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2019年『きのう何食べた?』Season1 感想

2019年『きのう何食べた? Season 1』(監督/中江和仁/野尻克己/片桐健滋、脚本/安達奈緒子)鑑賞。
よしながふみ先生の大ヒット漫画のドラマ化です。その後2023年にSeason 2も放送されました。こちらの方が先ではあるのですがリアルタイムで視聴しておらず(知らなかった)劇場版を観た後の視聴となりました。

「劇場版『きのう何食べた?』」の感想はこちら ↓

内容は、几帳面で料理を作るのが得意な弁護士、筧史郎(シロさん/西島さん)と人当たりの良い美容師、矢吹賢二(ケンジ/内野聖陽さん)のカップルを中心としたコメディーを交えたドラマです。タイトル通り料理シーンも絶品。

個人的に劇場版の後にSeason 1を観るという流れで良かったなと思います。ケンジは初見の劇場版と変わらず人懐こいけれど、物語1話で初めて見たシロさん(西島さん)は結構冷たくて、他人の目をかなり意識するし、怒鳴るし、食事前にケンカするし、気位の高そうな少し嫌な奴に見えてしまって怖かったから(すいません。ボカスカ言ってます)

けれど口喧嘩になった後、落ち込ませたり泣かせたりしたケンジに対し、この段階では言葉での謝罪はないけれど反省の感情が見え、次の日に持ち込んだとしてもきちんと嫌な思いをさせた事に対して理由を話します。Season 1では全12話を通して、それまで頑固だったシロさんがケンジや、ここから関わる人たちによって、本来持っている柔らかさが引き出されて行く成長のストーリーでもあると思いました。

多分、それまではケンジと違ってカミングアウトもできず、ひたすら隠すしかない環境だったシロさん。シリーズでおなじみ、ご近所の佳代子さん(田中美佐子さん)との出会いも最初は割と男女間として誤解を生み、大変だった。その佳代子さんがシロさんと仲良くなってからはさり気なく率直な意見を言ってくれるし、シロさんの言い訳もいらなくなる。料理仲間であり最高の友人だな、と思います。

などと、冷静に書いているようでこの感想を書くにあたってきちんと観直すと、唯一、6話だけはほぼ観ていなかったので久しぶりの鑑賞になりました。この回は、シロさんが勤める上町法律事務所で司法修習生の若い女性をシロさんが担当する、というお話でした。最終的にシロさんは司法修習生の女性から担当を外れたのですが、その理由は女性に対するセクハラに該当する一つの問いかけでした。けれど、それ以前に女性がシロさんから学んだ事もあっただろう、と思うのと、こちら側はシロさんがゲイと解った上で観ているからこそ色々もどかしく、やり切れなかったのでした。

しかし、感想を書くために観直すと、小日向さん(山本耕史さん)とジルベールこと井上航くん(磯村勇人さん)のカップルとシロさんとケンジの初対面のシーンがあったりしてさり気なく重要な回だった。

最初は佳代子さんの旦那さん(矢柴俊博さん)に紹介されてシロさんと小日向さんが出会いますが、小日向さん曰く、一緒に住んでいる恋人は「ジルベールのような美少年(竹宮恵子先生『風と木の詩』の登場人物)」との事でシロさんの妄想が広がります。その妄想シーンでは原作の外国人、ジルベールと小日向さんとのやり取りが再現されていて、その後、シロさんは独り言で「くそっ、なんだよ、ジルベールって!」とか怒ってるけど、あくまでもシロさんの想像の産物なんですよね(笑)現実の航くんは漫画のジルベールとはかけ離れていましたが小悪魔で可愛かったです(笑)

話が進んで行くにつれ、シロさんはどんどんケンジの細やかさや優しさに気づき、人間として憧れを抱くようになり、口惜しさすら滲ませる姿が描かれ、どこかシロさんの成長の物語にも感じます。ただ決して片方だけの目線で描かれている訳ではなく、互いに愛を伝え合っているのが随所で見られ、押しつけがましくない。その描き方もまたこの作品の魅力なのだなと思いました。

何より、このSeason 1は全体を通して恋愛色が強かった。
まだまだ恋愛真っ只中と言う感じ。シロさんとケンジの馴れ初めも、軽めのラブシーンもある。シロさんが女性アイドル、三谷まみ(ポスター出演/豊田真希さん)の大ファンでスクール水着のポスターまで入手してケンジに嫉妬されるのも面白い。男女問わず推しはできるものです(笑)ここはシロさんに共感。とても初々しい。ここからお正月スペシャルを経て映画化になる。お正月スペシャルもとても良かったので、また次回。


🍙ここからすべて始まった。

🍙オープニングテーマ

🍙エンディングテーマ

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