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アンジュルムヲタ的視点で観た『ひなフェス2023』の所感

ひなフェスの会場に行くのは何年ぶりだろうか。去年末からそれじゃなくても仕事が忙しくて冬のコンサートも全て行けず、まともにハロプロを追えていない状態のまま我が推しであるアンジュルムリーダー竹内朱莉さんの卒業に関するnoteも書けていない状態でした。で、まあ仕事も落ち着いてきて、なによりもハロプロを摂取しないと「心がジリジリしてるの・・・」となってきたので楽しみで仕方なかったです。

結果、ひなフェス前に立ち寄ったカーボンニュートラルを考える会場で、僕は何故か川村文乃さんによるマグロの解体ショーを観ながら伊勢志摩ブースで笑顔の川名凜ちゃんから“あおさ”を買っていました。全く買うつもりなかったのに、気付いたら川名凜ちゃんから受け取っていて、隣にいた伊勢鈴蘭さんとは緊張して目も合わせられずに為永幸音ちゃんと平山遊季ちゃんとは苦笑いでペコペコして立ち去るという、なんとも無様な有様でした。

あの空間、ほんと恐ろしいね。イルカの絵を売ってる(いまの居るのか?)お姉さんには全く引っかからないのに、あおさを売ってるアンジュルムには何の躊躇もなく財布を開いてしまう。

しかし、そもそもで接触イベントにはほとんど行かない(何喋ったら良いのか分からない)から、さとやまさとうみイベントの降臨は普段より会話時間も長く粘れることなんてスッカリ忘れていたし、よしんば粘ったとして、じゃあ何を話すんだい?ということになるのでホントみんなよく接触イベントを満喫できているものだと感心してしまう。

あおさは美味しくいただいています。味噌汁に入れると超美味い。

さて、カーボンニュートラルについて考える余裕なんてないくらい頭がおかしくなる空間から抜け出さないと帰る頃には両手に米を抱えていそうだったので、川村文乃さんプロデュースの「みんなの半島マグロカレー」だけ里吉うたのさんから購入(「うーたん、かわいい」なんて思いながら)して、ひなフェス会場へ向かうことにしました。

アンジュルムは『ぶっ壊したい』

僕が入ったのは(当然)アンジュルム&つばきファクトリープレミアム。ずっとこの二組で回っていたツアーも行けなかったので、形は変われど最後に入れてよかった。

ということで、まずはアンジュルムの全体的な感想から。

ちょうど新アルバムが出たばかりだったので、アルバム曲は歌うだろうと思っていたけど初手から『ぶっ壊したい』スタートだった。全然まだ聴きこんでいなかったしライブでも初見だったのだが、さすがの中島卓偉曲。単体では面白味は無いのだけれどシンプルにライブ映えする。

アンジュルムは竹内朱莉体制の集大成としてのアルバムを引っ提げて最後のツアーとGWのJAPAN JAMへと突っ走っている段階なのだけど、全然現状に満足していないんだな、というか安定してきた竹内朱莉体制すら『ぶっ壊したい』という意気込みでメンバー含めて先を見始めているように感じさせられた。もはや竹内朱莉のチカラを借りずとも独り立ちしている若い子たちの姿を至近距離で観て、感じて、なんと頼もしいグループなんだろうと改めて思わせられた。

とうとう解禁される「声出し」JAPAN JAMの初日トップバッターとして登場したアンジュルムが1曲目に『ぶっ壊したい』からスタートして、いろんな価値観や既成概念をぶっ壊してくれそうで、そんな姿を僕らは一緒になって「ぶっ壊したい!」と叫びながら声援を送れるんだと思うと今からもう泣きそう。

アンジュルム&つばきプレミアムのラスト全体曲はスマイレージ『旅立ちの春が来た』だった。

完全につばきファクトリーを卒業していく浅倉樹々さんへ向けてハロプロ全体で盛り上げていくんだというのを感じさせてくれる粋な選曲に、こちらは不意を突かれてイントロの瞬間に涙腺が崩壊しそうになった。

そして最後の「心配いらないよ 大きくなってくるよ」で浅倉樹々さんを両サイドから譜久村聖&竹内朱莉で挟んで歌うという演出が最高だった。目の前で泣きそうになりながら笑ってる浅倉さん観たらダメだった。ブワッと僕の涙腺ぶっ壊れた。

そうか、こういう伏線だったのか。

安定の上國料萌衣と#しおんぬ大暴れ

2日目のシャッフルコーナーのソロでかみこが登場した。思えば2017年のひなフェスで、かみこがあややの『LOVE涙色』を歌った時から彼女の快進撃ははじまった。クリスタルボイスという異名を手にして今やハロプロでもNO.1の外部仕事を誇るエースである。

個人的には6年経って『LOVE涙色』ふたたび、を期待していたのだが選曲は同じ松浦亜弥の『奇跡の香りダンス。』だった。どうやら、かみこ自身も『LOVE涙色』を候補にしていたみたいだけど、なんか実現したらかみこも卒業するのかな?って感じになってしまうから、そこは空気読んで選曲したんだろうな。

「とにかく難しい」で有名な松浦亜弥曲を難なくサラッと歌ってしまうから違和感なさすぎるし耳心地も良いからサラっと聴けてしまって、その本質的な凄さにヲタクは気付けていないんじゃないかと思ってしまうくらい見事なソロ歌手・上國料萌衣だった。

もうひとり、アンジュルムではっちゃけていたのが為永幸音。

シャッフルでの『Independent Girl~独立女子であるために』をビヨのふたりとパワフルに歌いきり、Juice=Juice&BEYOOOOONDS プレミアムでの『恋愛奉行』カバーでは高瀬くるみパートの恋愛奉行役を完璧にこなして「あれ?この曲って元々アンジュルムの曲だっけ?」と思わせてくれるほどだった。ほんと憑依系のパフォーマンスさせると天下一品よね。素晴らしかったです。

魔性の田代すみれに会いましょう

OCHA NORMAはアンジュルムのOAにも出演しているから生でも観ているのだが、今回のひなフェスは席がステージから近かったので彼女たちを何時もより近くで観れた。あと、なんか『恋のクラウチングスタート』が、あらためて良い曲だなと感動した。

でね、まあ、やはりオチャは田代すみれちゃんに目を惹かれるのです。普通に歩いて愛想を振りまいているだけで成立する、道重さゆみイズムとでもいうのでしょうか。本人もさゆのこと好きだもんね。“ヲタは推しに似る”を体現しているような子だと思う。

本当にこの子と北原ももちゃんは早めに外部に発見してもらいたい。さっさと見つかってモデル仕事を沢山してOCHA NORMAをお茶の間に届けてほしい。彼女たちなら出来ると思うのだ。僕は確信したよ。ありゃ凄い存在感ですわ。

マジはやく見つかれ。

数学嫌いが旅人算で感動させられる

BEYOOOOONDSは、すごいグループですね。本当に個性的なメンバーで構成されながらも絶妙なバランスがあって、だからこそ、このバランスが永遠に続くのかどうか、事務所的にも今後の展開が悩ましいグループだと思う。

新曲『求めよ…運命の旅人算』は、作詞が御馴染み児玉雨子さん。僕は昔から算数、数学が大嫌いだったから「旅人算」なんて言葉すっかり忘れてた。

「旅人算」は算数の文章問題だけど「ある二人が出会う(追いつく)までの時間」を求めるものだから、そこから人生における出会いを表現していって人間讃歌にまで昇華させてしまうんだから児玉雨子、天才だわと感嘆するばかり。また、そんな世界観を見事に表現してしまうビヨが凄い。

MVで観てても無性に感動するんだけど、ライブで聴くと何倍もエモさが膨らむものでした。特に終盤の

この世界は 正解のほうが少ない
誰しもが間違いながら 今 ここにいるんだ
花丸だ 花丸なんだ

からの展開がミュージカルの大団円みたいで泣きそうになる。モーニング娘。の『I WISH』に繋がるような、ハロプロの大前提として存在する「人生って素晴らしい」という価値観が令和の時代にも受け継がれていて続いているって思えてハロヲタは脊髄反射のように感動してしまうんだと思うのだ。

松永里愛こそが次のエース候補筆頭

去年のJuice=Juiceを例えると(サッカー好きじゃないと分からないが)「主力が抜けて再構築を余儀なくされている今年の川崎フロンターレのような不安定さ」という印象だった。アンジュルムにも同じ時期があったけど、Juiceは曲自体の難易度の高さも相まって、より「若手の成長待ちだなぁ」「ちょっと弱くなったなぁ」と感じていた。

だが、これは僕の認識が間違っていたようでした。

思えばJuiceは偉大な先輩たちが抜けたパートを積極的に若手に回して、不完全であっても任せることでメンバー個人個人の自覚と成長を促していた。そりゃ慣れないうちはミスもする。でも、それを良しとして任せていくことが大切なんだと思うし、元来ハロプロってそういうモノだ。できなかったことが少しずつできるようになる過程を見守ることこそ醍醐味なんだと今回Juiceを観てあらためて思った。

なかでも松永里愛&工藤由愛のふたりの成長。特にタコちゃんこと工藤由愛ちゃんの歌唱スキルが爆上がりしているのに衝撃を受けた。けっこうキーを外したり声が裏返ったりすること多い印象だったんだけど、そんなの全く感じさせず、フェイクなんかも完璧に自分のものにしていた。うまいなと思ったらタコちゃんだったパートが何個かあったくらい、驚きの成長だった。

輪をかけて凄かったのが松永里愛ちゃん。

アンジュつばきプレミアムのシャッフルでソロを引き当てて『記憶の迷路』を歌ったんだが、もう「圧巻」としか形容しがたいものだった。なんだあれは?あの子まだ17歳でしょ?エゲツないパフォーマンスだったと思う。とにかく歩くだけで、ポーズ取るだけで、目線を送るだけでフェロモンが会場にフワッと漂うようで、最前列で見上げてた人たちはクラクラと眩暈したんじゃないだろうか?

つい先日、まーちゃんとOne on Oneで『ジェラシー ジェラシー』をカバーしていたけれど、話でも歌でもなく二人がリズムで会話しているという異次元の映像が公開された。あの佐藤優樹のリズムに違和感なく入っていける17歳ってバケモノだと思う。

Juiceのエースが段原瑠々ちゃんであることに異存はないだろうが、ひなフェスで観た松永里愛ちゃんは気を抜くと瑠々ちゃんすら圧倒しそうなオーラを放っていた。

松永里愛ちゃんだけじゃない。まだまだおぼつかなかった江端妃咲ちゃんもソロで堂々たるパフォーマンスを披露していた。Juiceも若い子たちが育っていた。いや、育っていたなんてもんじゃない。完全にグループの中心として機能していることに驚愕してしまいました。

そして最後に入江里咲ちゃん。

思い返せば去年のひなフェスでも当時の新メンバーだった入江里咲ちゃんのことを僕は褒めている。オーディションからの加入であれだけ歌えてたら今後はグングン伸びるだろうなとは思っていたけど、彼女の成長速度にも度肝を抜かれました。

2日目のシャッフルコーナーは直前にかみこの圧倒的な『奇跡の香りダンス。』が披露されており、もう今日のMVPはかみこかと油断していたところに流れたイントロ。

れいれいが解散したこぶしファクトリーの曲を歌うのか!しかも『明日テンキになあれ』じゃん!

ビックリした。

封印していたわけではないだろうけど、なかなか公の場で歌わなかったこぶし曲をこのタイミングで井上れいれいが歌うことの意味とそこに食らいついていくJuiceの後輩、入江里咲の根性が大感動だった。本当に今年のひなフェスベストアクトはこの二人でした。

Juice=Juiceの新時代が幕を開けていましたわ。

モーニングの明日はどっちだ?

今回、一番特出すべき点がなかったのがモーニング娘。'23なんじゃないか。去年も卒業と加入はあったのだけど、いまだ停滞感を外からは感じてしまう。どうしてもアンジュルムやJuice=Juice、つばきファクトリーと比べてしまうと相対的にメンバー入れ替えによる効果が薄い印象になってしまっている。それを「安定感」といえば聞こえは良いのだが、正直なところモーニング娘。を追いかけている人たちはどう思っているのだろう。

これを突き詰めると9期10期11期問題へと安易に向かってしまいそうだが、別にベテランがいることが悪いとは僕は思わない。むしろ安定したベテラン陣が居るからこそ若い子たちがチャレンジできる環境だと思う。

結局、事務所次第なんじゃないだろうか。アンジュルムやJuice、つばきでは出来ていることがモーニングで出来ないわけがないのだ。たしかに新曲ごとに少しずつ12期以降がパートを担うようにはなってきている。でも定番曲になると……アンジュルムが今回しきりに『ぶっ壊したい』と叫んでいたが、モーニングこそ現状打破が必要だろう。

そんななかで光っていたのが15期だった。特に北川莉央ちゃん。Juice=Juiceの『Va-Va-Voom』をカバーした時の落ちサビ

もう左右されないくらい
スピード上げていいじゃない
行きたいとずっと願った場所まで

の自信に満ち溢れたソロには思わず唸った。そうなんだよ。全然、彼女たちは出来るんだよ。なのにそれをさせないのは彼女たちのアイドル人生にとって物凄い勿体ない時間になってしまっている。願うことならこの歌詞のように大人の思惑に左右されないくらいスピードを上げて成長を見せつけられる機会を増やしてもらいたいし、それが彼女たち自身の願いでもあるんじゃないだろうか。

新たな椿が咲き誇る

浅倉樹々というエースでセンターが卒業するというのは、数年前のつばきにとっては致命的な問題になっていただろう。

だが、いまのつばきに未来への不安など存在しない。

リトルキャメリアンと呼ばれる河西結心ちゃん、八木栞ちゃん、福田真琳ちゃん、豫風瑠乃ちゃんの加入による新陳代謝には目を見張るものがある。それは単にヲタクが若い子に目が移るという短絡的なことではなく、有能で純粋な若手が入ってきたことで先輩になったメンバーが自覚を持って行動をしはじめたことが大きい。

なんて、書こうと思っていたら例の件が発覚したので、少し出鼻をくじかれてしまった格好ではあるが、まあ、あれも含めて学びとして活かしていって欲しいと思っている。「好事魔多し」とはよく言ったもので、今までなかなか上手くいかなかったグループに勢いが出てきたことで油断したんだと思う。でもね、もし「つばきは清純じゃなきゃ」なんて気持ち悪い感情で批判している人がいたら、それは価値観の押しつけになるから止めたほうがいい。

むしろ最近のつばきの楽曲含めて、方向性は変わってきていると思うのだ。

去年の個人的ハロプロ楽曲大賞1位の『弱さじゃないよ、恋は』にしても『アドレナリン・ダメ』にしても新曲『間違いじゃない 泣いたりしない』にしても、ただただ「か弱い少女」というのではなく「今はまだ弱いかもしれないけど、私は強くなるんだ」という明確に大人の女性への成長を歌うメッセージが込められた曲が増えてきている。

どうにも「椿」の花言葉のイメージで「控えめな優しさ」とか「謙虚な美徳」みたいな印象を持たれてしまっているグループだが、もともと外国の花言葉では「情熱」なんてイメージのが強かったりする。

有名なオペラ『椿姫』に由来して「罪を犯す女」なんて花言葉まであるくらい、椿の花には表裏があるのだし、それこそがまさに人間の本質なんじゃないだろうか。今までのつばきファクトリーは表面的な可憐さだけを表現してきたが、これからのつばきは「一見、清楚でありながらも心の奥にある情念」を表現していくようなグループになっていくと思うのだ。

そしてその象徴として君臨するのが福田真琳なんだと思う。

新曲『間違いじゃない 泣いたりしない』で任された英語パートの素晴らしさ、ひなフェスで生で観たけど彼女の表現力は半端なかった。

特に「everybody listen!」の時の「listen!」で苦しそうに目を閉じながら下唇を噛みしめて叫ぶ感じ、めちゃめちゃ良いです。今までのライブ映像だと長い髪が顔に掛かってしまっていて表情が見えづらかったけど、今回のひなフェスでは歌っている時の表情がよく分かるスタイリングになっていて、「listen!」の時の良い表情を存分に堪能することが出来た。

僕はあの表情を観る為だけに今からBlu-ray買うことは決定している。

エースの浅倉樹々さんは卒業したけど、なんの心配もなく今後のつばきを観ていける。ちょっとしたスキャンダルが出たところで「だからなに?」と一蹴できるような強いつばきになっていくと確信している。

とりあえず4月11日時点では事務所としてもお咎めなしで進めている感じなので、マジで「だからなに?」で圧し通してくれていい。そして全部ひっくるめて椿という花を愛でる気持ちをハロヲタには持ってほしい。

最後に浅倉樹々さん、本当にお疲れ様でした。

つばきデビュー前からエースとして常に重圧と戦ってきたと思います。自身の怪我で思うような活動が出来なかった時期も悔しくてしかたなかったと思います。小片リサさんの脱退という困難にも、エース浅倉さんが居たからつばきは何とか踏ん張れたと思います。

これからは動物愛護、ペットケアの道へと進まれるということで、僕も猫に飼われている身として浅倉さんの想いや理念にはとても共感を抱いています。近い将来、浅倉さんが立ち上げるかもしれないプロジェクトを楽しみに待って、その時は全面的に支援もしたいと今から楽しみにしています。

そして、たまにみんなの前に出てきて歌ってくれたらヲタクはそれだけで喜ぶ生き物だと思うので、これからの活躍も期待して待っています。

本当にお疲れ様でした。最後までロックな浅倉さん、最高でした。

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