2022年12月30日＆2023年1月6日放送

　今回のお客様は、須崎市で漁師をしながら仕事の様子をYouTubeにアップしている森本嘉征さん！

▶ 漁師を継ぐ気はなかったのに…

　須崎市でシラス漁師をしていた父親のもとに生まれ、子どもの頃には船に乗って漁の様子を見学したこともあったという森本さん。しかし漁師の道に進む気はなく、学生の頃は少々やんちゃな毎日を送ります。

　定職に就かず、ぶらぶらしていた頃、父親が病気で倒れ、親族で力を合わせて行っていたシラス漁が出来なくなるピンチが…！？漁師になる気はなかったものの船舶免許は取得していた森本さん。叔父さんから船に乗ってくれと言われて、シラス漁の誘導船に乗るようになります。

　須崎湾のシラス漁は、誘導船１隻と、網船２隻の計３隻で操業するのがスタンダード。２隻の網船でシラス用の網を張り、誘導船がシラスの居場所へ誘導する形で漁を行います。

　シラスの居場所は魚群探知機を使って見つけますが、最初はその見方が全く分からなかったそうで、一度船を降りたベテラン漁師さんに１シーズン乗ってもらって、その人の仕事ぶりからいろいろ学んだそうです。


　そんなシラス漁師の森本さんに素朴な疑問をぶつけてみました！

Ｑ．シラス漁は何時頃に出航するの？
Ａ．だいたい朝４時頃に港を出て漁場に向かいます。


Ｑ．須崎のシラス漁師はどのあたりまで船で出て行くの？
Ａ．基本的には、西は久礼のあたり、東は横浪スカイラインの中ほどまで。


Ｑ．一回の漁でどれくらいのシラスが獲れるの？
Ａ．多い時には約１トン！金額にして100万円になるときも！？


ヒエー！！漁師って夢のある職業なんですね✨

▶ 素潜り漁もしています！

　シラス漁がない時期は、素潜りで伊勢エビを獲ったり、魚を突いたりしています。須崎ではボンベを使った漁は禁止されているので、素潜りが基本。肺活量が勝負です！森本さんは２分くらい潜れるそうで、水深２０メートルくらいまで行けるそうですよ。

　伊勢エビを捕まえるときには”魚ばさみ”と呼ばれる道具を使います。岩陰やテトラポットに潜む伊勢エビに近づき、魚ばさみで一気に捕獲！動画を見ると簡単そうに見えるんですが実際は難しいんでしょうね。

　また魚を突くときは身ではなく頭を狙います。理由は、身に傷を付けてしまうと商品価値が下がってしまうから。泳いでいる魚を突くだけでも難しいのに、しかも頭を狙うなんて、やはりプロの仕事ですよね。

　ちなみに森本さんが狙うのは、高級魚のクエやイシダイ、スジアラなど。
須崎の海には意外とイシダイが多いんだそうですよ。

▶ YouTuberとして活動し始めたのは？

　漁師としての仕事の傍ら、漁の様子を撮影してYouTubeにアップしている森本さん。須崎の仲間と飲んでいたときに、ふとしたきっかけでYouTubeに動画を投稿しようという話になり、カメラや編集用のパソコンなどを購入！
2020年9月に最初の動画をアップしました！

　チャンネル名は … 【 須崎うみんちゅ嘉征チャンネル 】！
漁師ならではの映像が話題となり、現在は約３万人のチャンネル登録者数がいます。

　これまでに投稿した動画の中で最も再生数を稼いでいるのが
『漁師も唸る！獲れたてのシラスで漁師飯！』と題した動画。
獲れたてのシラスをあったかご飯の上に乗せて食べる最強の朝飯が人気となり、これまでに270万回以上再生されています。

　コメント欄には…

■ いまだに、これを超える飯テロはない。
■ 食べなくても分かる。絶対うまいじゃん♪
■ 威勢のいい方言と共に、自分で獲ったものをその場で食べるなんて、なんて贅沢なんだ…！　など
約1200件のコメントが並び、森本さん自身も反響の大きさにビックリ！
”漁師ならではのシラス丼” と “バリバリの土佐弁”でバズっています。

▶ 漁師の仕事のやり甲斐は？

　2022年12月で29歳になったばかりの森本さん。
須崎で自分の船を持って操業している人の中では最年少なんだそうです。

　須崎の漁師さんは、平均年齢が60歳くらいで、最年長は85歳くらい！
高齢になってもまだまだ元気に海へ出かける人が多い一方で、後継者不足は深刻化しています。森本さんのようにシラス漁をしている漁師さんも、昔は10グループ以上いたのに、今は数グループに減っているそうですよ。

　そんな背景もあって、漁師の仕事にもっと注目してもらいたいと考えている森本さん。アイデアと腕一本で大金が稼げることを、YouTubeやSNSを使ってアピールしています。実際、漁師の仕事に憧れている方から連絡が来ることもあるんだとか。漁師YouTuberの面目躍如ですね。

▶ 今後の夢は？

　海の男といえば、一仕事を終えると昼間から豪快に飲むというイメージですが、意外や意外、森本さんは晩酌をしないんだとか。
オシャレなファッションに、香水の匂いが漂う“新時代の漁師さん”ですで。


　最後に森本さんの今後の夢や目標を伺いました！

■ “凄腕の漁師”と言われる漁師になりたい！

　須崎にこんな凄い漁師がいる！と話題になり、釣りガールたちの黄色い声援を一身に浴びるのが夢かと思えば、全国の漁師から注目されたいと語る森本さん。我々素人はもちろん、プロの漁師をも唸らせるテクニックで漁師界に新風を巻き起こしてください！