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【りくと】初サンプ振り返りレポート

2022年11月17日にカタリ場が開催されました。
今回のカタリ場では、3名のキャストがサンプリングデビューをしました。
この記事では、初めてサンプリングを作成してくれた「りくと」が、サンプリングの作成~現場当日に高校生の前で話すまでを振り返っています。

自身の半生をしっかり振り返ってサンプリングを作成し、先輩の話として15分間で自身の経験を高校生達に直接語ることの難しさや学び、その中で見えてくるやりがいや楽しさを皆さんにお届けします!

➀作り始めたきっかけ

サンプリング(以下「サンプ」)を作り始めたきっかけは正直、自分のためというよりPMコアのためという部分が大きかった。
サンプの人数が足りないという状況があったためPMコアの手助けになればと作ることを決意した。
だが、これまでの企画で先輩の話や司会の話を聞いて悩みを打ち明けてくれた高校生も見てきた。
そのため、そのようなきっかけとなる話をできればという思いも多少の後押しになったと思う。


➁作る中での葛藤や考えたこと

先輩の話を作るとなると過去の自分の事も話す必要がある。
自分の考え方や生き方の根本には過去に受けたいじめを原因とする人間関係などが大きく影響している。
そして、この過去の話自体トラウマなため人に話すことを避けてきた。
そのため、サンプを作るうちに過去の事を思い出して気分が落ちたり、人に話すことへの恐怖が大きくなっていった。
特に身近な人には聞かれたくない、今の自分だけ知っていてくれればいいという思いで、人生グラフの作成から発表の練習まで話を聞く人を限定してもらった。

サンプを作成していく中では高校生へのメッセージも考えていかなければならない。
今の自分から高校生の時の自分に伝えたいことをまずは考えたが、慰めや上から目線のきれいな言葉しか見つからなかった。
例えば「いじめなどの悩んでいる内容を周りの人に相談してみよう」という言葉も案にはあった。
しかし、当時の自分も相談できるならしていたし、相談せずに来たから今の周りの人たちともいい関係を築けているのではないかとも考えることがある。
このように、今だから言える言葉では悩んでいる当事者には届かないし、無理な提案になる。
また、自分自身が変われていないことからどの言葉を選んでも自分の意志・言動と矛盾していた。
そして、スケッチブックの最後のページが決まらぬまま当日を迎えることになった。
当日話を聞く高校生はおそらく今後会うことはない。
そう言い聞かせ、気楽に話そうと考えていた。
しかし、当日のシミュレーションが進むにつれ感情が抑えきれなくなり、恐怖でしかなかった。
準備の時間こそはちゃんとしようと思っていたが、結局キャストの皆さんにサンプの内容もうまく伝えられず、生徒入場前に雰囲気を重くしてしまったことは申し訳なかった。


➂当日話してみて…

本番前までは話す内容もまとまらず、本来15分内で話さなければならないところ、20分を切ったことすらなかった。
また、直前の状態から最後まで話せるかどうかも不安な中話し始めた。
最初は不安が大きかったが話を聞きに来てくれた人数が少なかったからか、相槌や真剣な表情で聞いてくれる生徒が目立った。
最後のメッセージについては、ギリギリまで悩んだが、決まらないままその場で思ったことを話すという選択をした。
聞いている高校生の反応や食いついた場所などをみながら最後の言葉を考えた。
その結果、良し悪しはわからないが3回とも若干違うメッセージになった。
これについては自分自身が過去のことでまだ悩んでいるから変わるものだし、聞きに来た生徒にその時一番伝えたいことを言えたことから良かったと感じている。
生徒の感想としては、自分を励ますものが多く、自分は何か伝えられたのか、ただつらい経験をしてきた人という印象で終わってしまったのではないかと考えさせられた。

しかし、1人だけ自分の話を涙を流しながら聞いてくれた生徒がいた。
話を聞くと過去の境遇や現在の考え方、状況が近かった。
このこともあり、まとめの時間は個別に話す時間をつくってもらった。
人間関係の悩みなど、友達にも話したことが無い状況で班から1人離れることは、それだけで何かあったのではないかと思わせる行動になると思う。
しかし、それでも自分に話をするという行動をとってくれたことが嬉しかった。
時間の関係上ほとんど悩みを聞くだけで終わってしまったが、同じような経験をしている人に初めて会えた事など前向きな感想ばかり出てきた。
自分自身も近い経験をした人と話すときは共感ばかりで、自分だけではないという安心感すらあった。
このように自分にとってもいい経験になったし、1人だけかもしれないが自分の話しで変わってくれた生徒がいたことはサンプをしてよかったことだと感じている。

自分自身、過去のことが原因となり今も悩んでいる。
今回のサンプで過去の話を他の人にしたことで恐怖も大きくなったし、過去の事も具体的に知ることになった。
これを自分の事だけで考えれば、よかった事と捉えるべきかまだわからない。
しかし、これも必ず何かのきっかけになると信じたい。

今回のサンプにあたっては直前まで本当に多くの人に支えてもらいました。この後押しがなければ高校生の前でも話せないまま終わっていたと思います。
何より周りの人の声掛けやメッセージが嬉しかったです。
本当にありがとうございました。

最後までメッセージに悩む様子

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