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軸ずらしPR、人事との融合…2016年の広報活動を助けた“とっておき”をさらっておこう~広報LT大会#4

※広報マーケティングアドベントカレンダーに参加しています
http://www.adventar.org/calendars/1929

クリスマスが近づくと、学生時代の彼氏に贈ったプレゼントを相手に気に入ってもらえず、買い直した思い出がよみがえります。広報LT 大会運営チームのおそらさんです。

そのプレゼント(時計)は未だに実家の押し入れに眠っています。こういうものこそ「メルカリ」を通して、誰かの役に立っていただくべきでしょう。物に罪はないもの。
そんな株式会社メルカリさんにて、2016年最後の広報LT大会を開催しました。

https://prlt.connpass.com/event/43572/

今回は、経験年数も業種も様々な7名の広報さんが登壇。「2016年のふりかえり」をテーマに、この1年自分たちを助けた“とっておき”をご紹介いただきました。

※LT: 5分間程度の短い時間で行われる発表を連続して続けていく形式のプレゼンテーションのこと。「Lightning Talk(s)」の頭文字を取って「LT」と略される。


◆Ve Japan杉本さん「誰だってはじめは広報経験ゼロなんだ~非公認広報だった杉本が公認広報になるためにやったこと~」

トップバッターは、うちの会社ちゃんと広報しなきゃだめじゃん!」と、誰に言われるでもなく広報活動を始めたVeJapan杉本。広報LT大会の運営にも携わっています。営業と兼務しながら活動を進めた杉本が、公認広報として認められるまでの取り組みを話しました。


杉本が注力したのは「情報収集、発信、継続」。特に情報収集に関しては、媒体チェックに一つの工夫を。社会の動きについて学ぶだけでなく、「これ、自社でも同じ切り口でいけないかな」と、企画づくりの種を探す場としても活用していきました。

さらには営業活動も情報収集の場として活用。日々現場に立ち、最前線で得た肌感覚をそのまま広報活動に活かしています。足かせとなってしまいそうな“兼務であること”に、こんな強みがあるなんて。

複数の仕事があると、片方がうまくいかないときは、もうひとつの仕事が心の支えになってくれる」。前向きな杉本らしい発想です。

https://www.slideshare.net/secret/DonvBolYegnZfE


◆シェルフィー株式会社 鈴木さん「広報+人事→ブランドマネジメントにして良かったこと」

広報と人事を融合させて、生産性向上!そんな事例をシェルフィー株式会社の鈴木さんにお話いただきました。

採用広報を活動のメインとしてきたシェルフィーの広報体制。ある日「同じ課題に取り組んでいるなら、一緒にやったほうがいいかも?」と、広報と人事を融合させ「ブランドマネジメント統括部」を立ち上げました。現在は明確な役割分担をせず、どちらもの仕事を部全員で取り組むスタイルで歩まれています。

部をまとめたことで、リソース配分を柔軟に行えるようになりました。

さらにさらによかったことは、“ブランドづくり”について、両者の観点で議論できる機会が生まれたこと。

どんな会社にしていきたいか。どんな人と一緒に働きたいか。じゃあ、そのためにどんな企業として見られていくべきなのか。こうした議論を日常的に重ねることで、広報と人事がバラバラに活動していたときより、効率も改善スピードも俄然速くなったそうです。


◆株式会社OKPR 漆畑さん「2016年の時事ネタと広報振り返り」

株式会社OKPRの漆畑さんからは、年明けの広報活動でスタートダッシュを切るために心がけたいことをお話いただきました。

スタートダッシュのためには年内の準備が欠かせません。そこで大事になるのは、いまのうちに来年の主要予定をしっかり把握しておくこと。なかでも漆畑さんのオススメは「ゼヒモノ」の把握。バレンタイン、ひなまつりといった季節の風物詩や、日本初上陸などは、マスコミが必ず取り上げなければならないネタのひとつ。「ゼヒモノ」の日程を見据え、年内からじっくり企画を詰めていけると、面白いものが生み出せそう!


◆シックス・アパート株式会社 壽さん「書いてもらう広報から、書く広報へ」

シックス・アパート株式会社壽さんからは、オウンドメディアを運営したくなるLTをお届けいただきました。

シックス・アパートでは、オウンドメディアを運営したい人向けのオウンドメディア「six apartブログ」(https://blog.sixapart.jp/)を運営されています。オウンドメディアの読者、という新たなつながりを企業にもたらしただけでなく、発信した記事がWebメディアに転載されるなど、メディア露出の切り口も増やすことができました。

PR活動とは、「メディアに取り上げてもらえるような空気を作る」ことだと語る壽さん。「パブリシティの獲得」の一点に集中しがちですが、空気づくりに向けてどんどん新しい手法を試みることも重要ですよね。


◆株式会社メルカリ 中澤さん「2016年振り返り -広報の「生産性」を高める方法」

株式会社メルカリの中澤さんからは、「ぼっちで多忙でも、慌てず最大の効果を出す、生産性向上の秘訣」を伝授いただきました。

ずっと広報担当者がいないままサービスや会社が急成長され、2016年に初代広報としてメルカリに入社された中澤さん。取材オファーも多い中自分たちのメッセージを発信し続けるために、生産性を上げることを自身のミッションとして掲げ実行されてきました。例えば海外メディアに取り上げていただく際は、日本と米国の記者に同時に取材をお願いするそうです。1つの取材内容が2つの言語で露出され、結果的により多くの読者に届けられたといいます。

ほかにも、社員がイベントに登壇する際は「新ネタ」を持たせて登壇終了後に記者会見の場を設けるなど、1つの露出を大切にし「何度も嬉しくなれる」技を教えていただきました。


◆株式会社ユニクエスト・オンライン 永井玲子さん「絵の作り方がわからなかったITベンチャーがテレビに出た方法+2016年やって良かったこと」

株式会社ユニクエスト・オンラインの永井さんからは、「テレビ取材に応じてもらいやすくなる企画書づくり」を教えていただきました。

小さなお葬式」というサービスで、あちこちのテレビ番組でその名を目にするユニクエスト・オンラインさま。しかし永井さんが広報を始めた頃、新聞では取り上げられるのに、TVではなかなか露出されない…というもどかしい日々がありました。当時、TVディレクターさんへの売り込み中に頻繁に聞かれたことは「どんな絵がとれますか?」。そこで永井さん、ディレクターさんがテレビ構成を想起しやすくなる企画書づくりに注力します。

そんな永井さんが「心血を注いだ」ポイントはこちら!

・出たいテレビのコーナーがあれば、そのコーナーの放送にどのくらいカメラカットが必要か、予め確認する

・企画書の一枚目から自社を出さない!競合他社や共通項のある業界についても触れて、絵の多さを印象づける

・お客様の様子や(イケメンの)役員など、自社の「これは絵になる!」というものはすかさずチェック!企画書に盛り込む

こうした企画書改善の結果、永井さんはテレビ露出を増やすことに成功。おそらさんも早速「絵になる!」を探しに、社内を徘徊しはじめました。


◆東邦レオ株式会社 熊原さん「その時、何をしたか!!30件以上の露出に繋がるトレンドの『活かし方』を5分であなたに」

最後に、もはやメディアでその名を見ない日はない、という圧倒的な広報力をお持ちの東邦レオ株式会社の熊原さんのLT!

東邦レオは、この半年だけでなんと11回のテレビ露出。露出し続けるしかけとして、熊原さんは9個の必殺技をお持ちとのことですが、今回はそのひとつ「軸ずらしPR」についてご教示いただきました。

広報活動で度々議論にあがる「ニュースバリュー」。とはいえ、ぽんぽんと「New」を生み出せる企業は数多くはないでしょう。しかしながら、「New」がなくても露出チャンスはあるのです

記者さんは一つの記事の中で、社会の潮流を読者にまるごとお届けすることに努めていらっしゃいます。そのため、ある企業のあたらしい取組みが取り上げられる際は、付随した関連情報もまとめて記事に掲載されることはしばしば。この「関連情報」枠を狙うことも技の1つなのです。これを「軸ずらしPR」と熊原さんは名付けています。

たとえば昨今のトレンドといえば「働き方改革」。多くの企業が働き方改革に関する取り組みをすすめるなか、東邦レオさまは「あえて制度を設けない」という姿勢を紹介することで、同じ枠で露出を獲得されました。

ここでキーワードになる言葉は「一方」。社会のトレンドに対し、「一方」という言葉で自社の取り組みを提案できないか。発想ひとつで、掲載可能性の幅は一気に広がるのですね!


◆後記

2016年より始めた「広報LT大会」。今年1年で、20名を超える登壇者と、延べ160名を超える広報さんと学びをシェアすることができました。ご参加いただきましたみなさま、まことに、まことに、ありがとうございます。

来年も、真面目さとゆるさのあいだ、にある絶妙なポジションを目指し、明日につながる一歩をみんなで踏み出していけるような勉強会を運営してまいります。

LTしよう!それではよいお年を。


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