシーズンに進む全14チームが確定した。 強いQBがいるチームは順当に勝ち残り、長年くすぶり続け遂に花開いたチームもいる。 ブリーズ、アーロン・ロジャース、ラッセル・ウィルソン、ブレイディ、マホームズ、ラマー・ジャクソン、ロスリスバーガー、アレン……スーパーボウルで見たいQBは数いれど、一番はフィリップ・リバース一択だ。 私が本格的にNFLを見始めた頃の雑誌に、殿堂入りは確実だがリングをまだ手に入れていないQBが2人紹介されたいた。 その1人がリバースだ(もう

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          フォッ!フォッ!エイティー!

          ウルトラマンシリーズを子どもの時にしか見ておらず、その後本などを漁ってもいない私でも何となく分かる。 ウルトラマン80(エイティー)は不遇な扱いを受けている。 ウルトラヒーロー勢揃いのポスターにもいないのだろうなと想像できてしまう。 鼻とかハイレグみたいな股とかヘルメット被っているみたいな頭とか、その見た目ゆえなのか。 そんなウルトラマン80に光をあてたのが、TBSラジオ「アフター6ジャンクション」である。 特撮・アクションすげーだけ言っていれば良かった80(何せ平成ガ

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          さようなら2020年 『DEATH TO 2020』

          NetFlix配信中の『DEATH TO 2020』。 Twitterにてこの番組の存在を知り、既に2020年にはさよならしていたのだけど、観てみることに。 2020年に起こった出来事ーそのほとんどがトランプと新型コロナとジョンソンなのだがーを、記者、歴史学者、政府の非公式広報官、科学者、YouTuber、一般人(一般とは何かを考えさせられるのだが)など様々な人物の視点から、ブラックコメディ調で振り返る。 1時間10分ということもあり、深く切り込むことなく、淡々とちゃかして

          さようなら2020年 『DEATH TO 2020』