ビジネス頻出の漢字集7


前回の続きです。



異存(いぞん)
他と異なった考え。反対意見や不服な気持ち。
・誰も異存はない。
・その処置に異存があります。
・異存ありません(反対の意見、異議はない)




名実(めいじつ)
名称と実質。評判と実際。
・その国は名実相伴う経済大国
・あの人は名実ともに偉大な科学者
・名実ともに(評判と実際が一致しているさま)



秋口(あきぐち)
秋の初め。秋になったばかりのころ。
・秋口は、農民にとって忙しい時期
・秋口の涼しい日


累々(るいるい)
重なり合うさま。
・戦場は死屍累々たる有様
・山奥に、累々と無数の実をつけている。
・死屍累々(死体が数多く重なり合っていること)




妙案(みょうあん)
すぐれた案。よい思いつき。名案。
・妙案が浮かんだ。
・妙案を授けてもらった。



友愛(ゆうあい)
兄弟・友人の間の親しみ。 また、他に対して深い思いやりをもつさま。
・友愛の精神を大事にする。
・友愛に満ちた態度
・友愛の関係



蒙昧(もうまい)
知識が開けず、物事の道理に昧(くら)いこと。
・蒙昧な田舎弁護士
・無知蒙昧の生徒
・無知蒙昧(知恵や学問がなく、愚かなさま)



哀訴(あいそ)
同情をひくように強く嘆き訴えること。哀願。
・首相に窮状を哀訴した。
・支払いの期限を哀訴するも受け入れられなかった。





愚劣(ぐれつ)
愚かで才知の劣っていること。また、ばからしくくだらないこと。
・愚劣極まりない番組が増えた。
・ひどく愚劣な役
・愚劣の極み(これ以上ないくらいばからしくくだらない)



迷想(めいそう)
迷っている考え。
・迷想を抱いている
・迷想して答えが見つからない




落魄(らくはく、らくばく)
衰えて惨めになること。落ちぶれること。
・落魄した姿を健太くんに見られたくない。
・落魄の生活を送っている。
・落魄ぶりが痛ましい。




融和(ゆうわ)
溶けて混じり合うこと。打ち解けて親しくなること。
・近隣諸国との融和を保つ。
・両国の融和を図る。
・地域社会と融和する
・南北融和という目標に向かって進む。




妙齢(みょうれい)
若い年ごろ。特に女性の若い年ごろ。妙年。
・妙齢の女性
・妙齢の娘




一見(いちげん)
初めて会うこと。特に、客が馴染でなく初めてであること。
・一見の客は入れない
・一見の客を断る料亭




来臨(らいりん)
他人がある場所へ出席することの尊敬語。
・ご来臨を賜り光栄です。
・ご多用の折恐縮ですが、当セミナーにご来臨賜りますようご案内申し上げます。
・ご来臨の栄(出席してくださる栄誉)
・何卒ご来臨の栄を賜りますようご案内申し上げます。(招待状)
・お忙しいところご来臨の栄を賜り、厚く御礼申し上げます。(感謝状)





命題(めいだい)
①題号をつけること。また、その趣。
②真偽を判定することのできる文。また、その意味内容。

・前提と結論の二つが結合されたものが命題。
・この命題は正しいので真である。
「至上命題」は「至上命令」の誤用です。
「至上命令」は「絶対に服従すべき命令」という意味です。




愛機(あいき)
愛用している飛行機。また愛用している写真機などの機器。
・愛機で写真を撮る
・長年連れ添った愛機のように感じて





憂患(ゆうかん)
どうしたものかと思い悩む心配事。
・向後の憂患を断つ。
・人生では憂患に遭遇するものだ。
・首相の言葉に国民の憂患は増すばかり



一意(いちい)
一つの考え。また考えが同じであること。(副詞的に用いて)一つの物事に心を集中すること。ひたすら。
・一次方程式の解は、一意的に定まる。
・会社のために一意奮闘する社員
・目標を決め一意専心する
・一意に定まる(ただ一通りに定められること)





友誼(ゆうぎ)
友人としての情愛。友達のよしみ。友情。
・友誼に厚い友達をたくさんもて
・困窮のために友誼が薄らぐ
・その評価は、友誼に基づく過大評価だ。
・友誼を結ぶ(友人として付き合い始めること)




友朋(ゆうほう)
友人。ともだち。朋友。
・友朋を大事にする人は信用できる。
・良い友朋に恵まれた。




凡手(ぼんしゅ)
平凡な腕前。碁・将棋などでつまらぬ手。
・このワインの飲み比べは、凡手の及ぶところではない。
・到底凡手の自分ではかなわない
・凡手の業ではない(群を抜いて素晴らしい、素晴らしく腕が立つ)




妙手(みょうしゅ)
①巧みな技量。すぐれた腕前。またその持ち主。
②碁・将棋で、他人には予想もできないうまい手。
・琴の妙手だ。
・誰も思いつかない妙手
・景気回復の妙手を打つ。




盲従(もうじゅう)
是非、善悪に分別なく、ただ言われるまま従うこと
・夫に盲従する
・他人の指導に盲従してはならない
・権威に盲従する(他の者を服従させる威力に、ただ言われるまま従う)




矢面(やおもて)
質問、非難などの集中する立場。
・非難の矢面に立って部下を守る
・世間の批判の矢面に立たされた。
・矢面に立つ(質問や非難などをまともに受ける立場になる)




滅相(めっそう)
消滅すること。法外ででたらめなさま。
・私がリーダーだなんて滅相もない。
・冗談だなんて滅相もない。
・滅相もない(とんでもない。ありうべきことでない)



目処、目途(めど)
目指すところ。めあて。見当。目標。
・完成の目処が立たない。
・7月末ごろを目処に退去する
・目処が立つ(実現・解決などの見通しがつく)



無上(むじょう)
この上もないこと。最もすぐれたこと。
・無上の恩を感じる。
・無上の光栄
・このパーティーにお招きいただいたことは、私の無上の喜びとするところです。



一堂(いちどう)
1つの堂、建物。同じ場所。
・現役の経営陣が一堂に会する
・ピカソの作品が一堂に展示されている。
・一堂に会する(多くの人が共通の目的をもって一つの場所に集まること)




睦言(むつごと)
睦まじく語る言葉。特に異性との寝室での語らい。
・睦言を交わす声が聞こえる
・彼は睦言ですら、愛しているとは言わない。




無用(むよう)
役に立たないこと。してはならないこと。
・遠慮は無用
・荷物に貼られた天地無用というシール(上下をさかさまにしてはならないという意で、荷物などの包装の外側にしるす語)
・無用の長物(あっても邪魔になるもの。あって益のないもの)




無類(むるい)
類のないこと。くらべるもののないこと。無比。
・無類の酒好き
・無類の技術力を誇る




未見(みけん)
まだ、見たり会ったりしたことがないこと。
・未見の書
・前半は見たが、後半は未見だ。
・未明の我(未だ出会ったことのない自分。試練を経て、成長した先にいる新たな自分)



陰惨(いんさん)
暗くむごたらしい感じ。また、そのさま。
・想像した以上に陰惨な真実
・陰惨な事件





水際(みずぎわ)
・麻薬の密輸入を水際で防ぐ。
・敵の上陸を阻むための水際作戦
・水際対策≒水際作戦(上陸してくる敵軍を海岸線で撃滅する作戦。転じて、病原菌・禁制品などを入国の際に点検して防ぐこと)




一翼(いちよく)
①一つの翼。1羽の鳥。
②全体の中での役割などの一端。一つの任務。
・関東地方の電力供給の一翼を担う
・一翼を担う(全体の中で一つの役割を引き受けること)




一縷(いちる)
1本の糸。またそのように細いもの。ごく僅かであること。
・一縷の煙が立ち上る。
・一縷の明るい光がさす
・可能性が一縷もない。
・一縷の望みにすがる(わずかにつながっている望み)




幾日(いくにち、いくか)
①どれほどの日数。何日。
②いつの日。何日。
③(「いくにちか」の形で)若干の日数。
④(「いくにちも」の形で)相当多くの日数。
・書類作成に幾日かかるか分からない
・出発日まで幾日もない
・幾日も帰って来ませんでした。

この記事が参加している募集

最近の学び

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?