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ANGERME CONCERT 2023 BIG LOVE 竹内朱莉 FINAL LIVE「アンジュルムより愛をこめて」を見守りながら

ダブルアンコールが終わり、一度ステージから降りた竹内朱莉さんはすぐに再登場して会場をひとりで周って挨拶をしている。そこに注がれる無数の「ありがとう」という言葉。竹内朱莉さんから返ってくる「ありがとう」の言葉。10分、15分はかけて本当に丁寧に竹内朱莉さんは全ての観客に手を振って感謝を伝えていた。それは同時に全ての人が竹内朱莉さんに「ありがとう」と直接言える場になっていた。なんか、その光景が美しすぎて、尊すぎて、勝手に涙が溢れていた。

とにかく楽しかった。こんなにも卒業コンサート、特に推しの卒業で「寂しい」とか「悲しい」とかより「ただただ楽しい」という感情で溢れかえっていたのは、ひとえに竹内朱莉という人の明るさとメンバーから感じるアンジュルム愛と会場全体の祝福の想いによる奇跡だと思う。

楽しいけど泣ける。泣いてるけど笑ってしまってる。

横アリの空間には湿っぽさは1ミリもなく、前向きでポジティブな空気に最初から最後まで包まれていた。

ハロステで当日の模様が公開された。開演前の円陣、『マナーモード』、『行かなくちゃ』、最後の挨拶、『夏将軍』、終演後のコメントとこれだけ観ても竹内朱莉さんの卒業コンサートがどれだけ素敵な光景の連続だったかが分かる。

感動ポイントは山ほどあった。竹内朱莉さんが直談判して、つんく♂さんが書き下ろした『同窓生』は、アンジュルムの卒業公演の定番となった『交差点』からの流れで披露された。

『交差点』では、毎回泣いてしまい過去一度も自分のパートを歌えたことがなかった竹内朱莉さんが、頑張って歌い上げているメンバーたちに向かって本当に慈愛に満ち溢れた笑顔で「がんばれ!」と応援している様子が、たまらなく愛おしくて感動した。今までの『交差点』の竹内さんパートを竹内さん本人が「一番特別に想っているメンバー」という橋迫鈴ちゃんが笑顔で歌い上げた瞬間、「なんだよこの継承、美しすぎだろ」と僕はブワッて泣いていた。ずっと笑顔を保っていた竹内さんが、最後の最後で歌えなくなって号泣してしまった橋迫鈴ちゃんに気づき、釣られて号泣してしまう光景に「あ、もうダメだ」と涙滂沱として禁ぜず、だった。

『交差点』って、ほんと卑怯な曲。「人生の大きな交差点」ってフレーズがほんとダメ。中島卓偉、天才。

で、ちょっぴりしんみりしてしまった僕らに『同窓生』は追い打ちをかける曲になるのかと思いきや、まさかの満面の笑顔を与えてくれる曲になった。

竹内の卒業後も、 アンジュルムのメンバー間はもちろん、ファンのみなさんとの 信頼の誓いの曲、といった、そんな曲になればいいな〜って思っています。

アンジュルム 6/14発売 Sg「同窓生」セルフライナーノーツ

つんく♂さんもライナーノーツで書かれているように、横アリの外周を笑顔で歌いながら行進するアンジュルムからは「信頼、愛情、決意」が満ち溢れていて、そんなアンジュルムを観ていると僕らも自然と笑顔になる。まさに自然の摂理であり、まさに人生、すなわちパンタ・レイのごとく「転がって、移ろって、彩る。嘆くなかれ、変わらぬハート。ココにあるでしょう?」と竹内朱莉が去ってもアンジュルムは在り続けることを体現してくれていた。

中島卓偉の『交差点』から、つんく♂の『同窓生』の流れは見事なアンサーになっていた。全く違う時期に書かれた曲ではあるけれど、中島卓偉とつんく♂の関係性も含めて見事なコントラストになっていた。

そして竹内朱莉体制のアンジュルムを語る上で欠かせない存在となったシンガーソングライター堂島孝平さんが渾身の想いを込めて作った、この日の為に用意された『行かなくちゃ』には、ただただ圧倒された。

まだ楽曲が公開される前だったか、堂島孝平さんが「曲を作りながら泣いて、編曲の炭竈さんもアレンジしながら泣いて、出来た曲を聴きながらディレクターたいせいさんも泣いたと連絡あった」と言っていた。レコーディング時に竹内さん本人も「キーが高めだから下げるかどうかを検討したけど、楽に歌える状態だと泣いてしまうから出来るだけ高めのキーにした」という逸話を聞いた。

初公開された曲を聴いて、僕も「あ、これはダメなヤツだ」と即理解した。冒頭の歌詞から、いきなりヲタクを打ん殴りに来ていた。

あの日の私に 今見せてあげたい
この目に映る景色を

満員の横浜アリーナ。一面には青いペンライトの海。

想像しただけで泣くわ、と曲を聴いた時に全ヲタクが思ったであろう。だが、横アリで『行かなくちゃ』が披露された時、僕は想像していた「泣いちゃう!」的な感情より、「僕の推しはとんでもなく歌が上手い!」という興奮が勝ってしまった。

あらためてハロステの『行かなくちゃ』映像を時間指定して貼ったが、とにかく本当に歌が上手い。「口から音源」とはよく言うが、これぞ正真正銘の「口から音源」状態だった。横アリのセンターA2の5列目という、とんでもない良席を自引きした僕は、目の前で歌う竹内朱莉さんの姿に釘付けだった。本当に、本当に、僕の推しは出会った頃からずっと歌が上手い人だった。そして歌だけじゃなく、踊っても無敵で、書道の正師範にもなって、トークも出来て、本当に本当に竹内朱莉は最強のアイドルなんだと最後の最後にこれ以上ないくらい思い知らされて、ただただ呆然と観ていた。

だから、最後の挨拶で竹内さんから「これからも歌います!踊ります!ステージに戻ってきます!」という言葉を聞けて、これっきり歌う姿は観れないかもと思っていた気持ちが吹き飛んで、嬉しくて嬉しくて仕方なかった。

僕の推しはこれからも最強だし、そんな最強な竹内朱莉の残したアンジュルムというグループはこれからも最強を更新してくれるはずだと勝手に確信している。

竹内朱莉さんがリーダーに就任してから、立て続けにメンバーの卒業があって、僕もこんなnoteを書いたことがあった。本当に今後大丈夫なんだろうか?と心配していた。

でも、それでも踏ん張ってグループを立て直して初代アンジュルム以上に完璧な二代目アンジュルムを創り上げた竹内朱莉さん。僕は彼女がリーダー就任当時、こんなnoteも書いている。

アンジュルムという素晴らしいグループが未来に向けて続いていく為に、そこに和田彩花の威光が邪魔ならばブチ壊す強さを。

「やりたいようにやれば良い」

和田彩花自身も、ことある毎に言っていた。礎を築き、未来の三代目へ絆ぐバトンを渡す事が二代目リーダーへ託された想いなんじゃないだろうか。

徳川秀忠に学ぶアンジュルム二代目リーダー竹内朱莉の歩き方

文字通り竹内朱莉さんは和田彩花さんの色をブチ壊して自分色のアンジュルムを創り上げたのだ。そして卒業コンサートの一曲目は、何の因果か中島卓偉によるアルバム曲『ぶっ壊したい』だった。

そして竹内朱莉さんもまた和田彩花さんと同じように次のリーダーである上國料萌衣さんに「ぶっ壊して好きにしたらいい」と言い残した。

マンネリとは停滞であり、予定調和だ。長く続けるとどうしても保守的になってしまうハロプロにあって、アンジュルムは日々進化して、「変わること」を良しとしつつ、でも「変わらないもの」も根底には持ち続けてきた。

かみこ体制の第三期アンジュルムは、新リーダー同様に優しさのなかに揺るがない情熱を秘めたグループになっていくことだろう。これから加わる新メンバー二人も、とても個性的で将来性のあるクセ強めな子たちが選ばれた。

絶大な影響力を持った竹内朱莉体制の色をぶっ壊すのは大変なことだとは思うが、かみこの両脇には信じられないくらい強い同志が居て、かみこの後ろには自分のチカラで歩ける強さを持った後輩たちがいる。ひとりではなく、これからはアンジュルム全体で新リーダーを支え、新リーダーは安心して先頭に立ってエースとして君臨していくようなグループになっていくのだろうし、もしかしたら想像以上のモンスターに進化する可能性すら秘めている。

ダブルアンコール後に広い広い横浜アリーナを一周する竹内朱莉さんの晴れやかな笑顔を観ながら、僕はこれからも竹内朱莉さんとアンジュルムを応援しようと心から思った。

こんな最強なアイドルを見守れる人生で良かった。


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