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共感?なにそれ?おいしいの?

楽しみに待っていた『ELLE』というフランス映画を観た。

友達に、恋人に、家族に、同僚に、世間に、全世界の人々に…と、共感を求めて右往左往生きる昨今の人々に、唾を吐きかけるような衝撃作だった。

公開前から、主人公ミシェルを演じたフランス人女優「イザベル・ユペール」の演技が話題になっており、各映画賞で主演女優賞を獲得している。

イザベル・ユペール。64歳。希望の星でしかない。


物語は、ミシェルが覆面の男に白昼堂々と自宅でレイプされるシーンから始まる。痛々しく、生々しく…正直、観るに堪えない描写。

そこから、ミシェルという人物を説明するシーンが続くのだが、とにかく気が強い。それが故、敵も多い。プライベートも破天荒で、品行方正とはほど遠い女なのだ。既存の常識なんてものにはまったくハマらず、我が道を行く。

彼女が警察にすら助けを求めず、身近な誰からの共感も必要としないのには、幼少時代のある事件が理由で、それによって、父親、母親との関わり方においてまで、徹底的に「常識」から逸脱している。

しかし、それがミシェルなのだ。

「自由と自立」の背中合わせで、「孤高の強さ」がある。そのどちらも、彼女の場合、メーター振り切っている。

彼女は自由に、一人で犯人を捜す。そして、見つける。

犯人を見つけた後も、彼女は常識には囚われない。その後の犯人とのかかわり方は、考えや感情によって行動しているというよりも、誰にも説明できない、彼女独自の「感覚」によって行動しているように見えた。

それはまるで、豹のような。

我々のような共感をむさぼって生きている人間が、だらしなく太った「家猫」だとしたら、ミシェルはそんなご近所に紛れ込んだ「豹」のようなのである。同じネコ科なのに、その野生の感覚、ワカラナイ…!強すぎる…!コワイ…!!

その感覚、わけわかんないよ!コワイよ!と思いつつ、胸のすく思いで観終えた。それはきっと、性被害に遭った女性は、清く正しくあるもの、という謎の価値観を知らず知らず蔓延させている世の中に「うるせぇ!バカ!」と殴り込んだ点。もうひとつは、共感型の人間関係に「ソレ、マジで楽しいの?」と、失笑しながら踏み倒して行った点。この二つの価値観を提示されることによって、ますます強く生きる希望をみたのだと思う。


それにしても、イザベル・ユペールが、艶やかで、エロエロしくて、強すぎるのに、手を差し伸べたくなるような儚さも持っていて、魅力がスゴイ。

憧れる。あんな60代になりたい!痩せようううう!!!

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asami.m

映画と海外ドラマ、読書が好きです。結婚生活、育児生活についてたまに書きます。札幌市民。

映画レビュー

観た映画の感想。
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コメント2件

やっぱり麻美さんのレビュー読み直したら、あー、そうだった、そうだったと気づくことがたくさんあります。女豹という言葉はミシェルのためにありますね!
つぶまるさん☆いやいや、私もつぶまるさんのレビュー読んで、また改めてじっくりこの作品観たくなりましたよ。やっぱ、犯人分かってから…がこの作品の異質かつ魅力でしたね!
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