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‎唎酒師になったら飲んですぐ分かること

今年の1月に、とある酒屋さんのイベントに参加してですね。
日本酒、以前から好きだったんですけど、改めてすっかり惚れこんでしまったんですよ。なんか妙にうまい。メシと合う!

以前から、‎唎酒師の資格をもっている方は何人も知っていて。カッコイイ、いいなーと憧れていたので。
なんか一念奮起して、6月に試験を受けて9/1から名乗れるようになりまして……はい、本日ですね。今日から晴れて唎酒師になりましたですよ。
本日から‎唎酒師になりました(と二度言ってみる)
 
1月から本日の9月にいたるまで。期間で言うとだいたい7カ月。だいたい半年強、延々と日本酒飲んできました。
幸いなことに、会社の近所にこだわっていていつもたくさんの銘柄を並べている立ち飲み屋さんがありまして。そこに通いました。いろんなの飲みました。
常連さんから「いつも来てますよね」と温かく声を掛けられるようになりまして。最近好きな銘柄は秋田の「新政」なわけですが、たぶん彼ら常連さんの頭の中では、わたしは独りで夕方たまにやってくる「新政女」と名付けられていることかと思います。

そんなわけで、かなり飲んだし。
いろんな味・香りの日本酒が存在することを知ったわけなのですが、それでも、ですよ。

テイスティングができない、のです。

お酒の味と香りを覚えられない。
具体的に言うと、毎年行われているきき酒競技大会のように、最初7種類の銘柄不明の酒をテイスティングして、次に提出される7種類とどれが同じか突合させて回答するようなやつですね。
それが(個人的に)難しくて、できない。

悔しいなあと思うけど、半年飲みまくって、唎酒師の資格も取ったのに、そういう見分けるテイスティングができない。

え、じゃあ唎酒師の資格ってなんだったの、何をやったの? という話ですよね。
それはですね、唎酒師の資格が誰のために何のためにある資格かってことにもよる話なんです。

唎酒師に求められることというのは、ものすごく簡単に噛み砕いていうと、「日本酒の初心者のお客様に、日本酒を分かりやすく分類して伝えてあげるための知識を身に着けている」ことが第一で、さらに「品質が変わりやすい日本酒という商材の正しい保管方法や提供方法をマスターする」こと、なんですね。
香りの強さと味わいの濃さで、日本酒って大きく4つに分類できるんですね。香りが高い薫酒や、コクや旨みがある醇酒、みたいな4つの分類があるんです。
唎酒師のティスティングでやることは、今飲んだ酒が、この4つの分類のどれに当てはまるかってことなんですね。どれか分かったら、次は合わせる料理とか酒器を決めて……となるわけです。

さすがにそれぐらいはできますよ、というレベルの話、なんだなあ。
例えば、味わいがシンプルで香りが低い「爽酒」という分類があります。今、流通しているお酒のうちかなり多くがこのタイプに分類されます。
3つ並んでいるのがすべて爽酒だったら? 今のわたしには判別できません。今はムリです。能力が足りてません。

つまり、タイトルの答え。
唎酒師になったら飲んですぐ分かることとは「飲んだお酒が薫酒か爽酒か醇酒か熟酒の4つのうちどれか」ということだけなんですよ。
(※あと、何らかの劣化をしていないかどうかも重要なポイントですので一応補足しておきます)

能力がぜんぜん足りていないことを痛感する日々なのですが、
もちろん、自分が好きなタイプのお酒がどういうタイプで、日本酒スペックから味や香りを想像することはできるようになりましたけどもね。

で、なんで、半年も飲んだのにできないのか。その理由を末尾に記して、終わりにします。
①わたしの嗅覚と味覚の成長する余地がない。もう能力の限界である。
②香りと味を覚えるためのメソッドが足りてない。
③今やっている香りと味を覚えるためのメソッドが間違っている。
④そもそも嗅覚と味覚が一定レベル上の人でないと、きき酒はムリである

①と④は似てるかもしれませんが、内的要因か外的要因かの違いです。
ひとまず、①だと思うと、このあと終了してしまうので、
まず③を疑ってみることから。
呑んだ時必ず、どういう色で香りで味わいかというのをスマホにメモっているんですけども。そのやりかたから改善してみるかなあ。

味わいをどう感じたかって感覚の話じゃないですか。それを言葉に落とし込むのって、すごく難しいんですよ。
モノカキらしく、ここ、力みますね(笑)。
自分が、また記憶のタンスから引き出せるように。味覚を言葉に変換してしまいこんでおいて、また引っ張り出す。
ひとつの仮説ですが、きき酒がぜんぜんヘタクソで上達しないのは「感じた香りや味覚を、自分自身の言葉に落とし込んでないから」じゃないかなあと思っています。

つまり、オチとしては、‎唎酒師の資格をもったらできることは限定されておりまして。結局のところは、その人が自分自身で努力しないと、テイスティング能力は育たないぞ、ということなのでした。
これから3か月ぐらいずつ、新しいメソッドを試しながら、能力が上達するかどうか試してみます。

がんばります(笑)。

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