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デザインツール「Canva」の“一括作成”で、オリジナルの「エコかるた」を作ってみた

毎月最終水曜日のお昼にNPOの広報関係者がゆるやかに集うオンラインランチ会。7月のオンラインランチ会でデザインツール「Canva」の便利機能「一括作成」の話になったので、この記事ではスピンオフ版として「Canva」をつかったオリジナルの「かるた」の作り方についてご説明します。

読み札をつくる

読み札をつくっていきます。かるたらしく、なるべく5・7・5のリズムを採用しました。

内容は、NPOのみなさんならソーシャルなテーマや地域ならではのネタが盛り込んでもよさそうですね。今回はある地域のエコな活動をする人たちとプレーするつもりで「ご当地エコかるた」をつくってみました。

インポートするデータの形式は「最初の文字」「上の句」「中の句」「下の句」+αでわける

データはCSVなどの表ツールで作ります。
筆者はCSVでつくりました。(※結局文字化けしてCSV読み込みはできなかったんですが‥)
読み札にレイアウトしたい要素を、セルを分けていきます。

例)ひらがなで「最初の文字」「上の句」「中の句」「下の句」と分けた場合。
※グレー部分は個人や地域特有の情報等です

年齢・国籍を問わず遊べるように(フリガナ・言語)

読み札は、プレイヤーが就学前の子どもばかりならひらがなオンリーで、おとななら漢字も混ぜて、など、ユーザーを配慮した表記にするとよいと思います。
(おとなも子どもも一緒に遊ぶ場合は、フリガナがあると親切ですが、フリガナの位置は一括投入できないので、一括出力後の調整となります)

外国にルーツのある方が一緒にプレイするなら、「ローマ字読み」「英訳」の列もデータの時点で用意しておくとよいですね。
筆者の場合、後から気づいてあとから一枚一枚、手動で入れたので大変でした…。

※便利サイトのご紹介
小学生の特定の学年に向けて作る場合は、学年ごとに学習した漢字をチェックしてくれるサイトもあります。
https://www.webtoolss.com/hiragana.html

読み札のレイアウトをつくる

読み札のレイアウトをつくっていきます。
カスタムサイズで、好きな大きさをつくります。(このかるたは 76×105mmの比率です)
読み札にはしまりがいいよう、緑の枠を入れてみました。

最初の文字は丸で囲みたいので右上に丸を設置。(その中央に頭文字が入る)その丸の下に紙の句、真ん中あたりに中の句、左下あたりに下の句を入れる感じでつくりました。

フォントを選択し、流し込み方を設定

筆者は、和風でやわらかいものが良かったので「おつとめフォント」を選択。

・頭文字のところは大きめにサイズ=42
・その他のところはサイズ=32
としました。
そのうえで、字を縦書きにしたいので、文字を選んだうえで縦書きを選びます。

さらに、それぞれのテキストがある程度枠に収まるように上の句は上寄せ、中の句は真ん中寄せ、下の句は下寄せに設定しておきます。

データを流し込む位置を決める

ダッシュボードの左側メニュー化で「一括作成」>データ形式を選びます。(メニューに「一括作成」が出てこない場合は、一つ前の記事も参考にしてみてください)

データ形式は、筆者は「CSV」を選ぶとアップロード時に文字化けしちゃったので、試行錯誤しましたが結局「データを手動で入力」を選びました。

この際、手動で入力を選ぶと、デフォルトでは2列だけ表示されていますが、そこに用意したデータを1行目の左セルを選んでコピペすると、列が自動的に追加されます。
1行目の「T」に名前を付けてあげると、割り当ての時に分かりやすいかもしれません。
設定が終ったら、下記の画面の右下に確定ボタンがあるので、コピペしたデータを読み込ませます。

そして、用意しておいた、読み札のテンプレートとなるテキストを右クリックすると「データの接続」が出てくるので、頭文字、上の句、中の句、下の句をそれぞれ選んで割り当てていきます。

こんな感じのレイアウトでいいかな、となったら左側の「続行」ボタンを押します。

入るデータが問題ないか確認のうえ、OKならば「●ページを生成」ボタンを押します。

※「ポップアップブロック」が有効になっているとうまくいかないことがあります。

すると、数秒で、ばばばばーっと流し込みがされます!気持ちよい!

そのうえでフリガナを入れる場合はフリガナを手動で追加したりしてください。

PDFで出力・印刷

できあがったデータのレイアウト調整やフリガナ設定が終わったら、PDFで出力し、印刷します。

筆者の場合、印刷の際に「1ページに16枚印刷」を選びました。(このサイズだと、やや小ぶりなカルタが出来上がります)

普通紙に印刷して糊で貼ってもいいのですが、それだと仕上がりが凸凹になりそうなので筆者は自由なサイズにカットできるシール用紙を使いました。

これでA4に出力した1枚のシールを、硬めの台紙に貼り付けて、一気にカットすると楽ちんだと思います。
(きれいな硬い紙は高いので、きれいな段ボールをリサイクルしました(;^_^A)

取り札をつくる

取り札も、右上の丸のところは同じです。筆者の場合は、読み札がFIXしてから取り札の絵柄をどうするか考えながら進めたので、絵柄の配置には一括作成機能を使いませんでしたが、集めたデータをCSVに入れていれば、頭文字+絵柄をまとめて出力できます。

絵柄について

締切に余裕があって、多くの人たちを巻き込みたい場合、イラストをオリジナルにしてみてもいいかもしれません。取り札を参考に、みんなで読み札を作ってみては。愛着も沸きそうです☺
取り札は、写真でもよいですし、イラストでもよいと思います。
(Canvaには、テキストを画像にするAIの機能もあるので、読み札を入れて生成してみるのもおもしろいかもしれませんw)

筆者の場合は、読み札のトーンを統一できるよう、小さい子どもも参加できるように「下絵部分はおとなが担当、彩色は子どもが担当」としました。
また、イラストに自信がなかったので、写真をベースにしました。

①もとにする写真を配置した後「画像を編集」で「ペイントエフェクト」>「Mosaic」を選択

②モザイクになった画像をモノトーンにするため、再度「画像を編集」から「調整」を選択

③調整画面で「明るさ」をガンガンに増やし、「彩度」を減らします。

するとこんな感じの線画ができます。

こんな感じで、読み札に対応する取り札のイラストをすべてつくり、読み札と同様に16pを1枚に印刷。
子どもに元の写真を参考資料として見せつつ、各読み札に彩色してもらったものを再度スキャンし、データ化してから下記の用紙に印刷しました。(そうすると量産対応可能なため)

最終加工

段ボールにシール用紙を貼り付けた後は、裁断機でカットすると楽です。
ただそのままだと角がとがっているので、角を丸くハサミなどでカットしてあげると親切だと思います。☺


工数

参考までに、このかるたの制作にかかったおおよその時間をお伝えします。

  • 読み札の句を考える(3時間くらい)

  • 読み札をCanvaでレイアウトする(3時間くらい)
    ※あとから漢字に直したり、ローマ字や英訳を追加したため。ちゃんと一括でやれば数十分とかも可能だと思います。

  • 取り札の絵の元写真の選定、線画への加工(5時間くらい)

  • 彩色(2時間くらい)

  • 貼り付けてカット(3時間くらい)
    ※「16枚をA4一枚に印刷したシートを同じサイズの1枚の台紙に貼り付けてから、裁断機でカット」ができるならもっと早いと思います。
    今回使ったのが、電化製品の入っていた段ボールだったため、文字や柄が入っているところを除外するために、各札をカットしてから一枚一枚張り付けたためかなり時間がかかってしまいました…。

感想

今回は大人2人・小学生1人で取り組みましたが、みんなで取り組むと、テーマにする課題への興味や理解が深まるなーと思いました。
オンラインに慣れたメンバーであれば以下にトライしてみてもいいかもです。

【読み札】
頭文字を入れた状態で、Google SpreadSheetで読み札の句を募集

【取り札】
Canvaで頭文字部分の丸と頭文字のみ一括作成でレイアウトした状態で、読み札に対応した写真をメンバーに入れてもらう

とかだと、もっと早くできるかもなーと思いました。
(各「あ」~「わ」の札は、入力が早いもの順にしてしまってもいいですし、百人一首みたいに、「あ」の札が複数枚ある、などでもおもしろいかもしれません。)

今回、幅広い人が楽しめるようにと「子ども向けのフリガナ」「外国の方向けのローマ字表記」「同、英語表記」もしたのですが、出来上がってから気づいたのは「英語表記を入れるなら、読み札は横長にレイアウトしたほうが読みやすかったかも」ということです。

あと、もしかしてダイバーシティという意味では下記のような配慮もできたらいいのかも??と思いました。当事者やその支援者の方々に、ご意見いただけると幸いです。

・目の見えない人向けの「点字印刷」
目の見えな人もカルタを触って取ることができるように。目の見える人は目隠ししてプレイすることで、一緒に楽しめます☺
点字印刷、したことないですが…。

・目の見えない人向けの「読み札」音源
YouTubeなどで、札ごとに読み上げておいた音源をアップロードし、シャッフル再生する?(やり方わからないまま言ってみてますが(;^_^A)

・耳の聞こえない人向けの「手話」動画
YouTubeなどで、読み札を手話で表現した動画をアップロードし、シャッフル再生する?(耳の聞こえない方がそこまでしてかるたを楽しみたいかはわかりませんが…(;^_^A)

オリジナルかるた、作る工程もプレイする工程も楽しいと思います。
ご興味ある方はぜひ試してみてください☺

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