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「マーケ×広報 見えない垣根を越えNight」イベントレポート by サムライ広報会

広報LT大会(Lightning Text) #PRLT Advent Calendar 2018
https://adventar.org/calendars/3533 
このブログは広報アドベントカレンダーという広報ナレッジ共有を行うためのリレー形式のブログです。


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みなさん、こんにちは。
株式会社うるる取締役 & サムライ広報会主催の小林と言います。

僕はもともと広報の仕事はやっておらず、いくつかの事業の責任者を掛け持っていましたが、当社が2017年3月に東証マザーズに上場する1年前くらいから、中長期的な戦略実現のために、広報のミッションを持つことになりました。

広報を始めた当初、何から手をつけていいのかわからなかったので、まずは広報のイロハを学ぶべく、広報の諸先輩方とお会いしたり、様々な広報勉強会に参加をしたりしました。

勉強会では沢山の広報担当の方と繋がることができ、皆さんの広報という仕事への愛情やプライドをヒシヒシと感じるとともに、以下のような悩みを抱えている方(特に、いわゆる「一人広報」の方)が多いことを知りました。

・広報は成果(KPI)の設定が難しい
・せっかくメディア露出したのに成果に繋がらない
・広報を社内で理解してくれる人がいない

一方、こういった悩みから抜け出している人もいて、その方々に共通して言えることは以下の通りでした。

・他の部門や職種と一緒にKPIを追いかけている
・メディア露出の際には他部門や職種と連携して他の施策も同時に仕掛けている
・社内(経営陣含む)への広報を理解してもらう努力を怠っていない

他の職種との連携や社内を巻き込むことがこれらの悩みから抜け出す要因になると感じた僕は、広報が広報だけで勉強会をするのではなく、他の職種の方と一緒に勉強会をすることで、広報への理解を深めてもらうと共に、良い連携を生むキッカケになるのではないかと感じていました。

そんなことを考えていた2016年の年末に、サムライ広報会がひっそりと誕生することになります。

サムライ広報会の誕生

2016年の年末、渋谷で行われていた某広報勉強会の忘年会に参加をしました。

場所は僕には到底似合わないお洒落なカフェ、参加人数は100名弱、参加者の8割が女性の広報担当の方でした。

なんとなしにテーブルに座っていると、僕のテーブルは男性のみで固まることとなり、僕の隣には「初めまして」のOKPRの漆畑さん。以下のようなやりとりをしました。

ということで、あれよあれよでサムライ広報会の誕生です。(笑)

※「サムライ広報会」というネーミングは、上記スライドの通り野球日本代表の「サムライジャパン」をパロっただけですが(笑)、結構気に入ってます。

そして、こんな感じでロゴも作りました。(当社のデザイナーに作ってもらいました)

隔月で勉強会も真面目にやってますが・・・

打ち上げの飲み会の方が盛り上がっちゃうサムライ広報会です♪

・・・さて、話を本題に戻すと、「広報が成果を最大化するためには、他の職種との連携が必要である」という仮説に立ち、サムライ広報会では勉強会の度に以下のスライドを用いて、勉強会の意義に立ち返るようにしています。

TOKYO MARKETERS' TALKさんとの合同勉強会

前段の背景もあり、「サムライ広報会×他職種の方」で合同で勉強会をやりたいと考えていました。

そんな中、小林と漆畑さんとで「まずは広報と領域が近しい職種であるマーケと合同で勉強会をやりたいですね」という話しになり、マーケLT大会を実施しているTOKYO MARKETERS' TALK(以下、TMT)の高橋すみれさんにお声がけをいたしました。

僕と、OKPR漆畑さん、そして高橋さんとで早速ランチ会をし、互いの課題を共有した結果、以下のようなコンテンツの勉強会をやりましょうという話しになりました。

1.LT大会:現場で活躍しているマーケ担当/広報担当が、それぞれの職種と連携することでどんな成功体験や失敗体験をしたのかについて発表し合う
2.パネルディスカッション:マーケ/広報のそれぞれの分野に精通されている方を招き、職種の定義や連携のあるべき姿について論じ合う

この話し合いから約2カ月の時を経て、「広報×他職種」の勉強会を実現するに至りました。

2018年 11月13日「マーケ×広報 見えない垣根を越えNight」

会場は、サムライ広報会御用達(と、勝手に言っちゃってゴメンナサイ)のfreeeさんのオフィスをお借りしました。freeeの定田さん、ほんといつも有難うございます。

お決まりのお酒と軽食の準備も整ったところで、「マーケ×広報 見えない垣根を越えNight」スタートです。

総合司会はTMTの高橋さん。場の空気を創るチカラがハンパなく、イッキに会場に一体感が生まれました。(司会すごく上手かったな~)

まずは今回の勉強会の趣旨や背景の説明から。

「広報ってなんかよくわからなくて近寄りがたい・・・」
「マーケと広報の連携の仕方がイマイチわからない」
「広報の成果って何で見てるの?」

byマーケ担当
「メディアに出たけどなかなかKPIに反映されない」
「大きな成果を出すにはマーケとの連携が必要そうだけど、どうすればよいんだろう」
「社内で広報の役割の理解をなかなか得られない」

by広報担当

続いて、本会の運営メンバーから簡単に自己紹介です。

OKPRの漆畑さん。

私・小林。

LT大会前にまずは乾杯。いよいよ始まります。

LT大会

今回のLT大会は、マーケ側と広報側、それぞれの立場からLTを実施。
「立場が異なると発表の方向性も異なるのか?」
開始前からこんなワクワクが頭の中をよぎります。

1.【広報側】freee株式会社 定田充司さん 「点が円になる!?マーケ×PR 連携の可能性」

トップバッターは、サムライ広報会のfreee定田さん。
定田さんは、今現在はマーケや広報から少し離れていますが、もともと広報やブランディングチームのマネージャー。その際に実体験したことを語ってくれました。

ビヘイビアチェンジ = ユーザーの定着した習慣や思い込みによる行動自体を変え、選んでいただくことを目指す活動。「露出=パブリシティ」で終わるのではなく、きちんと関心を作る活動になっているかどうかがとても重要です。

沢山の成功事例も語ってくれましたが、小林的にはこういう失敗事例が身に沁みました。マーケチームとの連携が甘かったせいで、プレスリリースとLPのオープンタイミングなどがズレ、リード獲得の機会を失ったとのこと。まさに「マーケ×広報」の連携の重要さを物語るエピソードですね。

LT終了後のQAでは、「予算はマーケ、広報どちら側で持つのか?」という質問が。

「リード獲得系なら事業部側(マーケ)の予算。ブランディング系はPR側で予算を持つが、PR側は大きな予算がないので都度相談」とのことでした。

2.【マーケ側】株式会社ワンダーナッツ 富田竜介さん 「外部と連携し、提携を取れた話(スタートアップ向け)」

2人目は、マーケ側LTとして、ワンダーナッツの富田さん。
主要KPIを「問い合わせ数」に置いた際、これを広報と連携しどう追い求めたかについてLTを実施してくれました。

問い合わせ数増加のために、「トレンド」「キャンペーン」「新しい告知」の3種類に分けてプレスリリースを週一本必ず実施。特にメディアに対しては、「トレンド」が刺さったそうです。

また、外部コンサルを活用することで、リソース不足を補いつつ、プロのノウハウを導入しているとのこと。

外部コンサルは、当然費用もかかりますし、成果も見えずらい部分もありますが、目的と目標を握り、ハンドリングをキチンと実施すれば、この事例のように良い成果に繋がるんですよね。

今度、「外部コンサル導入の成功事例」にフォーカスした勉強会やりたいなぁ。(独り言)

中休み

LTでは、良い内容には「よっ!」、悲しい内容には「むっ!」と合いの手を入れましょうというルールがあるのですが、今回は二つの異なるコミュニティということもあり、皆緊張してるのか「よっ!」とか「むっ!」とかの発声がなかなか出てこず。

そんな状況を見かねた司会の高橋さんから、再度「よっ!」と「むっ!」の説明が入ります。

場の雰囲気に応じたファシリテーション力、サムライ広報会も見習わないとです。

3.【マーケ側】株式会社LiB 武井梨名 「収益拡大に寄与するマーケ&PR」

LT後半戦は、LiBの武井さん。
「営業だけじゃなく、マーケ&広報も稼ぐぜ!」という勢いあるテーマでLTを実施してくれました。

組織横断的なスケジュールを把握することで、連携をしていくのですね。
「全体像」無くして、最適な連携はできないと思うので、これはホント大切。

そして、この横断型でミッションを達成するためには以下の3つのポイントが必要とのことです。

①KGIの共有
→各領域でゴール設定がバラバラだと、連携しても良い結果は生まれませんね
②評価・振り返りは明確に
→良かったことと悪かったことを明確にしないと精度は上がりませんね
③上下左右を巻きこむ
→ 組織に一体感を生みますし、より良いアイディアが集まりますよね 

全社を巻き込んでのマーケ&広報施策のポイントがとても明確でわかりやすいLTでした。

4.【広報側】フリーランス 吉田ハルカさん 「マーケターは当たり前に出来て 広報が意外と苦手な事」

最後のLTは、フリーランスで今巷で話題のPRLTを主催している吉田さんです。
※吉田さんは、僕が広報駆け出しの頃に、読んでおくべき本などを教えてくれた、僕の広報ベンチマークの一人です。

これ、参加者からも共感の声があがっていましたが、まさにそう。
事業にも採用にも組織にも携わるのが広報。まさに経営レベル並みに広報のミッションは果てしないんです。

広報年数ごとの課題を図式化してくれました。これは本当にわかりやすい。(このスライド、みんなめっちゃ写真撮ってました)

本気で広報のミッションを成し遂げようとすればするほど、守備範囲が広がってくるので、迷子にならないようにミッション(目標)の解像度を高めることが大切だとアツく語ってくれました。

さすがPRLTを主催されているだけあって、LTも上手かったな~。

※ 吉田さんが当日の資料を公開してくれている、皆さん是非ご覧あれ。 

LT大会はこれにて終了です。

※LTをまとめて頂いているnoteもありますので、是非こちらもご覧ください!

パネルディスカッション

ここからは第二部のパネルディスカッションです。
マーケ側と広報側に分かれてのLT大会の後に、この重鎮たちのパネルディスカッション。もうお祭り騒ぎです。

パネルディスカッションテーマ 「マーケと広報の連携について」
▼ご登壇者
コーディネーター:コネクタ 日比谷尚武 氏
パネリスト:toBeマーケティング株式会社 代表取締役社長 小池智和 氏
パネリスト:株式会社井之上パブリックリレーションズ 執行役員 尾上玲円奈 氏

冒頭にも記載しましたが、このパネルディスカッションの趣旨は、マーケと広報の定義をきちんと理解し合ったうえで、連携のあるべき姿について論じるというものでした。

まずは定義から。
「認知→興味→検討→購入」のファネルにおいて、どこが広報でどこがマーケの領域なのかというお話をわかりやすく解説いただきました。

「広報によって達成された露出も、受注に近づくにつれてその貢献度を数値化できないジレンマがある」は、まさに広報あるあるで、とても印象的でした。

また、「マーケ施策によって顧客へリーチはできているが、なかなかリードにならない場合に生まれる課題をどう広報施策で乗り越えていくか」という連携の話は非常に分かり易かったです。

広報やマーケの話しがどんどんと広がり、そして深まり、参加者の皆さんも真剣な表情でメモなどを取っていました。
故に、本編に突入した時には既に残り時間わずか。パネルディスカッションの時間はもっと確保しておけばよかったなぁと主催者的に懺悔です。(笑)

広報が広報の定義を聞いたり、またマーケがマーケの定義を聞く機会はあると思いますが、今回のようにクロスして定義を聞く機会はそうそうないと思うので、とても充実したパネルディスカッションだったと思います。

パネルディスカッション終了後は、皆で記念撮影。右手を前に突き出しているのはサムライ広報会ポーズ(この時即席でつくったポーズですw)、両手でTやMを形どっているのはTMTのポーズです。

記念撮影終了後のこの場での交流会も大いに盛り上がり、イベント終了となりました。

ご参加いただいた皆さん、本当に有難うございました。

そして、本会を一緒に企画・運営してくれた漆畑さん、高橋さん、本当に有難うございました!

※「#マーケ広報」のツイートが盛り上がり、まとめページもでき、感謝感激です。


あとがき

このイベントから、ちょうど一カ月。

そしてこの一カ月の間には、PR3.0という広報の歴史を変えた大イベントもあり、広報の形が次なる発展形を迎え、いよいよ広報なくして企業経営は成り立たなくなっていくと感じています。

「広報を軽んじるのはP/L脳であり、広報を重視するのはファイナンス思考である」という僕の経営的持論もあるのですが、広報担当が経営者や周りを巻き込み、中長期的な視野を持って社会とリレーションを構築していかないと、何かのキッカケですぐに会社が足元をすくわれてしまうんだろうなと思ってます。

今回の「マーケ×広報 見えない垣根を越えNight」の趣旨にもありましたが、従来の広報イメージ(メディア露出だけ)から脱却し、それも含みで他職種とも連携し、大きな戦略を実現していく必要が広報にはあると思います。

なぜなら、それが自分たちの会社を助けるし、スケールさせるからです。

今後も広報という仕事を通じ、広報の奥深さを自ら感じつつ、そして広報の素晴らしさを微力ながら世の中に発信していきたいと思ってます。

いつも未開拓分野にぶちあたる広報の仕事は本当に楽しいですからね。

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さて、次なる「広報×異職種勉強会」、次はどの職種とコラボ勉強会しようかなぁ?エンジニアかなぁ?

なんて企んでる2018年の師走です。

それでは、皆さん、またお会いしましょう♪

※広報や採用などについてちょくちょくつぶやいたりもしてるので、twitterでも是非つながりましょう!


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