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先行逃げ切り大作戦

「自分の人生で嬉しかった出来事は何か」
を宿直の最中に思い巡らせていた。
深夜の中途半端な時間に救急外来に呼び出されたおかげで眠れなくなったから、なんとなく思い出していた。

いちばん最初に浮かんだことは
高校の実力テストで学年いちばんをとった時のことだった。
それは高校2年生の頃だった。

私はいわゆるガリ勉だった。しかも大学は推薦入試だったので、受験の最後まで赤本で勉強したことがなく、高校で習ったことだけをひたすらガリ勉していた。
いま思うと、大学教員と高校教員が作る試験問題は、作り手の意図が全然違うのではないか。高校3年生になり、周りが大学教員が作った問題(赤本)で勉強し始めて、ぐいぐい力を上げてきた。進学校だったのでそもそもみんなポテンシャルが高く、あっという間に追い抜かれた。一方で私は、高校3年生の頃には、高校の勉強に飽きてきて自分の学力がプラトーに達していることを自覚し、くたばってきて順位が下がった頃に受験シーズンを迎え、なんとか大学入試まで気力をもたせたような記憶がある。いろいろな受験生がいて構わないのだが。

私の一族は、私を除いて自営業を営む人が多い。
若い頃は、同期の会社員よりも収入が多いがそれが割と早めにプラトーになる。事業を拡大しない場合は、昇給した会社員に収入が追い越される日がやがて来る。

私の一族のこのスタイルは「先行逃げ切り作戦」と名付けられ、
我が家では主流の生き方なのだが、

そんなことを思い巡らせるうちに、朝が来て、
交代で出勤してきた職場の先輩とすれ違った。

つづく。




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