『裸足の季節』を観てきました。

自立とか、自由とか、女である事とか、素直でいる事とか、最近よく考えるような事が、びっしり詰まっていて、妙に親近感を感じた。

無造作でどこか野性味を感じるロングヘアー、無防備に浮き出る体のライン、艶めかしさを感じずにはいられない視線…。ここまで「女性性」を前面に出した作品も稀かなあ。5人姉妹、綺麗だった。

原題は『MUSTANG』(野生の馬)なんですね。70年代の日本だったら「じゃじゃ馬」とか邦題が付きそう。

両親が10年前に亡くなり、祖母の家で暮らす5人姉妹の話。両親を小さい頃に亡くしている、という時点でどこかベースに暗いイメージを感じる。

そして、育ててくれている祖母と同じ家に暮らす叔父の、古い習慣と封建的な思想による「抑圧的な教育」は、観ている者の奥歯をギリギリさせる。

男子に肩車してもらって海で騎馬戦してたら、「男の首に性器をこすりつけてお楽しみだった」と近所の人のタレ込み。結果、家に閉じ込められることに。不埒なモノはすべて没収。パソコンもケータイも奪われているシーンで、( ああ、コレって今の時代の話なんだ…)と、心臓がきゅっとする。あげく処女検査までさせられる。文化や宗教の違いがあるかもしれない…と、一歩引いてみていたのだが、彼女たちはちゃんと傷ついていた。強く明るくみえて、とても弱い存在だった。

次から次へと押し付けられる「習慣」に、バカにしながら、抗いながらも、上の子から順番に徐々に迎合していく様は、悪い意味で「大人になる」ということの皮肉的な表現なのかもしれない。

傷ついたり、嫌だ、という感情があったのに、「仕方ない」「決まりだから」など大人の常識で、調教されていく。この家の大人の常識の中には叔父による性的虐待も含まれていた。昼間の姉妹がキラキラ輝いているだけ、闇の暗さが際立つ。

大人になるってなんだろう。

最後まで反抗していた末っ子のラーレが、唯一大きな行動に出たけれど、心底よかったね!とは思えなかった。このまま自分の信じる人に助けてもらえればいいけれど、あの習慣に捕らわれたままの姉妹はやがて、祖母と同じような大人になってしまうのではないだろうか、様々な心配がそのままだ。


5人の美人姉妹たちはみんな新人で、今作で演技初体験だそう。瑞々しさや危うさ、美しさに宿る不幸せさ、不完全さに、今しかできないような刹那さを感じ、世界中から称賛されているのに納得しました。


誰にも何も強制されていないような、いわゆる自由を得ている状況で、”素直でいること” ”ありのままであること” に対して、臆病になっている場合ではないな!!!!

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嬉しくてニコニコしちゃうよ。
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asami.m

映画レビュー

観た映画の感想。

コメント4件

予告編探して見てきました。最初ヴァージンスーサイズみたいかな・・と思ったけど違いますね~~。でも観たいです!
私も観る前は似てるのかな?と思いました!笑 トルコの古い思想がもやもやします〜!
まだまだ感想書けそうにないんですが、やっぱりおじさんの性的虐待ありましたよね?三女エージェに対して。何か見てモヤモヤした箇所があって、え?と思ったけど見間違いかなと思って。トルコもイスタンブルと田舎町では差があったりするんだろうなと思いましたが、今回みたいなクーデターとか起こると同じ時代にある国とも思えなくもなったり…とにかく思うところの多い映画でした。
3女と4女にもあったのかなあ…と。籠城のシーンで「全部警察に言ってやる」って言ってましたよね。あとシーツ気にしてたのも4女じゃなかったでしたっけ?3女? ホント胸糞悪いシーンでした。ホント色々おもいました。女性蔑視では片付けられない思想の違いですよね…。
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