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むやみに手を出さない方がいい参考書

いつもご覧いただきまして、ありがとうございます。KATSUYAです。


【お知らせ】数学の問題集『Principle Piece』はほぼ全分野販売中です!!

1つの問題から、多くの問題が出来るようになるための考え方・手法(原則:Principle)を出来る限り分かりやすく、そして詳しく言葉に落とし込んだ数学の問題集です。

そして、本記事で書くような「要注意参考書」にありがちな点も把握しているので、とにかく「学習者目線に立った参考書」になっています!!

単元自体を未習の方も、本シリーズで最初から体系的に高校数学を学べます。そして、学習後の到達レベルは「難関大入試合格最低点レベル」です!

こういった参考書にも要注意

こちらの動画の続編という位置づけで読んでいただければと思います。

動画の内容とは別に、指導者の評価とズレるもう一つの理由も、本記事で述べています。

高校数学に関する参考書はたくさんあり、どの参考書で勉強を進めるか悩むかもしれませんが、一部の人にしか合わないような参考書は逆に挫折し、数学が嫌いになる可能性すらあります。

そこで今回は、動画で紹介したパターンとは別のパターンで、注意すべき参考書についてお伝えしていきます。今回はちょっと数学寄りかもです。

理想的な実力アップの流れ(勉強法)

注意すべき参考書の前に、理想的なステップアップの方法は

  • 最初はざっくり理解で一通り終わらせることを重視する。

  • その後、周回したり上位のレベルの問題を行いながら、肉付けをしていき、あいまいな部分の穴埋めも行う。

です。周回しながらレベルアップしていくという感じです。最初から「完璧に」と思ってやってると、時間もかかるし、終わった時には最初の項目は忘れてます。極めて非効率です。

それを踏まえたうえで、注意すべき参考書について述べます。

必要以上に厳密に書くがあまり、文章量が膨大な参考書

一言で言えばこれです。こういう参考書は人を選びます。「学習者向けなの?」「学習者を挫折させに来てるんじゃないの?」といいたくなるようなものもあります。

初習者用、受験入門用の参考書であればなおさらです。

どの科目もそうですが、まずは「そのことがぼんやりとでも分かる」「覚えたことを使って自分で問題が解ける」ことによる達成感が大事です。

最初の段階で厳密性にこだわるような参考書は、必要以上に文章量が多く(本も分厚いので)、読むのに疲れてしまいます。数学がある程度好き(得意)な人以外は不向きです。

しかし、このような参考書に限って、「苦手な人も得意になる」とうたっており、かつ指導者たちが「分かりやすい」と評価しがち。
指導者にとっては分かっている内容が殆どですから、飛ばし読みもしているだろうし、長い文章を読んでいてもスラスラ頭に入ってきますよね。
だから文章が長くても「分かりやすい」と思うわけですが、まさに「それってあなた(指導者)の感想ですよね」って感じです。
数学が苦手な人が読んで「分かりやすい」となるとは限りません。こういったところで評価がずれます。

このような参考書は、著者が(自分のすごさ自慢?のために)自己満足で書いている過ぎず、学習者目線に全く立っていません。苦手な人が得意になるどころか、数学嫌いを増やす可能性すらありますので、個人的にはまったくおススメできません。

対象者は一部の強者のみ

「どの学習参考書も分かりやすさを重視するべき」と言っているわけではないです。同じ学習段階であっても、スタート時の学習者のレベルに応じて用いる参考書は変わります。

例えば、以下の2つの参考書が同じである必要がないことは分かるかと思います。

・偏差値70超えの学校の生徒が初めて高校数学を学習する際の参考書
・偏差値50付近の学校の生徒が初めて高校数学を学習する際の参考書

上の生徒が対象であれば、先ほど述べたような参考書でもいいでしょうが(私はそれでもあまりおススメしませんが)、そうでもない限りは挫折する可能性が非常に高いです。

ようするに、数学だからということで必要以上に厳密性や論理にこだわった参考書は、ほとんどのレベル帯の人たちには合わないわけです。

個人的には、この本は厳密性重視なので、数学がそもそも得意である、高偏差値帯(●●以上)の人向けですよと、明記しておいてほしいです。

ただ、著者や出版社側はなるべく対象を広げたいですから、絶対にそんなことはしません。これにより、参考書選びに失敗する人が出てくるわけです。

どうやって注意すべき参考書を見分ける?

初学者用の参考書の場合は特に、学習者の側から、どの参考書が「高偏差値帯向けの危ない参考書」なのかを特定するのは意外と難しいですが、それを見分ける比較的簡単な方法を1つ紹介します。動画と同じで、著者のX(SNS)をチェックすることです。

その著者のプロフィールや投稿内容をパラパラと見てみて下さい。その方がどのようなレベル帯の人を教えているのか分かることも多いです。高偏差値帯の人への指導経験しかない人と思われる場合、このような参考書になりがち。みんながついてこれるから、それこそが正しいやり方だと思ってしまうわけですね。実際は授業を受けている生徒のレベルが高いだけです。苦手な人を得意にしたこともないでしょう。

逆に、あらゆるレベル帯の人への指導経験がある人は、厳密性にこだわると、ほとんどの生徒がついてこれないことを知っています。
そのような指導経験がある人は、どうすれば理解してもらえるかを常に考えながら言い回しなどを変えており、指導方法を絶え間なく進化させているので、参考書も多くの生徒にとって分かりやすいものが多いわけです。逆に一部の強者にとっては、「物足りない」「ちょっと大まかすぎないか」と感じるかもしれませんが。

誰からの評価を得たくて書いてるのか

先に具体例を。数学ではありませんが、超有名な英文法の参考書(動画で述べたものと同じ)などが、やはりいい例だと思います。厳密性については私は分かりかねますが、私の周りでも多くの教え子が「分かりやすい」「この本のおかげで英語が出来るようになった」「この本をお勧めしてくれたおかげで、英語嫌いがなくなった」と言っているのは事実です。

同じ英語の指導者たちからはいろいろ言われている参考書のようですが、関係ありません。学ぶ側が役に立ったと感じるかどうかがすべて。

数学も同じで、指導者たちからの評価を気にすると、厳密性を重視する方向に行きがちですが、そもそもそれは学習参考書なのでしょうか。

学習参考書は、「学習」する人たちのための参考書であり、指導者のための参考書ではありません。他の指導者の目を気にして厳密性や論理にこだわるのは、「数学書」ならいいでしょうが、「参考書」が持つべき役割としては本末転倒です。

これが、YouTube動画で「指導者が称賛、批判する参考書の良し悪しは、その通りではない。なんなら逆のこともある」と私が言ったもう一つの理由になります。指導者の考える「良い」参考書と、学習者が感じる「良い」参考書はズレます。

これから参考書を買おうと思っている人、特に情報をネットから仕入れている人は、このような「評価のズレ」を認識しておくと、参考書選びで失敗する可能性を下げられるでしょう。

出来る限り、自分のレベルを把握してくれている身近な指導者や、自分と同じレベルの大学に受かった先輩などにおススメを聞いた方がいいと思いますよ。きっと、Xとかで指導者が「いい」と言っている参考書はあまり出てこないと思います。

オンラインよりオフラインからの情報の方が信頼できるのは、ネット創生期でも、令和の時代も同じです。
この記事もオンラインの情報です。100%鵜呑みにするのではなく、身近な人に聞いて、本当に自分に合っているのかどうかをよく吟味してねということです。

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