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言葉を狩る

りっちゃ・りょかちのやいやいラジオで、気になる言葉についての回を聴いていて、ダーコーヴァ年代記で言語学者が出てきた話を思い出していた。
(なんというタイトルだったかは忘れたが。)

Podcastの中で、言語は生き物で変わっていくものという話が出てくるのだが、ダーコーヴァ年代記のそのエピソードも、同様に言語の変化を追いかける言語学者の話だったのだ。(本の内容そのものがそうだという訳ではなく、主人公のバックボーンを説明する描写の中での話だった気がする。)

個人的には「言葉狩り」のように、ある言葉に対して「この意味が正しい」「こうあるべき」みたいな話には抵抗感がある。「正しい用法」ではなく「昔の用法」であり、「こうあるべき」ではなく「こうだった」だと考えているのだが、その考えはおそらくダーコーヴァ年代記のそのエピソードによって形作られたものだ。

そのエピソードでも言葉を「狩っている」のだが、それは言葉を仕留める狩猟の意味の狩るではなく、言葉を集める採集の意味の狩るだった。市井で使われている言葉に耳を傾けながら、言葉の変化を追いかけるというフィールドワークの描写で、本のタイトルやストーリーを忘れていても、そのエピソードを思い出すというのは、その考え方が結構インパクトがあり、自分として納得できるものだったという事だろうか。


ダーコーヴァ年代記って何だよ、という人のために、こんなページを貼っておく。

ここに書かれている限りでは、絶版で入手は困難ということのようだが、おそらくここで紹介されている全巻を持っている・・・はずだ(タイトルに記憶があるので)。実際には日本語に翻訳されていないエピソードも残っていたはずだが、それは結局刊行されずじまいということだろうか。そこは残念。
(でも今でも本屋に行くと、新しいの出ていないかなと無意識に探してしまうシリーズの一つである。もう一つは「敵は海賊」。)

なんだか久しぶりに読みたくなってきた(などと書きつつ、少し前に同様に掘り起こしてきた「スタープレックス」も読めていないが)。


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