見出し画像

PieceCHECK(2023-7) 4次方程式の解

いつもご覧いただきまして、ありがとうございます。KATSUYAです。

YouTube動画をUPしました。今回は京都大学からの問題。4次方程式の解の情報から係数を決定する問題です。
思考時間は8分、解答時間はそこから約20分弱とします。

こちらの記事では、答えを静止画像にて掲載しておきます。静止画像の方が記載内容は少し詳しめです。
よろしければ動画と両方ご覧になってみてください^^

解答


※以上より、[1][2]の計6組が答えとなります。

また、1次式の2乗で割り切れるという条件については、下記のような別解も考えられます。[1]の場合のみ示します。

解説

4次方程式$${\bm{x^4+ax^3+bx^2+cx+1}}$$のうち2つが整数解、残りが虚数解となるように整数$${\bm{a,b,c}}$$を求める問題です。

具体的な解がほぼないので絞りにくいですが、まずは整数解であることから絞ります。因数定理で見当をつける際に、$${\displaystyle \frac{定数項の約数}{最高次の係数の約数}}$$をあてはめる手法は知っていると思います。

今回はどちらも1ですから、整数解がありえるとしたら$${\bm{\pm 1}}$$しかないわけです。
まずはそのことをきちんと証明しましょう。上の約数の話の証明をそのまま使うことが出来ます。

有理数解(整数解)の証明は有理数$${\displaystyle \frac{\bm q}{\bm p}}$$を設定

拙著シリーズ『Principle Piiece 数学A~整数~』p.89

これにより、1の重解、-1の重解、±1の2解を持つ場合を考えればいい事になります。
重解をもつということは2乗で割れる(余りがゼロ)ということです。
解では、実際に割り算をしています。割られる式が具体的に与えられていること、そして残った商の部分も欲しい(虚数解条件を求める)というのが思考プロセスです。商は2次式なので、判別式で条件を求められます。整数解条件から絞れますね。

$${(x-1)^2}$$のように、何かの2乗で割った余りについては、別解のような解法もあります。原則を復習しておきましょう。

$${\bm{(x-●)^2}}$$でわった余りの求め方3つ
[1] 剰余の定理・因数定理を2回活用  [2]$${\bm{P=BQ+R}}$$と微分した式にを代入   [3] $${\bm{x-●}}$$を主役にして二項定理の活用

拙著シリーズ『Principle Piiece 数学Ⅱ~複素数と方程式~』p.48


1.解けた人は、今後の勉強はじっくり演習をしましょう。
2.解けなくて、原則を知っていた人は、思考時間を長くする演習をしましょう。
3.解けなくて、原則も知らなかった人は、原則集めからやる必要があります。

Piece CHECKシリーズでは、出来あがった答案からは見えない部分を解説していくことで、「なぜそうやって解くのか」「いったいどこからそんな答案が生まれるのか」に答えていきます。

関連する拙著『Principle Piece』シリーズ

大手ネットショップBASEでも、デジタルコンテンツとして販売しています。

※ここより先には内容はございません。本記事に価値を感じていただけた方は、ポチっとしていただけると大変うれしいです。(もちろん、任意です)

ここから先は

0字

¥ 100

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?