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医は算術?不可解な病院対応から考える交通事故患者対応知識の杜撰さ


昨今・・・というか、ここ数年のSNSを拝見していると、柔道整復師による不正請求での逮捕は、ある意味で社会悪の様な印象を与えることに、非常に有意に働きました。

私は2008年頃から、SNSを通じて交通事故、被害者が受ける実態と、それにマッチしない医療従事者の対応知識レベル問題点と対応をお伝えしてきました。

しかしながら、その思いは、全員に通じるわけはなく、1部の先見があって問題点の分析ができる治療家への問題提起と情報提供で終わっています。

そんな世間から、眉をひそませるような対応は、当然ながらドクターからも反感を受ける形になります。

・接骨院には交通事故患者を対応させるべきではない
・通常の外傷なら、ともかく、交通事故であるとすぐに不正を働く
・その不正の一端に関与しているようであるならば、こちらの信用も危なくなる
・診断権もないし、そもそも何ができるのか?
・そもそもが医療従事者とは程遠い

私は、そのような扱いを受けるのが、同じ免許を持っている者として本当に嫌だったものですから・・・信用がないのであるならば、信用を得るに至るような、知識と立ち振る舞いのヒントをお伝えしてきたのですが・・・

どうも、自分たちの都合の良いように、交通事故患者から治療費を稼ぎたいと言う方は多く、嫌な話を聞くたびに、10年以上私がやっている事は無駄なことなのかなぁと落胆することは少なくはありません。

ただ、勉強しない治療家も悪いですが、実際に勉強している治療家もいるわけですし、Dr.の医科が持っている知識が、必ずしも正しいとは言い切れない事例も実際にあります。

今回はびっくりするような、医科の交通事故対応の話が流れてきましたので、ご紹介しながら、なぜこのようになるかの推測を解説してみたいと思います。

①医は算術ですか?ジバイ病にかかった医科の驚く対応

②交通事故患者は迷惑な存在ですか?実際の体の症状と違う傷病名と、患者が「適当な対応だな」と思った処方。

③流れ流れて接骨院。この状況で接骨院はダメっておかしくない?

の3点でお送りしたいと思います。
以後、これは全て事実です。

①医は算術ですか?ジバイ病にかかった医科の驚く対応

とある降雪がある地域の方が、単独事故を起こしました。
車は横転して大破。救急車も呼ばれて、とある病院に搬送される形になります。

私も、実際に、雪道で単独横転している車を見た事は何回かありますが・・・雪は怖いもので、突拍子もなく、車は意図しない方向に流れたりするので、運転手が過失のある走行をしていなくても、事故は発生したりします。

今回の方もそういった方ですので、形式としては、単独事故ではありますが、ご本人としては被害事故でもあるわけです。

救急車で搬送されておりますから、当然症状があるわけです。
病院について言われた言葉は
「今回は保険使えません。なので全て実費になりますがいいですか?

私もこの話を聞いたとき、アングリとしましたが、本人も何を言われているのか理解できなかったそうです。

確かに言葉を取ってみれば、自賠責保険は使えません。
自賠責保険は、対人賠償であり、対象は他人です。
なので、自賠責保険が適用できない・・・これはわかります。

ここからが問題です。
健康保険を使わせようとしていない。

実は、この「交通事故では健康保険を使えない」と言う思い込みは根が深く、過去遡ってみれば、昭和60年6月28日に大阪地方裁判所で行われた裁判の判決があります。

「健康保険の取り扱いの指定を受けている。医療機関である限り、保険証の提示をして、健康保険の利用を求められればこれを拒否することができない。」
と判決されたこの裁判は「交通事故においては健康保険は使えない。したがって、自由診療としての費用を請求して然り」と言う病院側の思い込みでした。

「交通事故で健康保険は使えないんだから、自由診療高単価の治療費請求分を、裁判で認めろ」という提訴は、制度法律の根拠があるので「交通事故で健康保険は使える」という司法判断により、却下されました。

・交通事故で健康保険が使えるのかどうかの根拠が曖昧
・そもそもなぜ自由診療とされているのか?

経緯も含めて、いろいろな可能性はありますが、根拠のある議論を持ってしてではなく「交通事故とはこういうもの」と言う感覚で扱われている印象です。

ジバイ病とは、根拠無きまま「交通事故=自賠責保険=高単価自由診療」という構図が頭から離れられず、その点が上手く行かないことに感情を荒げる事もあるなど、根拠無く「交通事故はジバイ」と思考してしまうことを指します。

さて、先の病院の話に戻りますが・・・

今回の話にあるような単独事故の場合は、自賠責保険は確かに使えません。
ただし、車両に乗っている場合、自動車保険に付帯する人身傷害が使える場合があります。

ただ、これも何度かこちらのマガジンでもお伝えしておりますけれども、保険会社としてみれば、なるべく経費を削減したいと言う思惑があることから、約款にも「公的保険等の利用を行い、費用の圧縮に努めること」と契約者に対して、高単価の抑制を課しています。

本人は結局のところ・・・こんなに自分は大変な思いをしているのに、保険を使わせないで実費として費用を徴収しようとしている病院に対して不信感を持ったわけです。

聞けば、実費となれば、30,000円から50,000円ほどかかる・・・
「そんなのはおかしいだろ!」
自賠責保険制度や健康保険が交通事故で使えるなどの公共を知らない一般人である運転手でも、対応に不信感しかわかなくなりました。

「もういいです!帰ります」と、痛い体に鞭すを打って、病院を出ようとしますが・・・ここからさらに・・・


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