見出し画像

奇想の系譜展に行った 2019年3月

やっとこの展示の記録ができる!
もう終わっちゃっているんですが、展示の前期後期2回行くくらい、好きな展示でした。
まあまず『奇想』に惹かれたし、国芳も好きだったので行くしかないよね!ということで東京都美術館へ。
この時まだ寒かったな…2回目は4月だったので桜が綺麗だった思い出。
この展示はもともと、辻惟雄氏の著作「奇想の系譜」の波紋がじわっとひろがり、辻氏の教え子である山下裕二氏監修のもと平成最後に展示会になったという感じでしょうか。
展示内容は、岩佐又兵衛、狩野山雪、伊藤若冲、  曽我蕭白、長沢芦雪、歌川国芳、白隠慧鶴、鈴木其一の8人。
えぐい絵や写真が好きなので、岩佐又兵衛と国芳が目当てでした。もちろん、どちらも良かったんだけど、なぜか一番惹かれたのは、白隠慧鶴の『南無地獄大菩薩』。

絵でもないし!!
圧倒されたし、生々しい書でした。意味は「南無」が敬意を表すようで、つまり白隠は「地獄大菩薩」に敬意を表しているのですが、そもそも「地獄大菩薩」は白隠以外に書いてる例はないっぽい。
「地獄」と「大菩薩」なんて真逆のような感じなんだけど、そこが一緒になってることの違和感と、その迫力。私は相対立すると言われるもの、例えば、美しさと醜さなんかは、分断されているとは感じていない。続いているというか、混ざっているというか…
それと同じで「地獄」も「大菩薩」私には混ざっているもののように感じる。だからそれがどうしてひかれるのか?の理由にはなっていないんだけど、混沌というか、分かりづらく、ごくんと、喉を通っていかない感じが良いのだと思う。
1700年代の人ですが、リアル。
他の絵も独特で良かったです。
他、みんな良かったんだけど、やはり岩佐又兵衛も好みでしたね。『山中常盤物語絵巻』の常盤(源義経の母)の殺害現場がえぐい。ただ、ここの展示めっちゃ混んでてゆっくり見られなかったんですよね。なので図録で存分にみました。
ほんと、図録も辻氏と山下氏の対談もあって、とても充実してました。図録以外はグッズはあまり買わない派ですが、この時は飴細工アメシンさんの曽我蕭白の飴(食べづらい…)と鈴木其一の『貝図』(貝がリアル)の刺繍のハンカチを買ってしまいました。いやーほんとよかった。2019年のベスト。またこういうテイストの、見たいな。

https://www.tobikan.jp/exhibition/2018_kisounokeifu.html

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?