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地獄でなぜ悪い - 星野源

星野源が2013年にリリースした作品で、本日(2022年8月18日)放映の「おげんさんといっしょ」で最後に歌われた
星野君の出した作品の中で私は一番好きな曲です
「この世は辛いことばかりだけど、まぁ頑張ろうぜ!」的な歌としては自分は捉えられない

子供にとって親から与えられる環境は、絶対の箱庭である
金も権利も手にすることを許されていない子供は、どう足掻いても環境からは逃れられない 
その中で絶望しか感じない場合、子供が生き続けるためには、社会的な家族制度の解体だけではなく、精神肉体的な解体が確実に必要であると思う(生と死が相反するようですが)
図工で描いた校庭の花壇を囲むレンガの絵を蹴り、ペットショップの汚いインコの匂いを通り抜けた後、あぁ今日の夜は父親のいる家に帰らなくちゃいけないのかな、と猫じゃらしを秋風に揺らしながら祖父母宅へと歩く道のりは本当に地獄でした
病室で動けず苦しんでいることだけが地獄ではない
我々には見えない地獄が、予想できない場所に潜んでいる
やればやるだけ報われるわけがない やればやるだけまた地獄が待っているだけである それを理解した上でやり続けるしかないのである
この詩の救いは、その地獄を感じている人は実は自分以外にもどこかにはいる事実、ただそれだけである
私は生きている間に、どれだけ私と同じ地獄を見てくれる人に出会えるんだろうか
今後、誰にも出会えないとしても、地獄をただ進むことで私は子供の頃の私を供養してあげるのである

また会ったね

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