NEW GAME!の作者再始動、最高の第一巻。「IDOL×IDOL STORY!」1巻感想

忙しい人向けのコーナー

「NEW GAME!」作者の新作!
一度挫折した主人公がアイドルオーディションでもう一度夢を目指す
主人公はまじめ努力家性格天使!(みんな好きでしょこんな子!!)
主人公のことが大好きな後輩アイドルと助け合い競い合う関係性も美しい!
読んでいて幸せになる作品、超おすすめです!

じっくり語るコーナー

突然ですが、私(ポ全)はこの日をずっと待ち望んでいました。
そう、名作「NEW GAME!」作者、得能正太郎先生の新作です。新作!!!

「NEW GAME!」の魅力はまた別の記事で語るとして、今回は新作「IDOL x IDOL STORY! 1巻」の感想です。

この作品は(現状)アイドルの成長物語です。アイドル作品というジャンルではこれまで数多の作品が生み出され、終了してきました。漫画やアニメが好きな方々の中には、アイドルマスターやラブライブとともに育った方々も多いのではないでしょうか?

この作品もそんなアイドル作品の一つではありますが、昨今の現実のアイドル分野の様子を反映してか、過去のアイドル作品とは少し毛色が異なります。すこし現実側をのぞいてみましょう。

近年、現実のアイドル業界では、アイドルオーディション番組が人気です。アイドルオーディション番組とは、デビュー済みのアイドルを扱うのではなく、アイドルの卵である候補生たちが競争し、切磋琢磨する様子を扱うエンターテイメントです。私も全て追っているわけではないのですが、周りの会話からその概要は知ることができるほどに影響力を増しており、その存在感を感じています。

アイドルオーディションを扱ったり、アイドル作品の一部でその要素を取り入れた作品は以前にも「15分の少女たち -アイドルのつくりかた-」(かっぴー, 戸井理恵)などがあり、日本の二次元業界にも広まっているのをひしひしと感じます。

そんな中発表されたIDOLxIDOL STORY! 第1巻では、主人公がアイドルオーディション "スーパースターシッププロジェクト" に参加するお話を描きます。

真面目な努力家である主人公は、以前アイドルをやっていました。しかし周囲との温度が合わず一度挫折してしまいます。物語開始時点では推しアイドルを追いかける消費側の生活をしていますが、自分の過去を知る登場人物との出会いがきっかけとなり、もう一度アイドルを目指します。

さて、概要はこのあたりにして、感想を話しましょう。

読んでいてまず感じることですが、主人公の性格がいい。努力家で、最高にいい子です。一度挫折はしたものの、それはそれで仕方がないと過去を恨むこともせず、今に目を向けています。自分の不得意な部分を見つめ、「もうあんな後悔したくない」(P82)と言える強さ。同様の境遇で支えあう相手への「私は絶対逃げないよ」(P83)という宣言。心をわしづかみにされました。(この子がもう一度心折れるときはどんな時か?と思いを馳せるのも一興ですね)

作者の関係性の表現力も健在です。主人公は、自分に憧れてアイドルになったキャラクターとの出会いをきっかけとして、また夢を目指すためにアイドルオーディションに参加します。この相手は主人公のことが大好きで、ライバルとしての会話、友人としての会話、後輩としての会話の合間に、ファンとしての顔がチラチラとのぞきます。(そこがいい。これ考えた人天才か?)
 他のオーディション参加者の性格も多種多様で、どんな物語になっていくのか今から非常に楽しみです。

作画面では1点、NEW GAME!と大きく違う点があります。コマ割りです。NEW GAME!は4コマ漫画でしたが、この作品は普通のコマ割りとなります。4コマ漫画ではなくなった分、行動や時間軸、空気感やキメゴマでの迫力が変わっており、この作品ならではの魅力を十分に引き出しています。
(NEW GAME!はNEW GAME!で4コマでなぜあれだけ豊かな、印象に残る表現ができるのか常に驚かされる不思議な作品でしたね。)

絵も相変わらず素晴らしい。個性豊かなキャラのコロコロと変わる表情は、それだけでも見ていて飽きないくらいにバリエーション豊かで美しいです。表紙からわかる通り、カラーイラストも渾身の出来で、この物語のすばらしさに説得力を与えています。1巻の表紙見ましたか?見ていなければ表紙だけでも見てみてください。

最後に、(ネタバレは避けつつ)イチオシのページをまとめてこの記事は終了とします。全てKindle換算のページ番号です。

  • P1(表紙) これだけでも見てほしい。めちゃくちゃセンス良くないですか?このままなんかの雑誌の表紙になりそう。

  • P30 勝手に涙が流れるシーン、好きなんですよ。私。こぼれる涙、意外性、取り繕おうとする姿、それに違和感を持たせないストーリー展開、最高の芸術品だと思いませんか?

  • P61 「このままずっと歌っていたい!!」歌う喜びを全身で表現するコマ、文句なしにこの巻のハイライトの一つでしょう。

  • P68 目つきキツめのお姉さん、すきな同志も多いはず・・・!

  • P98 このキャラのギャップ全開な表情、ここで出す大盤振る舞い、太っ腹ですね!

  • P139, P141 キリッとしたキャラ、好きなんですよね・・・

  • P152 ギャップのあるキャラも・・・好きなんですよォ!!

  • P169 アイドル!!って表情!やっぱ主人公いいですね!!!!


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