<経営の話 阿房煎餅屋>

<経営の話 053>
阿房列車は最高だ。内田百閒が大好きである。
このことだけでも経営者としてあまり適性がないことがわかるw

東京を出て盛岡へ夕方に着きたい。
それには朝早くの汽車に乗らなければ到着しない。
しかし、百閒先生は早起きが大嫌い。絶対したくない。
『その汽車に乗らないで、その汽車で着きたい。』
まるで禅問答のようなわがまま極まりない要望にどう対処するか?
そしてたどり着いた結論は
『そういう時刻にその汽車が出るところまで行っていればいい。そこで一晩泊まって、そこから乗れば着く時間はこちらの思い通りになる。』
最高すぎるソリューションだ!
このエピソードが好きで何度も思い出すし、読みたくなる。

効率、スピード、それは大事だけれども最優先じゃない。
なるべくやりたくないことはやらないほうがいいし、やらせたくない。
目標必達努力してとか、夢に向かって全力!とか
正直、ちょっと苦手なところだ。
それを上から勝手に押し付けられるとか押し付けるとか社長としては辛くて我慢できない。

「我々が求めたのは労働力だった。ところが、やって来たのは人々だった」
マックス・フリッシュ
どうやって尊厳ある一人の人として社長と従業員の関係性を作れるか?
気を抜くと偉そうになってしまうし、労働力として扱ってしまう可能性に満ちている。
口で言うほど簡単なことではない。
百閒先生のように振る舞うには金もかかるんだ。
百閒先生の借金エピソードも最高なので、ぜひご一読をw

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?