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祝!マルシュロレーヌ NARグランプリ特別表彰馬に選出

昨年、マルシュロレーヌが日本調教馬では初めてアメリカのブリダーズカップを勝ったのにJRA賞では無冠に終わった際、下のようなブログを書きました。

今日、地方競馬の活躍馬を表彰するNARグランプリの発表があったようですが、見事、マルシュロレーヌ号が特別表彰馬に選ばれたそうです。

マルシュロレーヌ号の関係者の皆様、おめでとうございます。

NARグランプリの対象は地方競馬所属馬だけかと思ってましたが、柔軟に対応するNARの関係者の皆様も素晴らしいですね。

次はアメリカのエクリプス賞の受賞報告待ってます。

【特別表彰馬】
マルシュロレーヌ(JRA)
 地方競馬の発展に顕著な功績があった馬や、その他顕彰に値すると認められる馬を表彰するこの部門。
 レディスプレリュード(JpnII)、TCK女王盃(JpnIII)、エンプレス杯(JpnII)、ブリーダーズゴールドカップ(JpnIII)と、様々な競馬場と距離で4勝を上げ、牝馬ダート世界ナンバーワン決定戦ブリーダーズカップディスタフ(GI)で世界制覇の偉業を成し遂げたマルシュロレーヌが、地方競馬のレースで能力を開花させ、世界最高峰のレースを制するに至った同馬の蹄跡や、この快挙が日本で実施されているダート競走の地位を大いに高めてくれたことなど、多くの委員から同馬の活躍を賞賛する声が寄せられ、全会一致で選定された。


マルシュロレーヌについて思う事

先日、2021年度のJRA賞が発表され、エフフォーリアが年度代表馬に選ばれた一方、昨年日本調教馬では初めてアメリカG1(ブリーダーズカップディスタフ)を勝ったマルシュロレーヌが、何の賞も取れなかった事が話題となっていたので、JRA賞受賞馬について調べてみました。

ちょっと古くて恐縮ですが、マルシュロレーヌと合わせて、1998年にフランスのG1を勝った2頭の成績を比較してみました。

●マルシュロレーヌの2021年度の成績

日付 開催 ランク レース名 距離 着順
21.11. 6 アメリカ G1 BCDG1 ダ1800 1着
21. 8.12 門別 G3 ブリーG3 ダ2000 1着
21. 6.30 大井 G1 帝王賞G1 ダ2000 8着
21. 5.22 3名5 G3 平安SG3 ダ1900 3着
21. 3. 4 川崎 G2 エンプG2 ダ2100 1着
21. 1.20 大井 G3 TCKG3 ダ1800 1着

●シーキングザパールの1998年度の成績

日付 開催 ランク レース名 距離 着順
98.12.20 5中6 G1 スプリンG1 芝1200 2着
98.11.22 6京6 G1 マイルチG1 芝1600 8着
98. 9. 6 フランス G1 ムーラG1 芝1600 5着 
98. 8. 9 フランス G1 モーリG1 芝1300 1着
98. 6.14 3東8 G1 安田記念G1 芝1600 10着
98. 5.24 3名2 G1 高松宮記G1 芝1200 4着
98. 4.26 3京2 G3 シルクロG3 芝1200 1着

●タイキシャトルの1998年度の成績

日付 開催 ランク レース名 距離 着順
98.12.20 5中6 G1 スプリンG1 芝1200 3着
98.11.22 6京6 G1 マイルチG1 芝1600 1着
98. 8.16 フランス G1 ジャッG1 芝1600 1着
98. 6.14 3東8 G1 安田記念G1 芝1600 1着
98. 5.16 2東7 G2 京王杯スG2 芝1400 1着


マルシュロレーヌは日本調教馬初のアメリカG1制覇(或いは海外ダートG1初制覇)だった訳ですが、日本調教馬史上初の海外G1制覇は、今から遡る事二十数年前、1998年フランスのモーリスドギース賞(芝1300m)を勝ったシーキングザーパールが最初でした。マルシュロレーヌは初のアメリカG1制覇で、ヨーロッパ迄入れるとシーキングザパールが先なんですね。実はこの年、シーキングザパールが偉業を成し遂げた僅か7日後に、タイキシャトルが同じフランスのG1(ジャックルマワロ賞)を勝つという快挙を達成した年でもありましたね。

で、この年のJRA賞がどうだったかというと、タイキシャトルが年度代表馬を含む3冠で、シーキングザパールは無冠でした。

1998年度 JRA賞受賞馬

表彰部門 受賞馬
年度代表馬 タイキシャトル(USA)
最優秀2歳牡馬 アドマイヤコジーン
最優秀2歳牝馬 スティンガー
最優秀3歳牡馬 エルコンドルパサー(USA)
最優秀3歳牝馬 ファレノプシス
最優秀4歳以上牡馬 タイキシャトル(USA)
最優秀4歳以上牝馬    メジロドーベル
最優秀障害馬 ノーザンレインボー
最優秀父内国産馬 メジロブライト
最優秀ダートホース ウイングアロー
最優秀短距離馬 タイキシャトル(USA)
特別賞 サイレンススズカ


タイキシャトルとシーキングザパールの違いは何だったかというと、その年、JRAのG1レースで勝っていたかどうかという違いが大きいと思います。タキシャトルは、この年G1を2勝したのに加えてG2も1勝、一方シーキングザパールはこの年、JRAのG1を1勝もできなかったんですね。だからかどうかは分かりませんが、この年、シーキングザパールもJRA賞は無冠に終わっています。

そもそもJRA賞なので、JRAで活躍することが前提になっているのかどうか分かりませんが、昨年2021年、マルシュロレーヌが中央で走ったのはたった1回(平安ステークスG3)だけで、しかも勝てずに3着に終わっているのを考えると、海外G1以外の実績は明らかにシーキングザパールより見劣りしていますね。

時代が違いすぎるし、今回勝った海外G1の重みも全然違いますが、あくまでJRA賞という名目を考えると、中央G1に出走すらしていないマルシュロレーヌが賞を取るのはかなり難しかったんじゃないかなぁ、と思います。

長年競馬を見てきたものからすると、遂にブリーダーズカップを制覇する馬が出てきたかという思いで、レースもとても強い内容でしたし、たかだかJRA賞を取れなかったくらいで色褪せるような偉業ではありません。個人的には特別賞なんかより年度代表馬を超える賞を上げても良いくらい、こっちの方が全然すごい事だと思っています。

JRA賞は取れませんでしたが、もうすぐ発表されるアメリカのエクリプス賞(アメリカの年度代表表彰)に入る可能性もあるので、出来ればそっちで賞を取れたら嬉しいですね。

残念ながら次はサウジアラビアのレースを走って引退するようなので、日本で走る姿はもう見れそうにありませんが、まずは次のレースも無事に勝って、繁殖に上がったら、是非、クインナルビー、キョウエイマーチの血を繋いで名品系を築いていってほしいと思います。

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