ドンクール

ドンクール (Don Cool) | 競走馬データ

冷ややかな首領


騎手時代の福永祐一とそのファンにもっとも見せつけた騎手を1人あげるとしたら

武豊騎手
だと思います

ラインクラフトの秋華賞
ドンクールのさきたま杯
エピファネイアのダービー

その日浦和では財布や現金が盗まれるという事態があった日
福永祐一とドンクールが勝つのではないかと思ったゴール前
武豊とアグネスジェダイに差される
公式には残っていない(?)武豊騎手コメント第一声

「福永君、勝った顔してました!」

場内は笑いに包まれた
もちろん自分もである!
…そしてすぐ真顔になりました

しかしこのユーモアのおかげでその頃のモヤモヤが晴れた
福永祐一はまさにこの年フリーになった辺りからイベントやメディア情報が増えた
しかもバラエティとかである

「ファンのため」
やっていてくれているのはわかる
しかし、メディアや未勝利のレース後などイベントで見せる笑顔に違和感を覚えていく
これのために私は騎乗予定や結果をチェックしたり
競馬場に足を運んだりしているわけではない
私が見たいのは…

ふくながくんのかったかお

どれだけ不細工でも良い
私はこれが見たいんだ

とあるドキュメント番組は騎手が出ると負けると言われている
その番組に出たときはまさにラインクラフトの秋華賞の頃だった

今なら見る気も起きないだろう
強烈な違和感だった
どうしても天才騎手の息子対天才騎手という演出をしたいみたいで
ラインクラフトはその演出のための道具にされているみたいで不快な番組だった

ラインクラフトは秋華賞では距離が不安視されていた
騎手をかばいたいのか、負けて距離が敗因というファンは多かったけど私はそうは思わない
そうしなければラインクラフトと陣営に失礼に当たる
ラインクラフトへの思い入れがあるのなら、距離なはずない

恩人瀬戸口勉が見出した馬
厩舎を支えた1人竹邑厩務員
師の弟子西谷騎手は調教していた

あのシーザリオをソデにした
それはラインクラフトへの思い入れを口にしていたことを考えたら納得だし…

ラインクラフトの時は会いに行けなかったであろう事を考えたら
ワグネリアンは負傷していながらもそれが出来て良かったと思う

福永祐一は40代になり冴え渡る
あっという間にダービー三勝ジョッキーとして引退し
次のステージに行った

その引退を知るまでの間まで思ってしまった
今なら勝てるレースもあった
考えてはいけないことは分かっているけど
例えばエピファネイアのダービー

あの週バラエティに出演していた
それを知ったとき嫌な予感がして
それは的中した

エピファネイアは菊花賞
スミヨン騎手でジャパンカップの勝利を挙げた
それほどの馬なのだ
ラインクラフトがいてもシーザリオに思い入れがないわけもなく

母シーザリオだから応援していた人
父シンボリクリスエスだから応援していた人
他にもエピファネイアを応援していた理由がある人が少なからずいた
ダービーを勝てなかったことによる目は厳しかったし、菊花賞更にはジャパンカップで実力が証明された
私はそれらの書き込みに耐えられる強さもなかった

2011年3月11日に生まれた

その名もキズナ

なんて感動的なダービーなのか

武豊さん勝った顔してました


感動を与えてこそのホースマン


2020年コロナ禍の3冠馬

その名もコントレイル

ダービーの無観客のスタンドの向こう側

私達は確かにそこにいた

福永君勝った顔してました

一ファンて素晴らしい

競馬の楽しさを教えてくれてありがとう

お父さんと同じホースマンを選んでくれてありがとう


いつしかファン歴20年を越えた
ふくながくんのかったかお
をしてくれるのは現地でもそうじゃなくても嬉しいモノだ
「老けたな(笑)」
そんなふくながくんのかったかおはとてもいい
…そう思っている私こそが老けたな(笑)と思うほど

武豊さんは騎手としてこれからも勝った顔をするのだろう
沢山のホースマンと馬達とのキズナを携えて
その中には

「福永先生勝った顔してました」

と共に勝った顔をすることもあるかも知れない


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