あの頃のアダルトビデオ

10年前のあの日のあの時間、私は仙台市の自宅でアダルトビデオを見ていた。

突然やってきた暴力的な揺れは、まずアパートの電源供給を奪い、アダルトビデオを再生していたデスクトップPCの画面は消えた。

自分におきた出来事も、社会でおきた出来事も、震災前/震災後と区分して考えるほどあの震災の衝撃は大きなものだったが、アダルトビデオはどうだったのか。

私はあの日、誰のどのビデオを再生していたのか?

10年を期に一度振り返ってみようと思う。

まず驚いたのがこの日、南梨央奈がまだデビューしていなかったということだ。

一部の熟女女優を除いて、いまも一線で活躍している女優のなかで、殆ど最古参は南梨央奈と認識している。
南梨央奈の共演歴はそのまま、その時代に活躍したAV女優の年表になっている。南梨央奈登場以前は、年表に現れない欠史の時代にさえ思える。誰がいたのだろう?

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同じく、伝説と言ってよいだろう”つぼみ”はデビュー5年目で、あの頃はキカタンとして多くのメーカーから作品がリリースされていた。「つぼみは処女」と言われて、盛り上がったのはもっと後の時代だったはずが、作品数的にはこの頃が絶頂だったのかもしれない。

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2011年3月の「亮子とつぼみのレズビアン白書 弘前亮子 つぼみ」で共演している弘前亮子が懐かしい。制服の似合うかわいい人だった。弘前亮子の名前は、広末涼子から取られていたのだろうが、広末は前年にキャンドル・ジュンと結婚し、2011年の3月に子を出産している。

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つぼみとのレズ作品といえば思い出すのが早乙女ルイだ。あれほどきれいな顔をした女優は今に至るまでなかなかいない。AVの一場面だったか、テレビの企画だったかは思い出せないが、携帯電話からつぼみの連絡先を消された早乙女ルイが泣き喚くというというのがあった。当時はガラケーが優勢で、AV女優同士の連絡先の交換はご法度なんて言われていた。つぼみがインタビューで、仲の良いAV女優はいない、と言っていたときは早乙女ルイの顔が浮かんで私は泣いた。

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弘前亮子に戻ると、同じ枠に神河美音がいた。2011年3月の「初心 清純女子校性なぅ 神河美音」が最終作のようだ。2010年9月のものだが「4回チェンジしたら最後に超カワイ子ちゃん」は名作中の名作だった。「4回チェンジしたら最後に超カワイ子ちゃん」はアリスジャパンのEROTICAレーベルから発売されたが、EROTICAといえばその名をもじってデビューした絵色千佳がいた。

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超美少女野中あんりもいたし、瀬名あゆむもかわいかった。瀬名あゆむは仙台で事業をしているようだけど、twitterをみると不穏なことになっている。

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DMMのランキングをみると、仁科百華、Julia、浜崎りおといった巨乳勢に人気があったようだ。かわいい系では、成瀬心美、大沢美加。
成瀬心美のインパクトは大きかったようで、佐倉絆は彼女に憧れてAV女優になったという。鬼才patoにも成瀬心美との邂逅がある。

大堀香奈や有村千佳もいた。有村千佳の人気が上がるのはもう少しあとではなかったか。羽月希はエロエロでかわいかった。晶エリー、琥珀うた、前田陽菜といった変化球投手もいた。篠めぐみはこの時期失踪中。

専属女優はどうだっただろう。

S1では、蒼井そら、吉沢明歩、麻美ゆま(アリスJapanとW専属)、瑠川リナの恵比寿マスカッツ組ががいて、河合塾イメージガールだったらしい七海ななもいた。

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青山ローラは別格で美人だったが、不幸そうな感じがたまらなかった。沖田杏梨、佳山三花も人気があったと思う。
吉沢明歩、佳山三花で思い出したが、この時期に、3D AVが発売されたこともあった。映画アバターが2009年、ロンドンオリンピックが2012年。3Dの時代が来ると言われていた(来なかった)。
今ではなかったことになっているかもしれないが、いまのエロVRに繋がるものがそこにあったのかもしれない。

アイデアポケットは、初音みのり、かすみ果穂、希崎ジェシカ、横山美雪、希志あいの、天海つばさ、そしてRio という泣く子も黙る超豪華マスカッツ・ラインナップ。
希崎ジェシカはその直前に、闇金ウシジマくんに出ているを見て、かわいいなと思った。希美まゆは、当時ナンバーワン美少女と言われていた気もする。原田明絵や黒木いちかもよかった。私は今井ひろのが好きだった。

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Moodyz には里美ゆりあ、佐山愛、西野翔のマスカッツ勢でも息の長い女優がいた。周防ゆきこはとてもいい女優だった。石原あおいはどことなく桜井千春に似ている。この月、小坂めぐるが同社より復帰作を出している。

Kawaii ではこの月にきよみ玲の最終作「学校でセックchu」がリリースされている。かわいくてエロくて、最高の女優だったが、身バレでボロボロになっていて、作品もボロボロだったのが痛々しかった。

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SODには、元AKBやまぐちりこがいて、この月は妹のやまぐちりくがデビューしている。こういうノリだから、SODは森下くるみ以降ずっと嫌いだ。実際人気がったのは羽田あい、 原紗央莉だったのだろうか。上原結衣もこの短期間、SODから出していたが、演技が絶望的に下手なのでSODは合わなかった。

アリスジャパンには、大エース葵つかさがいて、辰巳ゆい、麻美ゆまもいる。芹沢ゆいは巨乳だけどかわいい枠の女優、今だと田中ねね。

MAX-Aは、最強エース小倉奈々に、マリア・エリヨリ香澄のあ。
KMPは藤井シェリー、麻倉憂、神咲詩織。神咲詩織は2011年3月11日デビュー。
プレステージには、明日花キララ、加藤リナ、小西悠、永沢まおみ。今と違い、ギャル色の強いメーカーだった。ギャルが好きでない私は、ギャル色の弱いものを避けて視聴するしかなかった。

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この時代を振り返ると、恵比寿マスカッツ出演女優のインパクトが強い。
女優のレベルとしては、史上最高に近いのではないか。

反面、そこを好んで見ていたかといえばそうでもなかった。当時の流行りのギャルっぽいメイクは好きでなかったし(アイデアポケットを見ると驚く)、バラエティ番組で面白いことをしている姿を見せられてしまうと、なかなかAVで興奮できなくなってしまった。
とくにかすみ果穂は大好きだったのだけど、マスカッツで大活躍している姿を見て、見られなくなってしまった。

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そこで、マスカッツに出ていない女優であったり、キカタン女優に目を向ける機会が増えていった気がする。

キカタンについては、私にとっては2009年頃(日高ゆりあとか辻さき)が何回目かのピークで、2011年頃はそこに対する興味が失速していて、しばらく単体専属女優のほうに注目していた。
2011年3月は、何度目かのキカタンへの揺り戻しが起きかけた時期だった。

そして世間でも、私と同じよう大手単体への反発で、あるいは大手単体女優のパワーに引っ張られるように、キカタンへの注目が高まっていく。

2011年4月、上原亜衣、さとう遥希がデビューする。
暗黒時代の始まりだ。


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