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超重要!!LOT管理について

ProjectBBBです。

次回“はむすたー”本リリース!と謳っていましたが、その前にとてもとても重要なLOTについてだけ書きます。
“はむすたー”に興味があるなしは関係なく、トレーディングに携る全ての人に向けてお伝えしたいことです。

読んでいただいた方はもれなく、
「ある特定のストラテジーを回す際に、一定の期間で破産しないためにはどれだけのLOT(レバレッジ)がベストなのか?」
が自分で簡単に計算できるようになります。

と、その前にちょっとした昔話をしたいと思います。

私は今までに破産の危機を3回も迎えています。
1回目はビギナーズラックで調子に乗っていた時に自分の思った通りの値動きにならず適切なタイミングで損切りできなかったとき。
2回目はレバレッジかけたスキャルピングにハマり、高勝率を維持できたことに調子に乗り、ふと自分の全く思いも寄らなかったタイミングでのトレンド発生時に損切りができなかったとき。コツコツドカン。
3回目はVXXのバックワーテーションを利用したVXXショートでレバレッジをかけてポジションの積み増しを行なっていたときにVIXが暴騰し、VXXコールオプションを買っていなかったせいで死にかけたとき。これは本当に危なかった。何もかも失うところでした。損切り額は1000万円ぐらい。

なんだよ。ちゃんと損切りしましょうねって話かよ。
と思った方がいるかもしれません。ちょっと違います。

1回目2回目はよくある話です。損切りができていればそれで解決します。
ただ3回目の破産危機のときには損切りがきちんとできる程度には成長していました。
それにも関わらずなぜ破産しかけたかと言うと、この破産危機は一晩で発生したものでありそもそも損切りの機会が全くなかったためです。
含み益がもともと500万程度乗っていたところで翌朝起きたら資産が1500万円ほど毀損していたときの絶望たるや!
VXXの話は完全に余談ですが、VIX関連トレードはBTCよりも素でボラティリティが高いのでリスク管理・LOT管理が完璧にできるようになってからやってください。絶対です。

損切りが大切なのは当たり前です。
それを今この場でとやかく言うつもりはありません。
今日は同じぐらい大切なLOT管理についてのお話です。

特にある程度の期間保有し、必然的にある程度のドローダウンに耐えなければいけないトレンドフォロー系のストラテジーを運用する際には
LOT管理が非常に重要になって来ます。

わかりやすく説明すると、ある特定のストラテジーで、
 6月:-20%
 7月:+40%
という結果になったとしましょう。
単純にレバレッジ1倍で動かしていれば、2ヶ月間で資産は+12%になります。
(100% → 80% → 112%と推移)

ただしここで5倍のレバレッジをかけていると、6月の終わりには資産が0になります。
7月のトレンドに乗ることができません。
この時点でゲームオーバーです。

つまり、その特定のストラテジーが出すであろう最大ドローダウンをあらかじめ許容するだけのLOTで回しましょう。ということになります。
トレードにおける損失は常に予想の範囲内でなくてはなりません。
想定外のことが起きて予想以上の損失が出てしまった、なんてことがあれば、それはイコール適切なLOT管理ができていなかった証拠に他なりません。
ことトレードに関して「思いもよらぬ損失」はリスク管理・LOT管理ができていれば起こるはずのないことです。

それでは冒頭に立ち返り、
「ある特定のストラテジーを回す際に、一定の期間で破産しないためにはどれだけのLOT(レバレッジ)がベストなのか?」
を考えていきたいと思います。

適切なLOT管理を行うためにどんな情報が必要は下の3つです。

・勝率
・リスクリワード比
・最大ドローダウン率

これを元に破産確率と呼ばれるものを求めていきます。
皆さんに複雑な計算をしてもらう必要はありません。
他サイトのものですが、いいものを見つけました。

破産確率計算フォーム

ここにTrading Viewのバックテスト結果で出てくる数字を入力していきます。

 勝率:そのまんま勝率です。
 リスクリワード比率:平均勝ち/平均負けの差の項目のことです。
 損失の許容:最大ドローダウン率を入れましょう(正確には違うのですが)
 取引開始の資金額:10
 破産と判断する資金残高:1

資金額と破産判断の資金残高は相対的なものなので自分の好きな比率にしてあげてください。
資金額を10にしておくと入力が楽です。
ではさっそく試しにやってみましょう。

勝率50%、リスクリワード比1.5(勝ちが負けの1.5倍)、最大ドローダウン率20%での結果です。
破産の確率が21.45%と出ています。
この破産確率は試行回数がある一定以上の回数担保されるときのものです。

試行回数が20回を超えた場合、正規分布に近似できます。
標準偏差は√p(p-1)/nなので、
その時の95%信頼区間は、p-2*√p(p-1)/nからp+2*√p(p-1)/nです。
※詳しく知りたい人は、二項分布(wikipedia)を参照。

ざっくり100回以上トレードしたときの確率だと思っていただければOKです!

このサイトにも書かれていますが、プロは破産確率を1%以下に抑えるそうです。
破産確率が1%以下の超優秀なストラテジーが作成できればいいんですが、それは非常に困難です。

だいぶ長くなってしまいましたが、ここでLOT管理が出てきます。
注文LOTを半分にすれば、最大ドローダウンが20%のものを疑似的に最大ドローダウン10%と見立てることができます。
試しにやってみると、破産確率はなんと0.48%になりました。
安心ですね!
一つのストラテジーを回す際にはこれさえできれば大丈夫。

とはいえレバレッジ1倍以下で回していては畢竟資産増加ペースも緩やかになってしまいます。
安全な範囲で最大限にリスクを取るために、複数のストラテジーを回そうという話が出てきます。

性質の異なる破産確率20%のストラテジーが5つあったとします。
破産しなかった場合は+100%の利益、破産した場合には-100%としましょう。
これをそれぞれのストラテジーをレバレッジ1倍(合計レバレッジ5倍)で回した時にどうなるのかを見てみると、

 1つも破産しなかったら、+500%(32.8%で発生)
 1つ破産したら、+300%(41.0%で発生)
 2つ破産したら、+100%(20.5%で発生)
 3つ破産したら、-100%(5.1%で発生。総資産0で完全破産)
 4つ破産したら、-300%(0.6%で発生。悪夢)
 5つ破産したら、-500%(0.032%で発生。逆にラッキー)

となります。
どうでしょうか。
ひとつのストラテジーを回すときにはリスクを抑えるために、レバレッジ0.5倍で回さなければいけませんでしたが、
複数回すことによってレバレッジを5倍にしつつ、94%以上の確率で+100%以上の利益を出せるという計算結果になりました。
性質の異なる5つのストラテジーという前提を達成するのは大変ですが、
レバレッジをかけてリターンの最大化を狙いつつリスクは抑える動きがイメージできたのではないかと思います。

実際のトレードでは、これをもう少し複雑にさせて
ストラテジーの同時稼働によるリスク低減とそれに伴うLOT管理について
で書いたように、成績の悪いストラテジーのLOT数を時間経過に伴って少なくしていくのでより安全になります。

この動きを実現するためには、
・破産確率計算のための数字が簡単に算出でき、
・複数ストラテジーの開発・検証・実戦が容易に行える環境
が必要になってくるわけですね。
そんな美味しいものそうそうないですよね。
それがAutomatic Trading Platform “はむすたー”です。

最後に宣伝しちゃいました笑
ProjectBBBでした。

読んでいただいてありがとうございます!