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#はじこい 最終話

また見てすぐ感想を書く人。

「はじこい」こと「初めて恋をした日に読む話」のドラマが終わってしまいました。喪失感。虚脱感。あと期待しすぎると8話とか9話の最後みたいな「超展開」にびっくりしてショックを受けるので、ほどほど、ほどほどに。。。と思いながら見始めた最終話。

ユリユリの合格発表直前まではドッキドキでフーフー言ってました。

雅志を振るシーンは良かったなあ。ちゃんと断った順子偉い。あと、雅志のセリフもとてもとても良かった。涙がじんわりした。

でも、さらっとユリユリは東大に合格。

なんというか、順子より試験を選んだこととか、それでも試験に挑んだ感じとか、すごいよくわからない超常現象みたいな次元で入試のことを書いてるけど、いやいやいやいやいやいや。

大学入試って、それ自体が自分を見失うほどの衝撃事件ではないのかなと思うの。入試超怖い。私は自分の弟が、センター試験を前にわけわからんくなって、台所で包丁持ち出そうとしていたのを止めて、夜中に丸刈りの頭をなでなでして「頑張ってるから大丈夫だよ」と言った記憶があるんだけど、誰もがそんな気持ちになるくらい自分が怖くなる体験なんだと実感してる。それを、マイナスの立ち位置から受験勉強を始めて、必死に勉強してきた匡平は、それはそれは不安な中で試験を受けるのではないかと。

そのための勉強を主題にして、そこにラブコメをぶっ込んで描いてきたこの物語は、主人公たちが最も命がけで戦う場所が東大入試でないといけないと思うのよ。

試験を見守る順子と、それに一人で挑む匡平。その一番大切な部分を、事故でぶった切るのはやっぱり良くないと思うのでした。うーん。

今回は試験の合格そのものをするするっと描き、その後の年の差の苦悩の方に主題を持ってきたところから何かを間違えたと思うの。そんなもの超越したところに順子とユリユリの何かがあって、彼らが戦うべきは受験と、それを乗り越えた上での絆の叶え方ではないのかと。

というか、それがそもそも漫画の方の主題でしたよね。多分。抗えないほどの何か。覆せないほどの絆。

私、持田あきさんの漫画は「君は坂道の途中で」を1冊だけ買って「ほへー」と眺めて終わり、20年くらい経ってから「はじこい」を買ったわけですが、なんというか、やっぱり漫画を書き続ける(それも少女漫画を)のはすごいことなんだなと。

使い古されたような受験、先生と生徒、恋愛のネタでも、それを全く陳腐化させなかったのは、「常識を超越させる」ほどのヒロインの魅力と、17才のひたむきな気持ちですよ。匡平は、今まで何があってもへこたれなかった。壁さえも自分を鼓舞する材料にして、真剣に挑み続けてきた。恋愛も試験も。

そのもどかしさを、その狂おしさを、その儚さを、漫画はとても上手に描いていた。でも、ぶっちゃけ、原作だけ読んでいた頃の私は「んーでも、雅志か山下とくっつけばいいと思う」と思っていた。最後は大人でいいじゃん、くらいの。

でも、ドラマを見始めたら「そういうわけにはいかない」と翻った。

横浜流星さんのユリユリが凄すぎて。

その魅力の一つひとつを解明する時間はないのですが(いやあるよね)、ぶっちゃけて言えば「真面目さ」の体現。顔は1話あたりはまだおぼっこい。2話か3話あたりからなんでか精悍になってきて、順子への恋が本物なんじゃないかって気がしてくるほど熱視線がすごくなった。熱い。熱い。でも儚い。

山下とか雅志とか、稼ぎがあって大人な奴らと戦うには「熱い想い」しかない、って横浜さん自身何かのインタビューで答えていたけど、それでいい。夢を見るには十分すぎた。私たちにとっては。

山下の退場のさせ方、受験の描き方、そしてラストの描き方。少しもったいない感じもあって、でも作る人たちは鼻血が出るほど考えたんだろうと思います。

お母さんとの対峙、匡平とお父さんとの和解、その辺を上手に描き切った部分などはとても評価したい。良かった。雅志をきちんと振るのも良かった。山下君は夢を見たまま初恋を終え、雅志は20年の初恋に区切りをつけた。だからこそユリユリのまっすぐな恋心を、何があっても貫き通してきた思いを、「年の差」というようわからん現実で心折れさせたところに「違うだろ」という思いが湧くわけですね。最後順子から言いに言ったのはいいけどね。

さて。

色々思うところはありましたが、毎週こんなのドラマを楽しみにしてドキドキフーフーしたのは久しぶり。個人的には4話と9話(事故以外)が大好きです。あと2話と3話の、匡平が恋心を自覚していく様子も好きだった。

正直、最後の講堂キスよりも、先週の鬼ハグ(鬼のお面をつけてハグ)の方が300倍くらいドキドキしたし、何回もリピートしました。人の心って難しいね。演出って大変ですね。今日は、試験の合格に焦点を当てて、結果が出た暁に順子がユリユリに気持ちを伝え、それを丁寧に丁寧に描き切るだけで全国の妄想女子たちが脳内破裂を起こしそうなほどワクワクできたと思いますよ。

でも、やってみないとわからないしね!

あと、横浜君は前髪おろしてる方がユリユリかっこいいなあと思わせる何かがありました。前髪をあげていると、ユリユリではなくてただの横浜流星さんでした。なぜか夢から覚めていくのを実感した。学ラン、ピンク頭、前髪うっとおしそうなユリユリは最強で最&高だった。

そして、先週くらいから深キョンの肌の疲れを実感することも多く、やはり連ドラの最後の方は大変なんだなあと思ったり思わなかったり。。。

なんというか、漫画は夢を最優先して、伏線回収やつじつま合わせが後回しになって、そこを指摘する人たちも多かった(塾の授業中に携帯鳴らすなとかアマゾンの書評で書かれた他)。でもそれを凌駕するほどにうまいモノローグ、心に刺さるセリフが多くて、そこに惹かれる人たちがたくさんいた。

ドラマは、その弱い部分を上手にサポートして、リアルさを加味しながら上手に展開していたけど、最後のオリジナル展開になった時に「現実を超越するほどの何か」が足りなくなったのでしょうか。順子はかっこよかったよね、もっと。とか、匡平はもっと一途だったよね。とか。思わずにいられない。

むしろ、ユリユリとの幸せは漫画がすごーく上手に描いてくれると思うので、(持田さんはツイッターの狂喜乱舞ぶりが面白すぎて、やっぱりこの人只者ではないと思わせるものがある)ドラマは雅志とくっついて終わっても良かったのかもしれません。引っ掛かりを覚えたら、それもまた一興。恋が実らなかったユリユリを、全国民(のうちの60万人くらいの人※インスタのフォロワー数参考。私もか!)が「ああ、ユリユリ。。。!」と涙を流しながら温かく見守ってくれたかも。


ああ、中身があるようでない長文。

まあ、でも、良かったです!

作ってくれた人たち、演じてくれた人たち、キュンキュンしたよすんごい。ありがとうございました。



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