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新型コロナウイルス感染症(COVID-19)について。 No.10

私は、国ないし都は東京に急ぎ非常(緊急)事態宣言を出すべきだと考える。

4月2日の東京において、累積感染者684人・死者16人。
一方、約3週間前の3月14日のニューヨーク(州)が、感染者613人・死者2人。
そして現在ニューヨークの感染者8万3712人・死者1941人。ニューヨークの感染者数だけで中国全土の感染者数を上回っている。たった3週間の間に、600人だった感染者が8万人以上になった。死者は約1,000倍。

東京における4月2日の新たな感染者は97人。累積感染者数は1週間で約2.6倍になっており、これはニューヨークにおける感染増加の割合とほぼ同じだ。増加は直線的では無く指数関数的である。すなわち、東京は3週間遅れでニューヨークと同じ運命を辿っているように見える。ということは、今月末に東京だけで2千人の死者が出る可能性がある。

ニューヨークのクオモ知事は3月7日に非常事態宣言を出し、3月20日には外出禁止令を発動している。それでも医療崩壊が起こり、死者は2千人に達しようとしてるのだ。東京がもし何もしなければ、どうなるのか。東京の対COVID-19医療体制がニューヨークより格段に充実しているという情報はない。

サンフランシスコは3月16日に外出禁止令を出した。4月1日現在,サンフランシスコを含むベイエリアでの感染者数は2,645人,死者数が67人。わずか4日ほどの差で、ニューヨークと明暗を分けることになった。だから、東京もできる限り急ぐ必要がある。

前回のnoteで私は、BCG接種がSARS-CoV-2に対する抵抗性を上げている可能性を紹介した。また後日述べるかも知れないが、日本で最初に感染が拡大したウイルスは変異種で弱毒性である可能性もあり得る。これらの仮説の両方もしくは片方が真実ならば、東京はニューヨークのようにはならないかも知れない。

しかし現時点でそれは単なる可能性である。東京がニューヨークのように地獄と化す可能性は全く排除されていない。人は、悪いことは考えないようにする、大したことは無いだろうと根拠無く思ってしまう、まさか自分の身には起こらないだろうと思う、傾向がある。いわゆる正常性バイアスと呼ばれる誰もが持つ心理で、それが津波や洪水のさいに生死を分けることが知られている。

今まさに全ての人がこの正常性バイアスを捨てて、最悪に備えなければならない時である。もし杞憂であれば、それはそれで良い。全く良い。最悪の事態に突入してからでは取り返しがつかないのだ。多くの人命が失われることになる。想像力を働かそう。東京が3週間後に今のニューヨークの惨状を呈している様子を想像しよう。

下記リンクは、NY在住の日本人一般市民が現地の切迫感を伝える動画メッセージである。彼女の関西弁での必死の訴えが、リポートの迫真性を増している。
https://9post.tv/287967?fbclid=IwAR1_Nt2pnGtwJiBVp4Eh-FZIXPQVEI9V90HStxTXiRcQhVBqj7QuXW_LFKA

東京ではニューヨークのように外出禁止令を出せなくとも、補償を伴う自粛要請はだせるのではないだろうか? 私は、日本なら要請であっても人々は、補償があって状況を自分で理解できたら従うと信じる。そこがニューヨークとの違いになると考える。

国と都は、最大限のリスクコミュニケーションを図り、人々にニューヨークの状況と東京の状況をリアルかつ正確に伝え、理解して貰わねばならない。「要請」を機能させるためには、説得力のある説明は補償と並んで不可欠な要素である。

もし国や都が動かない場合、個人あるいは組織が非常事態宣言を出して外出を控えるしかないかもしれない。それでも、経済的補償はどうしても必要だ。

もちろん大阪・神戸も少し遅れて東京と同じ状況になり得る。

以下は東工大の柳瀬教授による同趣旨のより詳しい論考。
https://note.com/yanabo/n/n3910b52a0983?fbclid=IwAR24_oOqIEWZlFV6GUBaXzGeuRVVjsa2JS3E_cb_PMoQbMG5cnfYXLRNMtE

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