英語弱者について思ったこと。

Netfilxで、話題の映画『Okja(オクジャ)』を観た。
(※大筋にはあまり関係ないけれど、多少のネタバレあり。)


ストーリーは「食肉」をテーマに扱った、「オクジャ可愛い!」「オクジャを助けてあげて!!」的な、生き物を食べる世界中の人の胸に響くモノで、短く要約すると「トトロが家畜でドナドナ」だ。

テーマとして新しさは?と問われると…あまり無いが、そこは鬼才と呼ばれるポン・ジュノ監督、アプローチの仕方や映像としての見どころはかなりあって、楽しめた。

メインテーマのレビューは、別の人にお任せするとして、私は、この作品の裏テーマと感じた「言葉の問題」について、書き留めておこうと思う。


オクジャが10年間預けられ飼育された環境は、韓国の山奥。主人公の少女ミジャは4歳から祖父とオクジャ暮らしている。文明とはかなり離れた状態で過ごしているのが、夕飯の魚を自分で捕ったり、叩いて映像の乱れを直すTVの存在だったりからよくわかる。両親を早くに亡くしており、教育も受けていない様子。祖父共々、言語は母国語のみで、英語が理解できない

そしてミジャは、ストーリーの要所要所で、英語がわからないということで、酷い扱いを受ける。一番酷いのは、嘘の通訳をされてしまうシーン。知性を持った生き物が、家族同然の生き物が、人間の食糧になる、というのも勿論、虚しさや苦しさという類の感情が湧くのだが、私はどっちかというと、英語がわからないということで悲運な目に合うほうに「ヒドイ…!!!」という気持ちが爆発した。

しかも、クズ通訳をした張本人から「英語を習えば、役に立つぞ」と、皮肉たっぷりの捨て台詞まで言われてしまう。(ちなみにそのクズ男をウォーキングデッドのグレン役でおなじみのスティーヴン・ユァンが演じている。グレンじゃなくても、クズ役でもカッコよかった♡好き♡)

ミジャは素直に「バカでもわかる英会話」という本を読んで勉強しながらアメリカ向かう。その本を読んでいるのをみたアメリカ人が「多少英語がわかるから、発言は慎重に。」と周囲に注意喚起する。

嘘の通訳という愚行は後に咎められるのだけど、その際のセリフ「正確に翻訳しろ」「翻訳は尊い」という台詞は、観賞者の印象に残るような工夫がなされている。

ここまで執拗に、英語が通じないという描写を入れる意図はなにか。

「英語を習えば、役に立つぞ」「翻訳は尊い」、このふたつのセリフは、監督からのメッセージなのではないだろうか。ふたつのセリフから以下のことが考えられる。

ひとつは、監督自身もアジア人で韓国人であることから、英語を使えない人が、グローバルな場において、いかに社会的弱者になるかということを、身近に見てきたのではないかということ。「英語がわからない=弱者」という図式があたりまえだぞ、と。


また、英語が通じないという事と対比して描かれていていて、おもしろいなぁ!うまいなぁ!と思ったのは、ミジャとオクジャのコミュニケーション

オクジャは豚なので、言葉を発しないのだが(たまに鳴く程度)、ミジャとオクジャの間には完璧なコミュニケーションが成り立っている。お互いの言葉を理解している、という点がふたり(一人と一匹)の絆をわかりやすく表現しており、同時に英語が通じない(言葉が通じない)人間関係の薄弱さを際立たせる。うまいよねぇ。


最初に述べたとおり、ここまで長々書いた点はメインの魅力ではないので、食肉問題、動物愛護問題、遺伝子組み換え問題、ジブリ大好き、お肉大好き、これらに興味がヒットする方は、NetflixへGO!!

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コメント2件

はじまして、気にっていた作品だったので概要がわかって参考になりました( *ˊᵕˋ)ドナドナですね~。
Natsukiさん☆コメントありがとうございます^ ^ 私の概要ズレてるかもなので、是非みてみてください〜!
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