オリタタクヤ|すき焼き師

すき焼きを化けさせる、料理人。 日本一のすき焼き師を目指して #一日一焼 ですき焼きの…

オリタタクヤ|すき焼き師

すき焼きを化けさせる、料理人。 日本一のすき焼き師を目指して #一日一焼 ですき焼きの魅力を伝えながら、おいしいすき焼きのつくり方を考えています。2022年7月より奈良へ🦌sioが運営するすき焼きレストラン「㐂つね」ですき焼きを焼いています。

マガジン

  • sioのイズム

    sioの料理哲学、イズムを、解像度高く理解するためのnoteマガジンです。 現在、『サウナ』『五味モデル』『リズム』『キレ』『敷学』があります。

  • 僕らの家族

    折田シズるが取材して書いたnoteです。お話の中から気になったことをいくつかピックアップして深堀りし、キラーワードになるように書いていきます。いずれも大切なnoteたちです。

  • #スキすぎてごめんなさい

    料理を暑苦しいほど愛する料理家SHIORIと料理人sioオーナーシェフ鳥羽周作が出会い、編集・ディレクションは山口繭子さんのファシリテーションのもと、 clubhouseでアツいトークを繰り広げています。 少しでもたくさんの人に想いを届けきるために、noteでアフター配信を行っています。#スキすぎてごめんなさい をつけて投稿いただいた皆さんのnoteをすべて収録したマガジンです。 #スキすぎてごめんなさい について、お問い合わせは info2020@sio-inc.com 広報担当折田まで

  • 朝渋マガジン

    • 21本

    朝7時半から渋谷で活動している『朝渋』のマガジンです☀️

  • #今日のシズる

    シズる株式会社の折田シズるが毎日のシズるをつらつらと書き連ねるnoteです。毎日AM8時に更新をしたいと思います。ぜひシズってください。

最近の記事

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そのレシピは本当に考え抜いているのか。

これまでも、本当にもっとおいしくならないのか、考え抜き続けてきた。 鳥羽は、常にアップデートしてきた。 パスタ料理として捉え、なめらかさとアルデンテにこだわった、ナポリタンを超えたナポリタン。 冷めてもおいしい。これまで挑戦したことないテイクアウトに対して、安心するおいしさの甘じょっぱいをベースに5味+1を搭載した究極のミニマム、HEY!バインミー。 チキンオーバーライスとタコライスを掛け合わせ、20種類のパーツを組み合わせた味のワンダーランド、チキントーバーライス

    • 目盛の細かさが、成長をつかむ網

      成長には受け取り力が重要です。 以前、2人の経営者からそんな話を聞きました。 シェフはよく目盛の細かさの話をします。目盛の細かさとはどれだけの可能性を想定できているか、だと思います。 例えば、一つの仕事でも新しいプロジェクトを進行する上で。 まずはやるべきことを洗い出していく必要があります。出てきた項目について、いつまでに、誰が、どうやって進めていくか、を決めていく。 その時の、洗い出し方と割り振りの網羅具合こそが目盛の細かさのように思うのです。 誰しも″知らないこと

      • おいしい男になるために

        久しぶりにシェフと会った。 変わらず、むしろ以前にましてほとばしる情熱を纏いながら、鋭利な言葉で本質を突かれる。 もっとヒリついてけよ ふつうになるなよ 一言ひとことが胸を突き刺す。 眠れない。感情がうごめく。 帰りの電車も、家に帰ってからも、ずっと考えていた。 痛いところを突かれて、居心地が悪かったんだと思う。 ヒリついてない?そんなことない。 いや、そんなことあるのかもしれない。 ぐるぐる回る、 言葉が出てもまとまらず、文章にならない。 思えば、疾走感がなく、溜

        • 日本一のすき焼き図鑑 初刊

          1月24日はすき焼きの日。 遡ること675年、天武天皇が発令した肉食禁止令。そこから、1200年の時を経て明治5年(1872)に、明治天皇が牛肉を食しました。そこから日本の牛肉文化が色づいてきたとされています。 とはいえ、家畜として有用であり、身近に存在した牛や馬などを全く食べていなかったわけではないようです。 なぜ牛肉をはじめ肉食が解禁されたか?それは、欧米人と日本人の体格の違いに圧倒された明治前後の政府官僚たちが、これでは太刀打ちができないのではないか、という恐れか

        • 固定された記事

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        記事

          すき焼きを、さらに化けさせる

          わたしが働くのは、すき焼きをコースで提供する″すき焼きレストラン″㐂つね。 それは、料理、ドリンク、サービス、しつらえ細部にこだわり抜き、すき焼きを通して感動をもたらす体験を提供する、といった意志の表れです。 2021年4月14日にオープンし、2年8ヶ月が経ちました。 㐂つねのこれからを考える中で、ここでひとつ新しいチャレンジです。 すき焼き″割烹″として、生まれ変わります。 なぜ、私たちがそう決断したか、少し長くなりますが、 お付き合いください。 割烹のほんとう

          すき焼きを、さらに化けさせる

          やっぱり奈良がすきやねん

          日本清酒の産業革命が、 奈良・正暦寺で起こりました。 興福寺や正暦寺に伝わる酒造りの文献が、 今に伝わっています。 日本清酒発祥の地、奈良。 そう言われていますが、 奈良に来るまで全く知りませんでした。 知れば知るほどに、尊い美味しさがあります。 良いものづくりは、良いチームづくりから。 言うは易しですが、実践は本当に難しい。 日本酒の世界には、 「和醸良酒」というスローガンがある、と最近知りました。 良い酒は「和」からつくられ、 良い酒が「和」をつくる。 こ

          やっぱり奈良がすきやねん

          おいしいを知るほどに拡張する感覚を、ことばにできたのなら

          昔から食べることは大好きでした。 そして、この数年は特に、おいしいにたくさん触れてきました。 200円のコッペパンサンドから、コロナ禍の経済対策で得た10万円をすべて投げ打って食べた三つ星の料亭。街中の名店から、地域に根付くラーメン屋まで。 食べた、よく食べた。 それでも足りないし、これからも食べ続けたい。 人生で一つでも多くの、美味しいに出会えたらと思っているのです。(がんばって働かねば) 僕は鼻がいい方でも(むしろ悪い)、この皿に入っているものがわかるほどすぐれ

          おいしいを知るほどに拡張する感覚を、ことばにできたのなら

          おいしいがもたらす息吹

          料理の力を信じている。 ものさしは人それぞれであるとは言えど、おいしいは、年齢性別環境を問わず、人を幸せにする。 日々のエネルギーを生み出すまいにちの食事は身体を満たすおいしさだし、とんでもない食体験は感動を生み出し精神補給になる。 知れば知るほど、比較対象ができる。 すると、感動のハードルは上がるのではないだろうか。だからこそ、超えてきたときの感情はかけがえのないものだ。 あらためて、おいしいの偉大さを知った夏になった。 教えてくれたのは″NAGANO″。 20

          おいしいがもたらす息吹

          化物語は、はじまったばかり。

          明治初期、西洋の文化が日本に持ち込まれ、新しい日本が産声を上げました。 文明開化。 辞書にはこう書かれています。 僕がはたらくのは、すき焼きレストラン「㐂つね」。 店名の由来は、文明開″化″から来ています。 文明開化の象徴である、すき焼き。 国民食であり、ハレの日の定番です。 すでに抜群においしい料理。 もう完成されたスタイルであろうすき焼きも、sioのフィルターを通して覗いてみれば、まだまだ美味しくできるのではないか。 そんな問いから、このレストランは生まれ

          化物語は、はじまったばかり。

          未開の味を旅しよう、旨味のリュックサックを背負って。〜すき焼きトーバーライス〜

          旨味はリュックサック。 旨味があればあるほど、いろんな味が詰め込める。 オーナーシェフの鳥羽はこう言います。 しっかりとした旨味があると、その他の甘味、苦味、酸味をたっぷりと受け止めることができます。 甘じょっぱいすき焼きはバックパッカーばりのリュックサックです。さまざまな食材と手をつなぎます。 20種類以上のパーツで成り立つ、トーバーライスのメインの具材としてうってつけの食材でした。 今回は㐂つねがつくり出した「すき焼きトーバーライス」について、紹介します。 si

          未開の味を旅しよう、旨味のリュックサックを背負って。〜すき焼きトーバーライス〜

          まだ見ぬだれかを照らす、迷子のことば。

          さらけ出した文章が綴られた本を読んだ。 なんだか、共感しかなかったんです。 伝えたいことがあると、思わず書きたくなります。 やっぱり言葉は、伝えるためにある。 その本はまだ見ぬ誰かのために書いたことで、きっと自分のためにもなっている。 一つ間違いないことは、私のために書いた手紙ではもちろんない。なのに、針で刺されたように痛む一文も、じんわり身体を温める一文もある。鍼灸のようなことばたち。 書くことが、自身を救うこともある。 自分のために書いたものが、誰かを救うことも

          まだ見ぬだれかを照らす、迷子のことば。

          たった一振り、かけるだけのおいしい魔法

          かけるだけで生まれ変わる魔法。 もはや、さながら神様。 これまで、何度も伝えてきました。 大阪、堺で120年和風香辛料を作り続ける、やまつ辻田さんの″魔法″。 大好きな、ヤバい粉。 国産の鷹の爪を絶やさぬよう、信頼のおける農家さんを巻き込み、作り続けてきた和風香辛料への愛。 一度面倒を見ると決めたらどこまでもとことん付き合う。たとえ、それが料理のこと以外でも。圧倒的な作り手、使い手への愛。 世界一の″魔法″で喜ばせるために、今も自ら産地に出向き、最高の素材を手に入れ

          たった一振り、かけるだけのおいしい魔法

          ぼくは3年前からファンだった。そして、

          厨房内は毎日が酷暑日2019年8月、一つ星レストランのカウンターの中。人が通るにはぶつかるしかないほど恐ろしくコンパクトな厨房。真夏はなんと40℃近くまで気温が上がります。コップに入れた氷もあっという間にとけるほどに灼熱。 慣れない仕込みを何とか終えて、17時前。 照明は薄暗くなり、ムーディーな店内。 「こんばんは。」 お客様が入店します。予約表から名前を確認し、客席にご案内。来店のお礼を伝え、冷たいおしぼりに、スパークリングワインが注がれる。 サマッシュ、と一皿目の

          ぼくは3年前からファンだった。そして、

          あまりにもおいしすぎて思わず笑っちゃうから、僕なりのおすそ分け。

          おいしいを超えた感動を作りたい。 そんな想いでできたレストランが僕が働く「sio」です。7/20、もうすぐ4周年を迎えます。 そして、昨年10月には新たなレストランが出来ました。 ここには、「sio」で学んだこと、感じたことを活かしながら、僕たちが考える理想のレストランを詰め込んでいます。 その結果、できあがったのは″架空のホテルのレストラン″。 その名も「Hotel′s」です。 そんな「Hotel′s」で新しい取り組みが始まりました。オーナーシェフの鳥羽周作が厨

          あまりにもおいしすぎて思わず笑っちゃうから、僕なりのおすそ分け。

          新定番・洋食酒場では「あなたの背徳感」がスパイスに。

          焼肉トラジのアイスキャンディを食べたことがあるだろうか。 キンキンに冷えたビールで喉を潤したら、厚切りタンを焼き、サンチュも手に取りナムルやキムチとともに巻く。一口で食べると肉汁がいっぱいに広がる。 〆にスンドゥブを飲み干したのち、ゆっくりしているとアイスキャンディーの出番だ。 サービスで出している素朴で冷たいミルクアイス。たしかトラジオリジナルのパッケージである。あれがなんとも言えない幸福感なのである。 たらふく食べた後に食べる甘いものは、心底うまい。 "おいしい"で

          新定番・洋食酒場では「あなたの背徳感」がスパイスに。

          怒り、という人間のガソリン

          かつて、言いたいことを言えない子どもでした。 考えていることがあってもどうしても黙ってしまう。親の前で1時間以上、何も言わずにいた事もあります。 月日が経ち20歳を超えても、社会人になっても、人に対して何か思っても感情をぶつけることが苦手な時期がありました。(周りからはどう見られてるのか、分かりませんが) そう、僕はあまり怒れなかった時期があります。 それはなぜか? ムカつくことはあっても、怒ることに対する申し訳なさが勝っていたからだと思っています。 なぜ申し訳な

          怒り、という人間のガソリン